30歳のとき、8年間勤務した総合商社を退職し、父が当時社長をしていた中小企業に転職した。父は、「ジャンボジェット機からセスナ機に乗り換えるようなもんやな」と笑っていたが、実際、スピード感や乗り心地が全然違い、窓から見える景色も一変した。それは置いといて・・・・


退職と同時に、微妙に回りの人たちの接し方が変わった。

一番早く変わったのは、マンションの購入代金を借りていた銀行だろう。飛んできた。まぁ、理解できる。

取引先の人たちも変わった。定年退職すると急に賀状が減ると言うから、まぁ、これも理解できる。

同期の連中も変わった。当時はまだ総合商社が人気業種だったから、私はドロップアウトしたように見えたのかも知れない。これは少しショックだった。


その点、全く変わらなかったのが会社のラグビー部の連中だ。

退職したのに練習の案内が来る。こっちも30歳でまだ元気なもんだからグランドに出掛けて行く。みんな、私が会社を辞めたのを知っているのに、それを話題にもしない。「おぅ!」と挨拶して、ロッカーで着替えたらグランドに出て練習し、そのあと一風呂浴びて、「おぅ!」と挨拶して別れていく。彼らの変わらないところが、もの凄く新鮮だった。


その内、「FWコーチやる?」と監督に誘われた。「えっ?私、社員や無いっすよ!」と答えると、監督は怪訝そうな顔をして「それが何か問題なん?」と聞いてくるではないか。結局、コーチを引き受けて、選手と一緒に泣いたり笑ったり、思い出に残る2年間を過ごさせてもらった。


ラグビー仲間はどこが素晴らしいか。

知り合った瞬間に、これから一生、付き合う相手なんや、と自然に思えるところだと思う。なので、一生よりも短い会社勤めとか職業とか、そういうものには無関心なんだろう。


ボルネオ7番のブログ-ラグビー



野村克也さん著「巨人軍論」の一節。


巨人軍を語るとき、「伝統」という言葉が良く使われる。事実、巨人は12球団で最も古い歴史を持っている。確かに歴史は伝統を感じさせる大きな要素である。だが、果たして歴史があれば「伝統がある」と言えるのだろうか。

思うに、伝統の重みを感じさせる第一の要素は、やはり優勝回数である。2005年シーズンまで、巨人のリーグ優勝回数は1リーグ時代を含めて39回。日本シリーズを制したのは20回。リーグ優勝率は「5割4部9厘。V9時代までに限れば、実に7割を超えているのだ。



同志社ラグビーのことを考えていて、思い出した一節だ。

同志社ラグビーが古い歴史を持っていることに疑いの余地はない。何たって、今年、創部100周年のお祝いをしたばかりだ。同志社より古い歴史を持っているのは慶應義塾大学と京都三高(現・京都大学)の2校しかない。


しかし、「伝統の重みを感じさせる第一の要素は優勝回数である」と喝破した野村克也さんは正しい。同志社は1961年と63年の2回、日本一になっているし、関西リーグでは40回を超える優勝を果たしている。そういう勝利の積み重ねがあったからこそ「関西の雄」と呼んでもらえたのだろう。1981年には久し振りに大学選手権を制し、一年空いた後の83年から85年の大学選手権3連覇は同志社ラグビーの名を伝統校として不動のものとした。やはり、勝つことの意義は大きいのだ。


今シーズンは7位で関西リーグを終えた。

私の予想は大外れだし(当然、1位を信じていた)、東京で同志社ラグビーを応援できないのはメチャメチャ寂しいが、嬉しいことが一つある。それは、私なんかよりず~っと若いOBが意見を言い出したことだ。


「良う言うてくれた!」と思わず膝を打つ意見もあれば、「ホンマかいな、もっと詳しく教えてくれ」という良く出来た映画の予告編みたい意見もある(笑)。更には、「えっ?それ本気で言うてるのん?」と語気荒く聞き返してしまう意見まであるのだが、愛情がなければ意見など言わないものだ。そう思うと、同志社ラグビーを愛しているOBが、若いのから年寄りまで、沢山いることに気付く。そういう愛情がある限り、同志社ラグビーは必ず復活すると思えてくるのだ。


おい、若いの、頼むで。って僕もOB会に出たら先輩の方が多くて、米搗きバッタみたいに挨拶しっ放しやけど(笑)


ボルネオ7番のブログ-前川主将

関東同志社スポーツユニオンの高道幹事長に、ラクロス部の主将やリーダーからお礼のメールが入ったらしい。


その中に、

「同志社の声援の方が大きくて、心強かった。本当にアウェイなのかと思うほど、落ち着いて試合ができた」

という言葉があったらしい。


我々にしてみれば、最高の褒め言葉だろう。喜んでもらえて良かった!


試合後、選手たちの前で話をする機会を与えてもらった。

本来なら安元代表が挨拶されるところだが、まぁ、やってみろ、とチャンスを下さったのだろう。感謝。しかし、大勢の選手を前に、ちょっと足が竦む。


ボルネオ7番のブログ-挨拶
(撮影:ジェームズF田)


「関東同志社スポーツユニオンは、関東の中心で同志社を叫ぶ、というスローガンの下、上京してきた運動部の応援に駆け付けています。ただ、頼りのラグビー部がなかなか上京を果たせず・・・・あ、すみません、実は私、ラグビー部のOBです・・・・最近は同志社を叫ぶ機会がない」


目の前にいた選手達が笑ってくれた。

少し気が楽になった。


「しかし、今日は皆さんのお陰で、何回、同志社を叫べたか。試合には敗れましたが、私は大満足です。ありがとうございました!是非、来年もここに戻って来て下さい。待ってます。必ず応援に来ます。本日はありがとうございました!」


そのあと、主将が応援に対するお礼の言葉を述べ、全員が声を揃え、「応援ありがとうございました!」と言いながら深く頭を下げた。なんと礼儀正しい、躾の行き届いた選手たち。こんな立派な後輩がいるんや・・・と思うと胸にジ~ンときた。


いやいや、お礼を言うのはこっちの方です。


ボルネオ7番のブログ-香織ちゃん