「アルミード」とは美貌の魔女の名前で、物語は11世紀末のダマスカスを背景にしている。アルミードは魔法の力で敵の十字軍の兵士らを魅惑し、打ち破ってきたが、騎士のルノーだけはなびかない。そこで、自らルノーを倒すと宣言し、その機会を得るが、ルノーに一目惚れしてしまったアルミードはルノーを殺すことができない。


悩んだアルミードは魔法の力でルノーが自分に恋するよう仕向け、その通りにルノーはアルミードを愛するようになるが、そこにルノーを救出すべく友軍の騎士たちが現れ・・・という展開だった。



主役のアルミードを演じたクレール・ルフィリアートルさん(ソプラノ)は、表情も歌声も折々の状況に応じて変化させ、恐ろしい魔女のときもあれば、ルノーを愛する健気な女性のときもあり、完全に言葉は理解できないにしても、舞台に引き込まれてしまった。

指揮とバイオリンの寺神戸 亮さん、合唱や管弦楽のレ・ボレアードさん、クレール・ルフィリアートさんを始めとする歌手の皆さん、バロックダンスを披露下さったダンサーの皆さん、その一体感が素晴らしく、あっという間の2時間半だった。

「サロンコンサート」という小さな演奏会に出演させてもらい、マスカーニ作曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲と、フィオッコ作曲「アレグロ」の2曲をバイオリンで弾いた。



半年に一度のコンサートで皆さん常連だが、出番が近付くと「あぁ、緊張する。なんで出るなんて言っちゃったんだろう」とおっしゃる。ところが、ステージから戻って来られると「次回は何を歌おう(演奏しよう)かしら」と、もう次のコンサートの話をされている。演奏前の緊張感や重圧感が大きいほど、終えたあとの解放感も大きいのだろうが、この解放感こそ繰り返し行ってきた練習や緊張感と戦いながらステージに出たことへのご褒美かと思う。


昨日は更に、味わえたり目に見えたりする特別なご褒美を頂いた。開店前から並ばないと買えない人気のどら焼。これが本当に美味しい。S田先生、ありがとうございました!


もう一つは孫娘からの手作りメッセージカード。「おじいちゃまへ、きょうのはっぴょうかいはとってもじょうずでした♥️だいすき」。


こんなご褒美をもらったら、簡単には止められない。もう少しバイオリンを続けようと思う。

朴 令鈴さん率いる音音(おとね)工房さんから面白そうなコンサートのご案内を頂いた。題して「少年の魔法の角笛~グスタフ・マーラーの音絵本~」。私の知識や想像力ではどんなコンサートになるのか全く分からなかったが、フライヤーがあまりに可愛らしかったので、ともかく、お邪魔することにした。



プログラムによると、「少年の魔法の角笛」とはドイツで語り継がれてきた民謡を集めた本のことらしい。名もない民衆の素朴な詩が700篇以上収められており、風景、動物、神様、愛、戦争、死など、私たちの暮らしに密接に関わってくるものを通して、人々の日々の営みが描かれているとのこと。これに様々な作曲家が曲を付けたらしいが、その筆頭とも言えるグスタフ・マーラー(1860~1911)は「他の文学的な詩とは本質的に異なる。芸術ではなく『生』と呼ぶに相応しい」と述べ、24曲の「角笛歌曲」を残したらしい。

 

今回はその「角笛歌曲」から16曲が選び出され、その各々の物語に絵本作家のまつむらまいこさんが実に魅力的な絵を描かれ、更にはそれを荒井雄貴さんがプロジェクションマッピングという投影法でステージや壁面に動きのある映像として描かれたので、これまで経験したことのない空間を味わうこととなった。



 正に、百聞は一見に如かずで、アンコールの時間になって撮影を許された画像がこちら。何とも幻想的な空間で、その中でメゾ・ソプラノの花房英里子さん、バリトンの小林啓倫さんが張りと深みのある声で時には力強く、時には優しく物語を歌われたので、写真にある絵本の中に引き込まれそうになる不思議な時間を過ごすこととなった。



観客席の隣近所には令鈴さんにお世話になった同志社混声合唱団の団員が十名程居られたが、終了と同時に皆さん「こんなの初めて。面白かったわね!」、「絵がきれい。なんか夢を見ているようだった」、「それにしても、令鈴さんのピアノも歌手のお二人も聞かせるわよね!」と皆さん、大満足の様子だった。


ちなみに、私は第10曲目の「天上の暮らし」が一番気に入った。大きなお皿が出てきて、そこに次々と美味しそうなフルーツや食べものが山盛りになっていく。晩ごはんを食べずに行ったから余計かな?(笑)