大学の先輩から紹介された朗読劇「青空」を観に行った。



主人公の大和(やまと)は、昭和12年の支那事変、14年のノモンハン事件、15年の日独伊三国同盟、16年の真珠湾攻撃から始まる太平洋戦争という激動の時代を生き抜いた少年だ。

元々は軍国少年だったが、日本の劣勢が感じ取れる生活になり、武器を作るための「金属類回収命令」に続き、極寒の地で戦う兵士の毛皮や食料を確保するための「犬や猫の供出令」が出されるに至り、大いに悩むこととなる。彼には家族のように思い、慈しんでいる柴犬の「麦」と野良猫の「小太郎」がいたからだ。その後の展開にはハラハラしたが、大和も麦も小太郎もたくましく激動の時代を生き抜き、勇気を与えてくれる。

朗読劇は初めての鑑賞だったが、ステージに置かれた4脚の椅子に、ナレーターを務めながら大和少年の父親や警官など登場人物を演じる安田 顕さん、大和少年を演じる瀬戸利樹さん、柴犬の麦を演じる小池栄子さん、野良猫小太郎を演じる梶原 善さんがお座りになり、時には軽妙に、時には重々しく物語を読んでいかれた。

言葉だけでその場面を想像させる朗読の才能や技術には感服したが、終幕の頃には「平和な時代に生まれて良かった。子供や孫にも平和な時代を生きて欲しい」と心の底から願うようになっていた。戦争は何の罪もない犬や猫まで犠牲にするのだと知り、改めて平和のありがたさ、平和を守る人間の責任に気付かされたのだろう。素晴らしい朗読劇だった。

バイオリン発表会に出た。

10回目になるので、おっかなびっくり参加した1回目の発表会から9年経過したのかと思うと、改めて時の経つ早さに驚かされるが、当時はバイオリンをこんなに長く続けることになろうとは思っていなかった。

 

 

長く続けられた理由は三つかなと思う。一つ、先生との相性が良かった。優しい先生で、私の上達のペースを守ってくださった。もし、下手に励まされたり叱られたりしていたら、こちらもいい大人だから、続けるのが辛くなったかも知れない。一つ、褒めてくれる家族や友人がいた。プロのように上手い訳がないが、家族や友人が良いところを無理やり探して褒めてくれた。それが励みになった。そして、残る一つは、年に一度の発表会があったからだろう。

 

今回の発表会では、ピエトロ・マスカーニ作曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲と、サミュエル・バーバー作曲「弦楽のためのアダージョ」を弾かせてもらった。間奏曲は娘のピアノ伴奏で、アダージョは熊さん(先生の旦那さん)の編曲で、何とバイオリン、ビオラ、チェロを弾く熟練6名の方々を後ろに控えての贅沢な演奏だったが、どちらも好きな曲だから、当然練習にも力が入った。

 

それでも、発表会が近付くにつれて気は重くなるし、舞台に出る直前には心臓がバクバクするし、弾き始めたら今度は必ず練習通りに行かないところが出てきて悔しくなるものだ。しかし、演奏が終わったときの達成感や解放感は普段の生活では味わえない素晴らしいものだし、更には、練習通りに行かなかった無念さが「来年こそは・・」みたいな再挑戦への思いにつながっているように思う。発表会がなければ、こんなに練習することも、感動することもないだろう。

 

ここ数年は以前ほど上達を実感できないから、「今回の発表会を最後にする」と言い続けているのだが、多分、来年も発表会の案内には「出ます」と申込み、練習を繰り返し、気が重くなり、「今回の発表会を最後にする」と宣言するんだろうな(笑)

3年ぶりに横浜市の西区で「西区民合唱祭」が開催され、DSKクワイア(旧名:男声讃美歌研究会)が出演することを知った。私は現在休会中の身だが、考えてみると、DSKクワイアの演奏を客席で聞いたことがない。これは良い機会だと思い、会場の神奈川県立音楽堂へと急いだ。



以前は30を超える合唱団が出演していたように記憶するが、新型コロナのせいで合唱練習がままならなくなり、参加を見合わせる合唱団が多かったのだろう。結局、参加は11の合唱団のみだったが、3年ぶりの合唱祭とあり、ステージに出てこられた方々は皆さん生き生きと歌い、嬉しそうな表情をされていた。

そのなかでDSKクワイアは10番目に登場、先ずは讃美歌の「恵み深き」を歌い、客席に平和な空気が満ちると、次に「ふるさとの四季」から、故郷、鯉のぼり、われは海の子、紅葉、雪の5曲を披露、最後に「故郷」に戻って歌い上げると、客席から大きな拍手を受けていた。

ピアノ伴奏者を入れても総勢13名の小さな合唱団だったが、パートごとの歌声が綺麗に揃い、歌い始めや歌い終りがとても優しく丁寧で、そのせいか、歌詞が染み入るように耳に入ってきた。一人ひとりが好きに歌うのではなく、回りの音に細心の注意を払いながら歌う・・そういう大人の余裕を感じさせる合唱だった。「君も復帰したければ、早く大人になりな」と言われたような気がしたが、すみません、もう少し時間が掛かりそうです(笑)