朴 令鈴さんのピアノでバリトン大沼 徹さんがシューベルトの「美しき水車小屋の娘」を歌われた。これはシューベルトが作曲した三大歌曲集の一つとのこと。



20曲から成るこの歌曲集は、一人の若い粉職人が修行の旅に出るところから始まる。彼は水車小屋の美しい娘に出会って恋に落ち、その恋が実ったかと思いきやライバルの狩人が現れ、彼女を奪ってしまう。嫉妬に苦しみながらも彼女を思い続けるが、やがて耐えきれなくなって小川に身を投げる、という物語のようだ。

大沼さんはその青年を演じ、見知らぬ世界への好奇心、美しい娘と出会ったときの興奮、恋に落ち、彼女を得たときの喜び、ライバルが現れたときの嫉妬と焦り、そして彼女を奪われたときの喪失感を一人で見事に歌い分けられた。

鉛筆に例えると、合唱団で歌っている私はHB一本。これに対し、大沼さんの筆箱には6Bから9Hまで入っており、その上、色鉛筆や場合によっては絵の具まで繰り出せるということか。プロは凄いと思うが、ともかく私はHBの芯を折らないよう大事に使おうと思う。

同志社混声合唱団(東京)の定期演奏会が10日後に迫った。



案外、時間はどんどん過ぎるし、本番までの練習回数は着実に少なくなっていくものだ。それに気付いたので、今年の1月末から「瓦版」なるものを毎週発行して練習会場に張り出し、団員に本番までの日数と残された練習回数を伝えることにした。


それだけでは面白くないから、演奏会で歌う曲について書いたり、団員のおめでたいニュースを伝えたりしていたが、次第にネタが尽き始め、ついにはギリシャ神話の神様まで登場願うこととなった。


その瓦版も、残すところ5月27日(土)に発行する第17号のみとなった。良く続いたと思うが、先日の「皇居ラン」も団員に知ってもらおうと「号外」を発行した。参加した3人に演奏会で歌う曲に因んだ馬名を付け、顔写真入りで紹介した。


この号外を「面白いからください」と持ち帰った団員がおられるらしいから、編集長としては嬉しい限り。瓦版が団員の役に立ったのかどうかは疑わしいところだが、私は十分に楽しませてもらった。感謝。

昨年5月19日、山手通りに出る緩やかな階段を駆け昇ろうとして階段を踏み外し、額から落ちて階段の角にぶつけ、13針縫う怪我を負った。あれから一年経った。


(ちょうど一年前、手術直後の写真)

心配された後遺症もなく、仕事もこなせるし、趣味のバイオリンや合唱も続けられた。この間の木曜日には、合唱仲間二人に誘われ、皇居の回りを走ることもできた。


皇居を走ったのは、丸紅に入社した春以来のことで、45年振りになる。100人の新入社員で走り、私は3位でゴールインしたが、そのときの1.5倍ほど時間が掛かってしまった。


それを思うと、失ったものに気付いて淋しくなるが、当時は「女性ランナーに見とれたりしてたら、又、転びますよ」と言ってくれる合唱仲間はいなかったから、まぁ、得たものもあったと考えよう(笑)