姪っ子 | 夢老い人の呟き

夢老い人の呟き

願い望むは願望  夢は寝てみるもの 儚く叶わぬもの
  人に夢と書き儚  夢に人と書き夢人 
    夢と人の中に老いが入り夢老い人  儚く老いる独り言

私は散髪・・・・いや、床屋さんの鏡が嫌いだ。

自分の顔を鏡で長々と見るなど耐え難い。

あれこれ注文を訊かれるのも苦痛。

どんなに髪型を繕っても、おでこから下の造作が変わるわけではない。

いくら磨こうと飾ろうと、ジャガイモはジャガイモ、カボチャはカボチャなのだ。


そんなわけで専属のヘアドレッサーを育成した。

親族招へいで我が家に滞在の、嫁さんの姪っ子である。

この姪っ子が実に可愛い。

カットの間、「ガリ~ン(上手)」
「ガンダ~(きれい)」「キャッキャ
キャッキャ」と賑やか。

これなら退屈しない、散髪が苦痛でない。。。

姪としては多少出来映えに不満もあるようだが、どうせ誰も私の髪型などじっくり見ない。

注目するのはただ一点、髪の毛の有無だけだろう。




困った事に私は目が悪い。

姪の着ているブタさんマークのパジャマは嫁さんのもの。

見慣れたパジャマだけに、このパジャマを見ると反射的に嫁さんと思い込んでしまう。。

二人並んでいるところを、間違えて後ろから姪の肩を抱いてしまった。
     
・・・・・二人同時に振り向き、ニッコリ微笑んだ。

優しい姪っ子、寛大な嫁さんである、、、、、。
何事も無く無事に済んで幸いであった。


この姪がもうすぐ国に帰ってしまう。

この娘がいると家中が明るくて賑やかで、毎日が楽しかったのだが・・・・・これから寂しくなる。

嫁さんファミリーの絆は凄い。

このところ母親と3人、
ハイテンションの笑い声がするかと思えば、急にシンミリとなり抱き合って涙を流す。

だんだんとその振幅が激しくなる。

帰ったあとは当分の間、姪っ子ロスに悩まされる事になると思う。