現在の中国の強みは世界最大の市場です。
中国政府はエネルギー安全保障(原油輸入量の減少)や大気汚染改善に向けて、2016年9月に乗用車企業平均燃費規制(Corporate Average Fuel Consumption:CAFC)と中国版ZEV規制となる「新エネ車」(N ew Energy Vehicle:NEV )規制を統一管理する意見徴収案を発表し、CAFCクレジットとNEVクレジットからなるダブルクレジット制度を2018年から実施する計画を明らかにしています。
■ダブルクレジットスコア制
「ダブルクレジットスコア制」は乗用車の燃費などから換算されるCAFCクレジットスコアと、新エネルギー車の生産、輸入から換算されるNEV クレジットスコアがそれぞれ付与され、2つのクレジットスコアが一定の割合を満たすように義務付けられています。
詳細については「ダブルクレジット制度(NEVクレジット)」ご参照
となるとトランプがなんと言おうと日欧メーカーはEVに向かうと思いますが、リチウムイオン電池の価格は6年間で1/4に下がりました。以前は車体価格の1/2といわれたバッテリー価格は、現在では未確認情報ですが日産リーフで62万8000円といいます。
そう遠からずEVの方がコストが安い時代が来そうです。
そしてリチウムイオン電池の生産量は飛躍的に増えますが、2020年のリチウムイオン電池の生産量の見通しはご覧のとおり、中国の圧勝です。
出典:China Leading the Charge for Lithium-Ion Megafactories
出典:China Leading the Charge for Lithium-Ion Megafactories
あれから2年半、現在どうなっているかというと「全固体電池は材料から生産技術まで幅広い課題、オールジャパンで解決目指す」とオールジャパン体制で開発しています。
詳細はリンクの記事をお読みいただきたいと思いますが、産学提携で自動車メーカー4社(トヨタ自動車、日産自動車、本田技術研究所⦅本田技研工業の研究開発部門子会社⦆、ヤマハ発動機)、電池メーカー5社、材料メーカー14社の計23社。パナソニック、東レ、旭化成、三菱ケミカルなどの主要メーカーや15の大学・研究機関も参画して全固体電池の実用化と量産化を目指し、世界市場で主導権獲得を狙います。
多分プロジェクトをリードしてゆくのはトヨタだと思いますが、現状で体積出力密度2.5㎾・L、体積エネルギー密度400W/Lと、(リチウムイオン電池は重量当たりで表示していますので直接比較出来ませんが、エネルギー密度、出力密度はテスラモデル3に使用している2170電池を上回っていると思います。但しセルとしての性能はまだ劣ると書かれています。
出典:https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/at/18/00028/00002/
しかし全固体電池を開発しているのは日本だけではありません。
アメリカは米カリフォルニア州サンノゼに本社を置く、スタンフォード大学からのスタートアップ企業のクアンタムスケープ社がソリッドステートバッテリー技術に関して、およそ200の特許を持ちます。
そしてVWグループは同社に1億ドル(約110億円)を出資し、提携を結び、2025年までに量産ラインを確立するとしています。
もちろんベンツはじめ他のメーカーや中国社も開発している事は間違いないと思います。
特に中国は国家資本主義の国ですから、EVの覇権を握るため国力を挙げて開発競争に参列すると思います。
2025年頃が転換期かな?と思いますが、なんとしても開発競争に勝って欲しいと思います。