大学の先輩から紹介された朗読劇「青空」を観に行った。
主人公の大和(やまと)は、昭和12年の支那事変、14年のノモンハン事件、15年の日独伊三国同盟、16年の真珠湾攻撃から始まる太平洋戦争という激動の時代を生き抜いた少年だ。
元々は軍国少年だったが、日本の劣勢が感じ取れる生活になり、武器を作るための「金属類回収命令」に続き、極寒の地で戦う兵士の毛皮や食料を確保するための「犬や猫の供出令」が出されるに至り、大いに悩むこととなる。彼には家族のように思い、慈しんでいる柴犬の「麦」と野良猫の「小太郎」がいたからだ。その後の展開にはハラハラしたが、大和も麦も小太郎もたくましく激動の時代を生き抜き、勇気を与えてくれる。
朗読劇は初めての鑑賞だったが、ステージに置かれた4脚の椅子に、ナレーターを務めながら大和少年の父親や警官など登場人物を演じる安田 顕さん、大和少年を演じる瀬戸利樹さん、柴犬の麦を演じる小池栄子さん、野良猫小太郎を演じる梶原 善さんがお座りになり、時には軽妙に、時には重々しく物語を読んでいかれた。
言葉だけでその場面を想像させる朗読の才能や技術には感服したが、終幕の頃には「平和な時代に生まれて良かった。子供や孫にも平和な時代を生きて欲しい」と心の底から願うようになっていた。戦争は何の罪もない犬や猫まで犠牲にするのだと知り、改めて平和のありがたさ、平和を守る人間の責任に気付かされたのだろう。素晴らしい朗読劇だった。
