お得意様の展示会にお邪魔した。

玄関を入ったところにガラスのショーケースが置かれ、一足の靴が展示されていた。何人かの訪問客が回りを取り囲んでいるが、なぜか神妙な顔付きをされている。いったい何ごとかと私も覗き込んだ。


ボルネオ7番のブログ-Regal


お得意様が製造された靴には違いないが、ひどい汚れ方をしている。と、その横に置いてある説明文のタイトルが目に入った。


「9.11 NEW YORK WTC 命を守ったリーガル」


この靴は9.11に遭遇された井上さんという銀行マンが履いておられた靴なのだ。井上さんはツインタワーの北棟90階のオフィスでミーティングをされているとき大爆発に遭い、身体ごと天井に突き上げられた後、爆発の衝撃で破壊された天井パネルやガラスの破片と一緒にフロアに叩きつけられたという。


その後、同僚とともに脱出を決意された井上さんは、粉塵で霞む非常階段を下へ下へと向かわれたが、途中、

消火用の水が滝のように流れる中、靴が脱げてしまった人や、ガラスや金属片がスニーカーの底を突き破ってしまった人たちが足を血だらけにして座り込んでいるのを目撃される。


その井上さんは、「この靴はとうとう一度も脱げることなく、足を無傷で守ってくれた。命を助けたもらいました」と語られたという。


靴はお洒落の重要アイテムだが、それ以前に、身体を支える足の防具でもあったということか。歩けなくなった方々は無念であったと思う。

合掌。

三女から借りた「ギリシャ神話の名画を楽しく読む」という本を読んだ。


ボルネオ7番のブログ-ギリシャ神話


ゼウスという神様が出てくる。オリンポス12神というギリシャ神話の中心を成す神々の中でも最高峰と呼ばれる神様だ。そのゼウスに10人の愛人が出てくる。クリムトが描いた官能的な「ダナエ」もその一人だし、「エウロペ」という愛人は浮気がばれてゼウスの奥さんであるヘラに追われ、逃げ回った範囲が「ヨーロッパ」になったと言われている。


神様も浮気をするし喧嘩もする。人間に嫌がらせをして、時には命まで奪う。それでも神様と人間は逞しく共に生きる。キリスト教の聖書に少し慣れ親しんだ私には「とんでもない世界」のように感じたが、読み進む内に生き生きとした躍動感、神様も人間同様に悩んだんだという親しみ、そして幸福を求めて生きる神様と人間の姿にすっかり魅了された。

総合病院で「睡眠時無呼吸症候群」の検査を受けた。


測定器具を身体に巻き付け、夜の9時から翌朝の6時まで眠る。何本もの電線が頭、顔、胸、手、足に取り付けられるので、「人体実験の実験台になった気分です。こんなんで眠れるんですかね・・・」と技師の方にボヤいていたのだが、後で聞いたら、9時の消灯前には寝ていたらしい(笑)


器具の装着に先立ち、6時に晩ご飯が運ばれてきた。


ボルネオ7番のブログ-病院食


病院食は美味しくないという人もいるが、戦中派だった両親から「ご飯を残してはいけません」、「ご飯を不味いと言ってはいけません」と育てられた私はご飯に不平不満を言ったことがない。だいたい、練習後の水が美味しいのと同じで、お腹が空いているときは何を食べても美味しいではないか。


この日のメニュー

●かに玉のあんかけ

●ささみ、きゅうり、わかめの味噌和え

●中華風春雨サラダ

●ご飯220グラム、味噌汁、漬物

●キーウィと巨峰


21年前にアキレス腱を切って入院したとき以来なので、もの珍しさも加わり、元気にガツガツと食べ始めた。ところが・・・である。半分ほど平らげたところで急に淋しさに襲われた。食べるスピードまで落ちてしまった。なぜか。お代わりできないことに気付いたのだ。かに玉と中華サラダと味噌汁はお代わりしたかった。


食べる量は家にいるときも大して変わらないと思う。ただ、「お代わりできてもお代わりしない」のと、「お代わりできない」のとでは同じ量でも全く感じ方が違うのだろう。お代わりの自由を守るため、断固、元気でいるぞと思った('-^*)/