ピアノや音楽を教えておられるS先生とひょんなことで知り合い、生徒のお子さんたちのために毎年企画し、開催されているという「オペラごっこ」への出演を打診された。開催まで1ヶ月ちょっとしかなかったが、昨年催されたという「サウンド・オブ・ミュージック」の動画を拝見すると、手作り感満載ながら子供も大人も舞台で一所懸命に歌い演じておられるし、小規模だがオーケストラも参加されているようだ。これは面白そうだと好奇心が湧いてきた。



今年の演目はドイツの作曲家メラーの「白雪姫と7人の小人たち」で、S先生が登場人物の白雪姫、女王、小人たち、オーケストラ、混声合唱団のために5幕からなるオペラに編曲されたらしい。私が誘われたのは混声合唱団だが、英語の歌詞ながら暗譜ではないし、演技もないし、練習日も土日祝日だけだし、これは何とかなるとお引き受けし、一人じゃ寂しいからと、同級生のA山さんも無理やり誘い込んだ(A山さん、いつも強引でごめんね!)。


ところが、参加した練習ではお子さんたちがなかなか言うことを聞かない。いちばん幼い生徒さんは4歳、最年長でも11歳だから無理もないのだが、練習より休憩中のお遊びに夢中だ。その点、オーケストラの大人の方々には安定感があったのに、そこから新型コロナの感染者が出始めた。本番前日の練習でも全員が揃わないし、これはどうなることやらと不安なまま昨日の本番を迎えることとなった。

(リハーサルの模様)

そんな私の心配をよそに、リハーサルではお子さんたちが生き生きと舞台に上がり、ちゃんと自分の役割を演じ始めた。又、欠員の出たオーケストラには代わりの方が来て何事もなかったように演奏しておられる。そのお子さんたちの変化と、オーケストラの代役を引っ張ってこれるネットワークの凄さには心底驚いた。

(終幕後の記念写真)

結果は上々で、初参加の私も、無理やり誘われた同級生のA山さんも、我々の努力の成果を一応見ておこうと来てくれた各々の家族も、みんなが「良かったね」と言い合える「白雪姫と7人の小人たち」になった。

最後には子供たちを本気にさせた音楽の力、子供たちや仲間のためには一肌脱ぐよという音楽つながりの力を見せてもらったように思う。

4年ぶりに義父の故郷、金沢を訪れた。お墓参りが目的だったが、夜は酒豪揃いの従兄弟たちが楽しくて美味しい食事に誘ってくれた。



90年ほど前に撮られた写真で、向かって右から義父、伯母、叔父、伯父で、ものすごく仲の良い兄弟だったが、皆さん亡くなられた。お正月には金沢に集まり、酒盛りをされていたが、今は毎晩天国でゆっくり飲んでおられるんだろう。

従兄弟たちが案内してくれた料理屋さんの箸袋に「五戒」として次のことが書かれていた。

一、辛いことが多いのは感謝を知らないから。ニ、苦しいことが多いのは自分に甘えがあるから。三、悲しいことが多いのは自分のことしか分からないから。四、心配ごとが多いのは今を懸命に生きていないから。五、行きづまりが多いのは自分が裸になれないから。

これに一つ付け足すとしたら、「この五戒に心惹かれたのは、最近、自分を叱ってくれる人がめっきり減ったから」だろう。自分で自分を叱ります。
第7回ひらつか七夕コンサート「星空のレジェンド」を聴きに行った。総指揮・音楽監督は同志社混声合唱団で指導頂いている中村拓紀先生だ。チラシには「ミュージカルでもオペラでもない、合唱でつむぐ七夕の物語」と書かれていたが、プロのオペラ歌手、ピアニスト、ナレーター、子供たちの合唱団、大人の合唱団、そしてダンサーの総勢100名近い方々がそれぞれの役割で七夕の物語をつむいでおられ、大変聴き応え、見応えのあるコンサートになっていた。
 

 
序曲からフィナーレまで13曲から成る物語で、牧場で働くアルテオが天帝の孫娘ヴェガと恋に落ちるところから始まる。二人は子供も授かって地上で幸せに暮らしていたが、それを知った天帝が怒ってヴェガを天に連れ戻す。アルテオはヴェガを取り戻そうと牛に乗って天宮まで行くが、ヴェガとは天の川で引き離され、悲嘆にくれたヴェガが天の川を氾濫させる。困った天帝は、止む無く年に一度だけ二人の逢瀬を許し、それを知った子供たちや村の人々が地上で共に祝うところで物語は完結する。
 
高音で透き通るような子供たちの歌声には心洗われる思いがしたし、ヴェガになりきって第3曲の「私はヴェガ」を歌う女声合唱のご婦人たちはチャーミングで大変微笑ましかった。圧巻はフィナーレで、子供と大人の合唱団、オペラ歌手、ピアニスト、ダンサーの総勢100名近い方々がステージの上で歌い踊って七夕を祝い、そのエネルギーが観客席にひしひしと伝わってきた。エンディング後の拍手が鳴り止まなかったのは、これだけ大勢の人が見事な一体感を見せて演じるようになるまで、どれだけの練習を積み重ねられたのかと想像したからだろう。素晴らしいコンサートだった。