同志社混声合唱団でご一緒しているソプラノの廣瀬くに子さんから、G.ヴェルディの「仮面舞踏会」のご案内を頂いた。廣瀬さんは Gruppo Animato というグループを立ち上げられ、今回がその第1回公演とのこと。合唱団の仲間と一緒に会場へと向かった。
「仮面舞踏会」の舞台は、アメリカが未だイギリスの植民地だった頃のボストンになっているが、元々はスウェーデン国王グスタフ三世が仮面舞踏会で暗殺されたことをテーマにして作られた物語だったらしい。そんな背景からイタリア国内での上演がなかなか許されず、やむなくボストンを舞台にした物語に書き直し、1859年にやっとローマで陽の目を見たオペラとのことだ。
あらすじはこうだ。ボストン総督のリッカルドが腹心の部下であるレナートの妻、アメーリアに心惹かれ、アメーリアも又リッカルドに思いを寄せる。決して公にできない苦しい恋愛となるが、これがレナートの知るところとなり、そこに未来を言い当てるウルーリカという占い師や、リッカルドに恨みを抱くサミュエルとトムが登場することで、不幸な結末への転落が加速する。最後の場面では全ての登場人物が善人に戻り、これが救いになるように思ったが、時代は変われども、人間の性や苦しみ、悲しみ、怒りは変わらないということか。
全三幕、原語での上演だったから、歌詞の意味は正確には分からない。それでも最後まで楽しめたのは、あらすじさえ知っていれば、後は音楽が理解を深め、感情移入を容易にする役割を果たしてくれるからだろう。音楽の不思議を改めて感じる夜になった。


