帯にある「選択に迷ったとき、くじけそうになったとき、あの人が語りかける」というコピーに心惹かれ、購入した。

 

 
22人の方々が取り上げられ、表紙には立花 隆さん、瀬戸内寂聴さん、樹木希林さん、高倉 健さんの顔写真が出ていたから、著名人ばかりだろうと読み始めたら、全く存じ上げない方が出てきた。福本清三さんという俳優だ。
 
福本清三さんは「日本一の斬られ役」と呼ばれ、「5万回斬られた男」という異名を持つ、時代劇には欠かせない「斬られ役」だった。台詞を言う俳優には向いていない、と見切りを付けた福本さんは「斬られ役」の技に磨きを掛け、「海老反り」と呼ばれる大きくのけぞったあと頭から倒れる無様な倒れ方を編み出し、危険をおしてこれを繰り返したことから、やがて時代劇ファンから認められ、かけがえのない存在になっていく。
 
福本清三さんは「誰かが見てますよ。だから一生懸命やるんです。絶対に誰かが見てくれる」という言葉を残しておられるが、日本一の斬られ役になった福本清三さんの名はハリウッドまで届き、なんと、2003年に公開された「ラストサムライ」でトム・クルーズと共演されている。役柄はトム・クルーズ演じる主人公を見張る寡黙な侍で、クライマックスの戦いでは主人公を守り、銃弾に倒れて見事な死に様を見せられたとのこと。「誰かが見てますよ」という言葉に説得力がある訳だ。