会社の同僚からメールをもらった。間もなく退職し、アメリカに語学留学するという。別の日には、元同僚の友人が訪ねて来て、着々とアメリカ移住の準備を進めているのだと教えてくれた。動機は分からないが、住む場所がアメリカになれば、言語も文化もライフスタイルも異なるし、日々接する人たちや話す内容もすっかり変わる。「リセット」という言葉はこういうことを言うのだろう。

周りの変化が激し過ぎて、私たちはついつい受け身になって自ら変化することを忘れているように思う。不満ではないが満足しているとも言い切れないのは多分そのせいだろう。その点、二人の友人は自分で人生を、生活を変えたという実感を持つに違いない。アンディ・ウォーホールもこう言っている。

"They always say that time changes things, but you actually have to change them yourself."
「よく時が物事を変えるというが、本当はあなた自身が変えなくてはならないのだ。」

時が私に与える変化は老化くらいのものだろう。私ももっと自ら変わりたいと思う。

紅葉
来年、私も60才になると知ったインドの友人が面白いリストを送ってきてくれた。題して "THE PERKS OF BEING OVER 60"、日本語に訳すと「60才以上ならではの特典」になるのだろうか。20の項目がリストアップされていて、大いに笑わせてもらった。その一部を紹介する。

Kidnappers are not very interested in you.
誘拐犯もあなたにはさほど興味を示さない。

In a hostage situation you are likely to be released first.
人質になったとしても、先ず最初に解放されそうだ。

People call at 9 PM and ask, "Did I wake you ?"
午後9時に電話してきたのに「起こしちゃったかい?」と尋ねてくれる。

Your secrets are safe with your friends because they can't remember them either.
友人との秘密が漏れることはない。彼らだって覚えていられないから。

You can't remember the email where you saw this list.
どの email でこのリストを見たのか、あなたは覚えていられない。

これは良いことを聞いた。
午後9時以降に掛かってきた出たくない電話には寝ていることにして出るのを止めよう。それから、友人と悪事を重ねるならこれからだ。悪事を重ねてどんどん忘れれば良いのだ。ところで・・このリストを送ってきてくれたのは誰だっけ?そもそも、誰が60才になるんだっけ?(笑)
ベルリンの壁が崩壊して25年とのこと。

1989年11月9日の夜、東ドイツの群衆が東西ベルリンを隔てていた検問所に詰め掛け、午後9時には道路が人で埋め尽くされる。それでも東ドイツの国境警察は動かなかったが、午後11時半、一人の将校が自らの判断でゲートを開く。ベルリンの壁が壁でなくなった瞬間だ。

実はその2ヶ月前、私はベルリンの壁の前に立ち、まじまじと壁を見詰め、この手で触り、記念写真まで撮っている。

ベルリンの壁

まさか、この壁が2ヶ月後に無くなるとは考えもしなかったし、その2年後の1991年にはソビエト連邦が解体されてしまうなど想像もしていなかった。しかし、現実にそういうことが起こったのだから、世の中の変化は、少なくとも、私の想像力を超えるということだ。

折りも折り、日中首脳会談がやっと実現したが、それに先立ち、習近平国家主席は米国主導のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に対抗するFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)の推進を宣言している。そして、安部首相と居並ぶカメラに向かって見せた無愛想な表情。

韓国の朴大統領には笑顔を見せているので、日本に対して失礼だという意見が多いが、中国国内の世論を考えると、ああいう態度を取らざるを得なかったという見方もあるように思う。ともあれ、これからは中国とアメリカを軸に世界は動いて行く。そして、中国とアメリカは時に対立し、時に協力し合いながら互いに二大強国であることを維持しようとするのだろうか。

25年後、「また外れちゃったよ」とボヤくのかなと想像したが、それを見極めるには身体も心も頭も元気でいないといけない。世の中を思い通りにはできないが、自分の生き方は思い通りにできるはずだ。それに、世界がどう変化しようが、逞しく生き抜くことが大事だと思う。