WECに挑戦する<<TOYOTA GAZOO Racing>>
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Ftoyotagazooracing.com%2Fpages%2Fcontents%2Fjp%2Fwec%2Frelease%2F2016%2F0324%2Fthumb-01.jpg)
TS050の1週あたりの最大エネルギー放出量は8MJ(222222kWh)。
といってもピンと来ないが、仮に、1週当たりの全開加速区間が1分間で、2kWhを使うとすると電力は2÷1/60=120kW。減速区間が30秒で、ここで2kWh回収するとすると240kWの電力となる。
上記の数字はいい加減な仮定に基づくもので、実際にはもっと大きいと思うが、とにかく短時間に大電力を出し入れしなければならず、エネルギー密度kWh/kg(重量1kgあたりどれだけ電力を蓄えられるか)もさることことながら、出力密度kW/kg(重量1kgあたりどれだけの電力を出せるか)が大事となる。
また内部抵抗が大きければ発熱が大きく、冷却が困難となる。
そんな理由からだと思うが、昨年まではトヨタTS050はエネルギー密度はリチウムイオン電池に劣るが、出力密度に優れるスーパーキャパシターを使っていた。
※2015モデルは1週あたりの最大エネルギー放出量は6MJ
しかし2016年モデルは6MJから8MJへの増加にあわせてリチウムイオン電池に変更した。
そんな事を考えながら下のグラフを見ると、これを使えば
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
リチウムイオン電池よりもたくさんの電力量を蓄えられ、3倍以上、なんとスーパーキャパシターを上回る出力を出せる。
充電もわずか数分でフル充電できるという。(とんでもない電流になると思うが・・・・)
しかもすでに実用レベルの耐久性を実現しているという。
まだ製品化はされていないと思うが、もしかして、これを使えばポルシェやアウディに対して大きなアドバンテージとなるだろうと期待したくなってしまう。
※<<超イオン伝導体を発見し全固体セラミックス電池を開発―高出力・大容量で次世代蓄電デバイスの最有力候補に―>>より引用
ハイブリッド車を燃費良く走らせようと思ったら、減速は極力電力回生に使う、つまり電力回生能力を上回るブレーキングをしない方が良いが、これが中々難しい。電力回生能力を向上させるためには充電速度の速い蓄電池が必要となるので、この全固体セラミックス電池は最適だと思う。
詳しくは<<超イオン伝導体を発見し全固体セラミックス電池を開発―高出力・大容量で次世代蓄電デバイスの最有力候補に―>>に書かれているが、以下に一部抜粋すると、東京工業大学大学院総合理工学研究科の菅野了次教授、トヨタ自動車の加藤祐樹博士、高エネルギー加速器研究機構の米村雅雄特別准教授らの研究グループが開発した全固体型セラミックス電池(電池の構成部材である正極、電解質、負極をすべてセラミックスで構成した電池。有機電解液をセラミックス固体電解質に置き換えることで、さらなる安全性の向上が期待されている。主に電解質材料のイオン伝導率が低いことが原因で出力に課題を有する)は、リチウムイオン二次電池の3倍以上の出力特性をもつ。
これまではパッケージングの自由度や安定性・信頼性の向上によって電池の大容量化が可能になることが、全固体セラミックス電池の利点であると考えてられていたが、、電解液を用いる電池では達成できなかった高速充放電が可能となった。
これは従来のリチウムイオン伝導体の2倍という過去最高のリチウムイオン伝導率をもつ超イオン伝導体を発見し、蓄電池の電解質に応用して実現したとのこと。
![超イオン伝導体の研究の歴史](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww.titech.ac.jp%2Fnews%2Fimg%2Fn001338_kanno_fig2.jpg)
この全固体電池は、既存のリチウムイオン電池より室温で出力特性が3倍以上 になるとともに、有機電解液を用いるリチウムイオン電池の課題である低温 (-30℃)や高温(100℃)でも優れた充放電特性 を示した(図3)。室温や高温での高電流放電において1000サイクルに及ぶ安定した特性を持ち、実用電池に匹敵する耐久性 を兼ね備えている。
この他にもトヨタは燃料電池車を発売しているし、リチウム空気電池も研究している。
<<「全固体電池」や「水素/空気二次電池」など次世代蓄電池のおかげでEVの未来も明るい?>> によると、新エネルギー・産業技術総合開発機構の「二次電池の技術開発ロードマップ」によると、全固体電池は2020~2025年、リチウム空気電池は2030年の実用化を目指すとしているそうだが、全固体電池は大幅に早まりそうである。
先日、テスラモデル3が予約注文を開始したとたんに33万台受注したということで話題になっているが、昭和の石頭親父としてはいまだにテスラのバッテリーには疑問をもっている。
これについては何度か書いたが、自動車専用のバッテリーを開発した日本メーカーのEVと違い、パソコンやLEDフラッシュライトなどに使われる汎用の18650電池(もちろん中国製の安物など違い品質管理がしっかりしているが)の安全性や耐久性には疑問を感じる。
以前火災もあったが、急速充電や急加速などを繰り返す事による容量が低下が大きくないだろうか?