スペインのカタルニア州に移住されたラグビーの先輩が居られる。毎月、「スペインに来て⚫︎⚫︎ヶ月です」から始まるお便りを下さるが、今月は「129ヶ月」とあったから、早や11年目を迎えて居られることになる。そのU野先輩が、ラグビーW杯で日本代表が南アを降した日のこと書いておられた。

「W杯の南ア戦を友人が経営するスポーツバーで見ました。そんなに混んではいなかったのですが、緑のジャージを着ている南アのファンの人が結構いました。スペインは南アも遠くないので、南アからきている人も多いみたいです。」

「バーの中でも試合の終盤は日本のプレーに対して歓声が上がり、ゲームが終わると、南アのジャージを着た人がやってきて、「おめでとう、何か奢るよ」と言ってくれたのですが、涙が出かかっていたので、礼を言ってすぐ出ました。やはりラグビーは素晴らしいですね。」

そして、U野先輩は予期せぬ光景を目にされる。

「南ア戦が終わって2日後、月曜日の朝、いつものようにジムに行き、家の前の道で走りましたが信じられないものを見ました。窓から日の丸の旗が下げられていました。この辺りは窓から色々な旗が掲げらます。多くは州旗ですが、市旗やバルサの旗も掲げられます。しかしスペイン国旗が掲げられることはありません。」

シッチェス

「日の丸が売られているわけはないので、自分で作ったもので長く白い布の中央に赤い丸があります。シッチェスに住んでいる日本人は6家族ほどで、ほとんど知っていますが、この辺りに住んでいる人いません。日本代表のラグビーはサッカーの国、スペイン人の心もつかんだようです。」

いつも冷静に見えるU野先輩が「涙が出かかっていた」とは驚きだが、この話を読んで、今度は私も涙が出かかってしまった(笑) 果敢な挑戦は言葉より雄弁なんだと思う。