
ローランド・ベルガーの福田 稔さんの著書だが、副題が「日本企業が半分になる日」だ。長年お世話になったアパレル企業を退職したばかりだが、内容が気にならない訳がない。直ぐにアマゾンで取り寄せ、2日間で読んだ。新型コロナ出現前の2019年に書かれた本だが、アパレル業界が抱えている課題や、アパレル企業に与えられた選択肢が分かり易くまとめられていた。
私は1978年に社会人となった。当時は日本経済が未だ成長過程にあり、自らを「中流」と意識している人が多くいた。豊かな中間層ともいえる人たちで、その中でも実家に暮らす「独身貴族」や「OL貴族」と呼ばれた若者が可処分所得を積極的にお洒落のために費やし、アパレル業界の成長を支えてくれたように思う。しかし、バブルが弾け、その後遺症に苦しむ中で中流と意識できる人がどんどん少なくなり、次第にユニクロやZARAで異なるお洒落に切り換えて行かれた方も多いように思う。かく言う私もその一人だし(笑)
更には、イギリスの「ブーフー」や「エイソス」などテクノロジーの進化をフルに活用したオンライン特化型のアパレル企業が出現したり、EC最大手のアマゾンが自社ブランドのアパレルを立ち上げたりと、新規参入が後を絶たない。何とも賑やかなことだが、新たな参入があるということは、そこに成長の可能性を見出しているか、又は既存企業との戦いに勝算ありと考えているからだろう。業界、業種に関係なく、サボっていては取り残されるか倒される・・・そういう厳しい時代を迎えているのだと思う。福田さんが「おわりに」で記された言葉が印象に残ったので、そのまま転記する。
「戦後、奇跡の復興を成し遂げた昭和を牽引した高度経済成長期のシステム(民間はボトムアップ型のコンセンサス経営、官は護送船団方式に代表される官僚的な日本型統治)が平成の時代に合わず、機能不全を起こしていたことは明らかだ。しかしながら、多くの人が成功体験から離れられず、或いは薄々、機能不全に気付いていても抜本的な対策を取らず、過去の栄光に甘んじ、ズルズルと惰性に甘んじてしまったのが平成という時代だった。」
この「成功体験」は時代が変わると失敗の原因になるということか。私も気を付けよう・・・というほど成功体験はないか(笑)

