昨日書いたように現在太陽活動の極小期。
太陽活動が弱まると太陽の磁場と太陽風も弱まりますが、磁場が弱まると外宇宙からの宇宙線は太陽系を通過しやすくなり、地球に到来する宇宙線量が増えます。
下図はフィンランドOULU大学の中性子モニターによる宇宙線量の観測結果ですが、1965年以降の最高値は2010年に観測されており、現在それに迫ろうとしています。
出典:http://cosmicrays.oulu.fi/#solar
この間の地震や火山噴火との関連についてはサンプル数が少なく、また地球の自転速度の変化による影響(“日本列島の生い立ちと、世界は2017年から少なくとも5年間続く地震多発期 後編”ご参照)や潮汐力の影響(“昨日は大潮 大潮前後と低緯度地方は要注意”ご参照)もありますので、統計的な意味合いにおいては不明ですが、ダルトン極小期の“タンボラ山大噴火”や2011年の東日本大震災など、関連性を窺わせる面もあります。
しかしなぜ宇宙線が増えると地震や噴火が増えるというのか?
その根拠は?
その説が正しいかどうか私には分かりませんが、次のような理由です。
銀河宇宙からの高エネルギーは大気と衝突して無害な低エネルギーの二次宇宙線となります。
太陽風も銀河宇宙からの宇宙線も、地球大気は充分な厚みがあるので、太陽風のほとんどは地表へ届く前に吸収されるといわれますし、銀河宇宙からの宇宙線は無害な二次宇宙線に変わります。
宇宙からの高エネルギーの一次宇宙線は大気と反応して低エネルギーの二次宇宙線となります。
そのうち寿命の長いニュートリノやミューオンなどは我々の体を通過し岩石まで通過して地中深くまで達します。
一次宇宙線は人体に有害ですが、二次宇宙線は人体に作用せず通過します。
そのニュートリノなどは何も地球に作用しないかというとそうではなく、例えば万力で石に力を加えても割れなくても、石に水を垂らすと割れる、そのようなトリガーの働きをするというのです。
これを言うのが他の方なら信用しませんが、“プルームテクトニクス”の提唱者であり地質学の第一人者である“丸山茂徳教授”が言われるとそうかもしれないと思います。
※この動画は2009年に公開されたものです。
いずれにしろ、脅かすようですが現在地震・火山噴火の多発期であり、環太平洋火山帯が活性期となっているのは間違いなく、これに観測史上最大に迫る宇宙線が加わると、地震や噴火の可能性は高いと考え備えをした方が良いと思います。