片岡鶴太郎さんの「老いては『好き』にしたがえ!」を読んだ。鶴太郎さんはNHKの朝ドラに何度か出演されているが、「この時代、この場所にはこういう人がいただろうな」と思わせる人物を自然に演じておられ、毎回、感心する。又、鶴太郎さんが描かれた魚の絵を拝見したことがあるが、どこか温かみを感じさせる独特の味がある。鶴太郎さんとは一体どんな人なんだろうと興味が湧いた。



鶴太郎さんは私より一つ年上の午年(1954年)生まれ。お笑い芸人として人気を博しておられたのに役者への転身を決意され、心も身体もリセットが必要とボクシングのプロライセンスを取るほどまで猛練習を開始される。一方では、椿の花を見た時の感動から絵を描き始め、個展を開けるほどまで画家としても成功される。

その他、ヨガマスターとして活躍されたり、三線(沖縄)や落語にチャレンジされたり、とにかく中途半端では終わらない芸達者な方だが、ご本人によれば、心の中にたくさんのシード(種)があり、ふとした瞬間に「発芽したい」というサインを送って来るらしい。そのサインを受けて立ち、凄いのは弛まぬ努力で発芽させ、それらを開花させて来られたことだろう。

私もいろんなことに興味を持ち、チャレンジをしてきたが、継続できたのは合唱とバイオリンだけだし、どちらも「ど素人」レベルだ。鶴太郎さんは何かチャレンジする対象が決まると、その体型同様に不必要と思える時間や用事を全て削ぎ落とされる。私には到底そこまで出来ないが、大変参考になり、又、勇気付けられる内容だった。

ブログに書いたつもりだったが、読み直そうと思ったらどこにもない。いよいよ認知症が始まったか?



70歳を迎えるに当たり、「あかさたな」から始まる次の動詞を大事にしなさいと教えて頂いた。意識して実践してみようと思う。

あ・・歩く。
か・・噛む。
さ・・サボる。
た・・食べる。
な・・和む。
は・・話す。
ま・・学ぶ。
や・・役に立つ。
ら・・楽観する。
わ・・笑う。

和田秀樹先生、お見事!

第二部では映画音楽作品から「ポル・ウナ・カベサ」(映画「セント・オブ・ウーマン」より)と「サンライズ・サンセット」(映画「屋根の上のヴァイオリン弾き」より)、ギター独奏のために作曲された F. タレガの「アルハンブラの想い出」、ヴィエニアフスキの「モスクワの想い出」、サラサーテの「バスク奇想曲」を演奏された。

 

 
「アルハンブラの想い出」は、どうすればその音をそのタイミングで出せるんですか、と尋ねたくなる不思議な演奏だった。川畠さんの説明によると、元々は5弦あるギターの独奏用に作られた曲で、しかもトレモロ奏法というギターでも難しい曲を4弦しかないバイオリンで弾こうというのだから無理があるし、大変な技巧を要するとのことだったが、それは川畠さんの右手や左手の動きからも明らかで、演奏を聴くというより川畠さんの動きに目を奪われる展開となった。

 

第二部で最も感動したのは「ポル・ウナ・カベサ」だ。川畠さんが演奏を始められた瞬間、「ヴァイオリンが語り始めた!」と思った。映画「セント・オブ・ウーマン」を観ていたこともあるが、アル・パチーノが演じた盲目の軍人が目に浮かび、彼の壮絶な生きざまや正義感、怒りや悲しみ、厳しさや優しさがひしひしと伝わってくる演奏だった。

 
この「ヴァイオリンが語り始めた」という感覚は、アンコールで演奏されたマンシーニ作曲の映画「ひまわり」のテーマでも味わうこととなった。映画「ひまわり」の場面が思い出され、ソフィア・ローレンの寂しさや苛立ち、悲しみや喪失感がひしひしと伝わってきた。見事だった。