親睦会は、がんこ銀座一丁目店で開かれ、幅広い層から校友が参加下さった。


最年長は昭和27年に大学を卒業された「同志社二七会」の先輩方4名。皆さん80才を超えておられるが、お元気そのもの!今も毎月同窓会を開催され、通算400回を超えた同窓会としてギネスブックに載っているとか。代表して大平先輩が挨拶されたが、「ラグビー部が正月に出て来ないとヒマで困る。早く出て来るように!」と厳しくも温かい激励を頂いた。


ボルネオ7番のブログ-二七会
(二七会の先輩方)


一方の最年少は昨年大学を卒業したばかりの硬式野球部OB、渡辺君。若さ溢れる挨拶で、「早く一人前になるべく全力を尽くします」という決意表明に拍手が湧いたが、「ところで名前は?」と聞かれ、「あっ、名前言うの忘れてました!」にドッと笑いが漏れた。渡辺君は23才で、二七会の先輩方とは60才の年齢差。まさに親子三代の校友が集ったことになる。


東京だけではなく、千葉、神奈川、埼玉からも多くの校友がお越し下さっていたが、校友会千葉支部の永山支部長が挨拶に立たれ、「私は弓道部のOBで、ちょこっと工学部にも居ました」の前フリに笑いが起き、「関東では校友会もスポーツユニオンも仲が良くて同志社は一つ。これが全国に広がることを期待しています」という挨拶に拍手が湧いた。これが予言だったかのように、親睦会が一気に賑わい、あちらこちらに談笑の輪ができた。


さて、そのスポーツユニオンからは柔道部、相撲部、剣道部、弓道部、日本拳法部、サッカー部、アイスホッケー部、陸上部、硬式野球部、そして應援団が参加。「卒業したら運動部の壁を超え、一致団結して活動する」が私の理想とするところなので、少しずつではあるが仲間が増えてきているようで嬉しく思った。


(続く)


林 敏之君には「楕円球の詩」という著書がある。

その表紙に使われた林君の肖像画は、林君よりも林君らしく描かれている。


ボルネオ7番のブログ-林 尾中画伯作


この絵を描かれた尾中哲生さんがイベント会場に居られ、林君に紹介してもらった。尾中さんもラグビーをこよなく愛すラガーで、自らのことを「走って闘う絵描きです」と紹介しておられたが、笑顔の優しい紳士だ。聞けば、月刊「ゴルフダイジェスト」の表紙を15年間に亘り描き続けておられるという。以前、タイガー・ウッズを表紙に描いたところ、タイガー・ウッズ本人からオリジナル画を分けて欲しいと頼まれたらしい。分かる気がする。


その尾中さんの作品がイベント会場に展示されていた。どれもこれも息遣いが聞こえて来そうなほど躍動感のある絵ばかりだったが、特に印象に残った絵を写真に撮らせてもらった。


ボルネオ7番のブログ-尾中画伯 スクラム

第一列の背骨のきしむ音が聞こえてきそう。


ボルネオ7番のブログ-尾中画伯スクラム2

スクラムは逃げ場のない格闘技だ。


ボルネオ7番のブログ-尾中画伯走る少年

一転、ボールを持って前進できる喜びが伝わってくる。


ボルネオ7番のブログ-尾中画伯

走って闘う絵描き、尾中画伯。


尾中さんは多分、愛情の深い人で、描こうとする相手の素晴らしい点や際立つ個性を何とか表現しようと努力されるのだろう。林君の肖像画も、尾中さんの後ろに見える洞口孝治さんの肖像画も、写真より真実に近いと思う。

静かな口調で始まった講演だが、林君の講演は時に熱を帯びる。


そう、彼は元々熱い男なのだ。もう20年、30年も昔の話だというのに、当時の感激や感情をそのまま、熱いまま心の内に大事に保管している。だから、その一つひとつを取り出すとき、彼の口調は一気に熱を帯びるのだ。


ボルネオ7番のブログ-林2


では、いくつか印象に残ったエピソードを。


●山口良治先生(元伏見工業高校ラグビー部監督)との出会い


高校ジャパンに選ばれ、オーストラリアに遠征する。いよいよキックオフというとき、山口先生が集合を掛け、円陣を組んだ選手たちに手をつながせる。それを見届けた山口先生はこう激励されたという。


「君たちは日本の代表でここにいる。その日本では、君たちのお父さんとお母さん、学校の先生方、そして協会の人たちがみんな、君たちが勝ったという報告を待っているんや。さぁ、行って来い!」


多感な林選手は感涙に咽びながらグランドへと飛び出したという。その様子が目に浮かぶようだ。その山口先生も、ゲームで大敗したときには容赦なく、しかし理詰めにこう叱責されたという。


「同じ高校生が同じ人数でラグビーをしたんやろ。恥ずかしくないのか!」


熱血漢の林君は、さぞかし落ち込み、その後、悔しく思ったことだろう。そういう林君の心を揺さ振った山口先生も、やはり熱い方だったのだろう。



●岡 仁詩先生(元同志社大学ラグビー部監督)の叱責


大学4年生のとき、林君はキャプテンとしてチームを率いる。前年、大学日本一となった同志社は連覇を目指し、大学選手権準決勝で明治と対戦する。しかし、ゲームは思わぬ展開となる。同志社の選手が一人、退場処分となったのだ。


善戦空しく同志社は破れ、林君は大学生最後のシーズンを終える。さすがにその夜は心の整理が付かず、少し深酒してしまった林君はゲームの疲れもあり、入浴中に身体が動かなくなってしまう。幸い、後輩の一人がそれを発見し、何人かで巨漢の林君を救い出して事無きを得たらしいが、定宿ではちょっとした騒ぎになったらしい。


翌朝、頭痛で目覚めた林君を岡先生が叱る。

「ここは一般の方も宿泊されているホテルや。それやのに、たかがラグビーに負けた位で大騒ぎして、他のお客さんに迷惑を掛けて恥ずかしないんか。ラグビー以前に、社会のルールをちゃんと守れ!」


岡先生は人の気持ちに敏感な方だ。林君や他の4年生の気持ちを痛いほど分かっておられたに違いない。だからこそ、「いつも通り」叱らねばならない。岡先生は一緒に泣きたい気持ちを抑え、いつも通り叱ることで選手たちを励まそうとされたのではないか。私も岡先生の教え子だ。この話はグッと胸に迫るものがあった。



●「涙が必要です」(林君の言葉)


彼は言う、「今の時代は乾いた時代やと良く言われます。しかし、乾いたらどうなるか、ちょっと考えて下さい。おしぼりは湿っているから重い。しかし、それが乾いたらどうなりますか。軽くなりますよね。乾くと軽くなるんです。だから命が軽くなる。人生も軽くなる。それで簡単に命を奪ったり、粗末にしたりという事件が増えるんです。では、どうやって乾いたものを元に戻すのか。涙しかありません。感動して流す涙、それが必要なんです」


素晴らしい言葉だった。

林君、ありがとう。


ボルネオ7番のブログ-花