●力と力の激突

●攻撃的なタックルの応酬

●五分と五分


こんなメモだけして、細かいプレーについてはメモを忘れるほど、テレビ画面に見入ってしまった。いろんな見方があると思うが、私の印象は、「男の子の面子を賭け、真正面勝負を挑んだ総合力の明治」 対 「陣形が崩れた時のワンチャンスに賭ける集中力の早稲田」である。


前半開始早々、明治は早稲田をゴール前に十数分間釘付けにし、FW勝負を挑み続けたが、ボールの支配に拘った明治には当然勝算があったのだと思う。結果的に明治はトライを奪えなかったが、ここは明治FWの重圧を凌いだ早稲田を誉めるべきだ。私も明治はトライを取れると信じていた。あれを凌いだ早稲田のFWは偉い。


もう一つ、私の(そして多分、明治の)予想を超えたのは、早稲田TBの脚力ではないか。前半2つのトライは、僅かに崩れた明治のディフェンス網を文字通り駆け抜けて奪っている。私はこの時、「ターボエンジン付き」とメモしている(笑) ここはチャンス、というときに、ボールを持っている選手だけではなく、そのサポートに回れる選手も同時にターボエンジンに点火できる。早稲田はボールを持っていない選手の意識も極めて高いのだ。


以上、明治の潜在能力は間違いなく高いし、まだまだ強くなる可能性があると思う。後半は特に早稲田の反則が目立ったが、これは明治が誘引した反則とも言えるだろう。


一方の早稲田だが、ピンチとチャンスにスイッチが入る集中力は見事だったが、それ以上に、「BKに回るとドキドキする早稲田」を久し振りに見た気がする。ここ数年、大学ラグビーではFWを中心とする我慢比べのような戦法が目立ったが、敵に当たるだけではなく、すり抜ける快感がラグビーにはあった方が良いと思う。今年、早稲田が目指しているラグビーも、その完成度を是非高めて欲しい。


早稲田も明治も頑張れ!

一番応援したいのは同志社だが、ここは悔しさを横に置き、両校にエールを送る(笑)


後半は帝京キックオフのボールを帝京FWがキャッチ、帝京の闘志が伝わり、歓声が湧いた。後半2分には帝京がPGを決めて14-3、反撃なるかと思えたが、6分、慶應が中央にトライ、21-3とする。慶應はポイントを作りに行くときの浅く前でボールを受けるラインと勝負をかけるときの深いラインを使い分けていたと思うが、このトライはポイントを作りに行ったところ、敵とすれ違いざまに抜けてしまったという感じで、帝京にとっては惜しまれる失点だったと思う。


ボルネオ7番のブログ-後半ラインアウト

しかし、帝京にとって最も痛かった失点は11分、慶應にインターセプトから奪われたトライだろう。10分にPGを一つ返して21-6とした帝京は11分、慶應陣に再び攻め入る。そして、22M左モールから帝京にボールが出たのだが、そのとき帝京には圧倒的多数の右オープンラインができていた。思わず私も「飛ばせ!」と叫んでしまったのだが、SOからのパスが一瞬遅れ、飛ばしパスが慶應LO④にインターセプトされてしまい、そのままトライを奪われてしまう。あのパスがつながっていれば、反撃のトライとなった可能性が高かったと思う。ゴールも決まり、28-6。


16分には帝京モールからボールが出る瞬間を狙いすまして飛び出した慶應SHが帝京SHを潰し、こぼれたボールを慶應がつないでトライ(ゴール)、35-6。しかし、帝京の底力が後半の後半に出てくる。28分、慶應ゴール前のモールを押し込んでトライ、ゴール成功し35-13。更に、34分には帝京がスクラムトライ。35-20。後半だけ見れば、21-20というスコアだった。


ボルネオ7番のブログ-慶應ゴール前3

ボルネオ7番のブログ-慶應ゴール前4

ボルネオ7番のブログ-帝京トライ

慶應は相変わらず稼働率が高く、選手たちの意思統一が良く図られていたように思う。ラグビーはセットプレーからなら、まだ攻撃のサインも出せるが、その後は状況に応じて攻撃を組み立てていくしかない。この点、慶應には「ここではこう攻める筈だ」みたいな共通の認識のようなものがあり、それが無駄やミスの少ない攻撃になっていたように思う。


一方の帝京にはゲームを安定した組み立てられるだけの力がある。ただ、今シーズンに限って言えば、対戦相手は帝京の攻め手を研究し、どうやって止めるか、準備に怠りがなかったように思う。伝統校の意地だろう。帝京は後半、インターセプトでトライを奪われたが、あの時の攻撃はFW戦が帝京優勢で慶應BKラインディフェンスが手薄になっていた。あそこで一本取れていれば、流れが変わったかもしれない。


前半の20分は一進一退が続く。


ただ、FW戦にで優位に立つことにこだわった帝京に対し、慶應はオープンに回して勝負をかけようというプランのように見えた。前半20分、慶應は帝京陣22M付近から右オープンに回し、右WTBがカットインして対面のタックルを外し、そのまま飛び込んでトライ、ゴールも成功、7-0と先制。


このトライをきっかけに慶應のボールをつなぐ意識が目立つようになり、23分、左右に何度か振った後、3対2となったところでFBがトライ、ゴールも成功し14-0。


慶應は、ボールをつなぐと言うより、「ボールを殺さない」と言った方がしっくりくる程、敵との当たり方や寄り、パスの精度やタイミングに細心の注意を払っていたように思う。更には、「1対1の局面を作る展開」とでも言うのか、極力団体戦は避け、FW戦はあくまでもボールを支配し、供給するための手段とし、オープンに素早く展開してBKが1対1で勝負する、というような戦い方を意図していたように思う。


ボルネオ7番のブログ-帝京スクラム

ボルネオ7番のブログ-ラインアウト


一方の帝京はFW戦で優位に立ち、そのままFW勝負もあればBK勝負もありというプランだったかなと思うが、なかなかゴールを割れない。26分には帝京スクラムから出たボールをSOが自ら持って突進し、④ロック、⑥フランカーとつないだが、慶應が低いタックルで前進を何とか止めた。


ボルネオ7番のブログ-帝京モール1


ボルネオ7番のブログ-帝京ラック2


31分には慶應ゴール前のマイボールスクラムを帝京が強烈に押し込むが、これも慶應の必死のディフェンスに前進を遮られ、観客席の帝京ファンから溜め息が漏れた。帝京FWは強力だが、要は、慶應の読み通りにしか攻撃できなかったということか。


ボルネオ7番のブログ-帝京ラック3


前半は14-0、慶應リードで終了。


(続く)