丸紅時代の上司はパリに駐在されていたことがある。その方とは今も電話のやり取りがあるが、昨夜、「カードルというフランス語がある。知ってる?」と尋ねられ、「もちろん、知りません!」と力強く答えて大笑いとなったが、その後、こんな話をされた。


カードルは絵画の額縁のことだが、企業で働くエグゼクティブのこともカードルという。恐らく、どんな名画もそれを引き立てる額縁があって初めて観る人に安心や感動を与えるし、そういう額縁があるように見える人のことをエグゼクティブというのだろう。


もう20年も昔のことだが、インドに出張した際、買い求めた絵がある。



生地にプリントされた絵で、無造作に丸められた生地の束の中から探し出した。3ドルもしなかったと思うが、帰国後、額縁に入れてもらった。絵の何十倍もの費用を要したが、家族や訪ねて来た人に見てもらえる絵になった。

人にとっての額縁は何だろう? 知性か教養か、はたまた威厳か。どれも自分にあるとは思えないが、少なくともインドから持ち帰った絵と同様、見られているという意識は持とうと思う。