帯にある「選択に迷ったとき、くじけそうになったとき、あの人が語りかける」というコピーに心惹かれ、購入した。

 

 
22人の方々が取り上げられ、表紙には立花 隆さん、瀬戸内寂聴さん、樹木希林さん、高倉 健さんの顔写真が出ていたから、著名人ばかりだろうと読み始めたら、全く存じ上げない方が出てきた。福本清三さんという俳優だ。
 
福本清三さんは「日本一の斬られ役」と呼ばれ、「5万回斬られた男」という異名を持つ、時代劇には欠かせない「斬られ役」だった。台詞を言う俳優には向いていない、と見切りを付けた福本さんは「斬られ役」の技に磨きを掛け、「海老反り」と呼ばれる大きくのけぞったあと頭から倒れる無様な倒れ方を編み出し、危険をおしてこれを繰り返したことから、やがて時代劇ファンから認められ、かけがえのない存在になっていく。
 
福本清三さんは「誰かが見てますよ。だから一生懸命やるんです。絶対に誰かが見てくれる」という言葉を残しておられるが、日本一の斬られ役になった福本清三さんの名はハリウッドまで届き、なんと、2003年に公開された「ラストサムライ」でトム・クルーズと共演されている。役柄はトム・クルーズ演じる主人公を見張る寡黙な侍で、クライマックスの戦いでは主人公を守り、銃弾に倒れて見事な死に様を見せられたとのこと。「誰かが見てますよ」という言葉に説得力がある訳だ。

バイオリンの詩子先生からお借りした。



10年前なら、このタイトルに興味を引かれることはなかったと思うが、私の母は70才で、父は78才で亡くなっており、平均すると74才、一方、私は今年68才になるから、僅か6年後にその年齢に達することになる。それを思うと、佐藤愛子さんはどのように死にたいと思われたのか、参考までに知りたいと思った次第。

しかし、いざ読み始めると、佐藤愛子さんが経験された霊体験が次々に出てくるし、それを解決すべく、美輪明宏さんまで登場され、なかなか「こんなふうに死にたい」が出てこない。それはそれで興味深くはあったのだが、深夜、一人で読み進むうちに、臆病者の私は小さな物音にもドキッとするくらい怖くなってきた(-_-;)

ただ、ご友人の作家、川上宗薫さんがリンパ腺の癌で8ヶ月の闘病の末にお亡くなりになることを書かれたくだりで、佐藤愛子さんの「こんなふうに死にたい」が分かったような気がした。川上宗薫さんは死の間際まで口述筆記をされていたが、それについて佐藤愛子さんがこんなことを述べておられるからだ。

「彼の口述筆記は生き続ける手段であると同時に、死ぬための手段でもあったのだ。死ぬために彼は残ったエネルギーを使い果たさねばならなかった。本能が彼にそう教えたのだ。エネルギーの強い人間が死ぬためには、それだけの苦闘が必要なのだろう。」

恐らく、エネルギーの強い佐藤愛子さん(99才!)も最後まで書き続けられるのだろう。さて、私もエネルギーの強い方かも知れないが、「アイツは最後まで食べ続けたなぁ」などと笑われないようにだけ注意しようと思う。

昨年、ひょんなことで知り合ったソプラノ歌手、富永美樹さんからコンサートのこ案内を頂いた。



富永さんとメゾソプラノ久利生悦子さんは共に獅子座のお生まれで、しかし女性二人がライオンを名乗るのはちょっと・・ということから、フランス語読みの「リオン」と命名されたらしい。ピアノは小滝翔平さん。

演目にはオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」や「ファウスト」の曲もあれば、ヒットした映画音楽や昭和歌謡があり、それをお二人の共演、富永さんの独唱、久利生さんの独唱、小滝さんのピアノ伴奏と独奏で演奏するという面白いプログラムだった。

私の好みだが、富永さんの「ヴォカリーズ」(ラフマニノフ)と「宝石の歌」(オペラ「ファウスト」より)、久利生さんの「あなたの声に心は開く」(オペラ「サムソンとダリラ」より)は特に良かった。又、小滝さんが演奏された映画「ひまわり」愛のテーマには心を揺さぶられ、危うく泣きそうになった。

こじんまりとした会場にファンの方々が詰めかけ、最初から最後まで暖かで和やかなコンサートだった。