64歳の男性がベビーカーに乗っている1歳の男児を殴ったらしい。東京メトロ有楽町駅の地下通路での出来事で、殴った理由は通行の邪魔になったからだとか。いやいや、どんな理由を並べ立てても、1歳の幼い子供を殴って良いことにはならないだろう。

加害者の年齢が近いこともあって、「他人事に思えへん。僕も注意せなアカンということやな?」と呟いたら、「そうですよ、最近はね、オジサンがキレるんです」と同僚に教えられた。実際、今年の上半期に摘発された刑法犯の内、65歳以上の高齢者が10代の若者を上回ったらしい。オジサンはどうしてキレるのか?その理由につき、いくつかの意見が掲載されていた。

一つ、体力が衰えるように「言語力」も衰える。特に定年を迎えた男性は世間が狭くなって著しく言語力が衰え、言いたいことが上手く言えなくなって不満が溜まる。二つ、高度経済成長を経験した世代は社会に出て行こうとする習性が強いが、社会に出て行っても居場所がないことに気付き、やがて落胆して失望する。そして三つ、これが最も説得力があるように思うのだが、寿命が伸び、定年から死ぬまでの長い時間と年金を使わせる消費社会に不安が募り、情緒不安定に陥る。

【対策と決意】
一つ、言語力の衰えには好奇心で対抗し、新しい世界、話題、出会いを通して新しい言語を増やす。二つ、社会に居場所がないならそれを淡々と受け容れ、孤独を楽しめるオトナになる。三つ、「死」というものに真面目に向き合う。いつまでも生きるとどこかで思っているから不安も募るが、間違いなく死ぬんだと認めれば、これから先の見え方が違ってくるかも知れない。

しかし、季節は「秋」、先ずは腹ごしらえから(笑)
湯島の天久でかきあげ丼を頂いた。食べ応えがあった。これで大中小の「中」サイズ!

天久かきあげ丼
著者のリチャード・テンプラーという人は2003年に出版社を立ち上げ、僅か4年で「イギリスで最も成功した出版社」と呼ばれるまでに育て上げた人のようだ。「できる人の人生のルール」の原題は "The Rules of Life" で、充実した人生を送るためのルールが101条盛り込まれている。

101

例によって気になるページには折り目を付け、読み終えてから数えたら16のルールに共感を持ったり学びたいと思ったりしていた。その中から、特に気に入ったルールを5つ、選んでみた。

ルール5:「大切なことに集中する」
貴重な時間とお金を浪費してはいけない。

ルール7:「新しい選択肢に心を開く」
見て見ぬ振りは止める。新しいことに挑戦する意欲を失わない。

ルール10:「つらい出来事に感謝する」
多分、成長のチャンスなんだと思う。

ルール13:「恐れない、驚かない、迷わない、疑わない」
サムライの言葉とあったが、剣道の四戒と呼ばれる教えのようだ。

最も印象に残ったのは、ルール55「いいところを見つける」だ。バスのストライキ中、パリの地下鉄に幼い子供と乗った母親が、大混雑の車内でイライラした乗客が互いに突き飛ばし合うのを横目に、子供にこう話し掛けたらしい。

「ほら見て。これが大冒険というものよ」

何が起こっているかより、どう見るか、どう臨むかという心の持ち方がその人の人生を作って行くのかも。
スペインのカタルニア州に移住されたラグビーの先輩が居られる。毎月、「スペインに来て⚫︎⚫︎ヶ月です」から始まるお便りを下さるが、今月は「129ヶ月」とあったから、早や11年目を迎えて居られることになる。そのU野先輩が、ラグビーW杯で日本代表が南アを降した日のこと書いておられた。

「W杯の南ア戦を友人が経営するスポーツバーで見ました。そんなに混んではいなかったのですが、緑のジャージを着ている南アのファンの人が結構いました。スペインは南アも遠くないので、南アからきている人も多いみたいです。」

「バーの中でも試合の終盤は日本のプレーに対して歓声が上がり、ゲームが終わると、南アのジャージを着た人がやってきて、「おめでとう、何か奢るよ」と言ってくれたのですが、涙が出かかっていたので、礼を言ってすぐ出ました。やはりラグビーは素晴らしいですね。」

そして、U野先輩は予期せぬ光景を目にされる。

「南ア戦が終わって2日後、月曜日の朝、いつものようにジムに行き、家の前の道で走りましたが信じられないものを見ました。窓から日の丸の旗が下げられていました。この辺りは窓から色々な旗が掲げらます。多くは州旗ですが、市旗やバルサの旗も掲げられます。しかしスペイン国旗が掲げられることはありません。」

シッチェス

「日の丸が売られているわけはないので、自分で作ったもので長く白い布の中央に赤い丸があります。シッチェスに住んでいる日本人は6家族ほどで、ほとんど知っていますが、この辺りに住んでいる人いません。日本代表のラグビーはサッカーの国、スペイン人の心もつかんだようです。」

いつも冷静に見えるU野先輩が「涙が出かかっていた」とは驚きだが、この話を読んで、今度は私も涙が出かかってしまった(笑) 果敢な挑戦は言葉より雄弁なんだと思う。