今年2月に仲間に入れて頂いた男声合唱団がコンサートに出演した。

コンサート

女声合唱団「虹」と台北室内女声合唱団のジョイントコンサートにお呼ばれしたものだが、私にとっては初めての舞台で「やっとデビューやね」と回りの方々から声を掛けて頂いた。もう一つ、この日は舞台の設営や照明の切り替えなど舞台裏の仕事にも初デビューの日となった。

まだ誰もいない舞台で「ひなだん」を設営したが、「開き足」「箱馬」「平台」「ツカミ金具」「箱階段」と呼ばれる部材の組み合わせで、ひなだんは思ったより短時間に完成した。その後、舞台裏に入って最初に目に入ったのが下の機械だが、アナログ人間の私は一目見ただけで固まってしまった。


コンサート2
(理解できた機能は上のモニターだけ・笑)

その後、説明を受け、私が操作するのは「舞台」「客席」の照明だけだと分かり、やっと普通に呼吸することができた。

コンサート3

(続く)
Wikipediaによると、大地讃頌は「1962年に大木惇夫の作詞で佐藤眞が作曲した混声合唱とオーケストラのためのカンタータ『土の歌』の終曲で、この曲のみ独立して歌われる機会が多く、現在では中学校の合唱コンクールや卒業式などでも歌われている」とのこと。私も合唱団で歌ったことがあるが、どっしりした大地や、大地から湧き上がってくるエネルギーを感じさせる力強い曲だ。それを先生の旦那さんの熊さんが弦楽四重奏で演奏できるよう編曲下さった。

大地讃頌

私にとっては左手の移動が難しく、弾く度に異なる音が出て不安の日々が続いたが、発表会の前日に先生から「ちゃんと弾けてますよ。不安が音に出るから堂々と弾きましょう」と言われ、間違うなら堂々と間違おうと居直ることで気が楽になった。そして、舞台では昨年の四重奏に続き、先生始めプロの方々に助けて頂いた。その演奏を聴いて下さった方からこんなメールを頂いている。

「大地讃頌をバイオリンで弾くとどんなかなと思っていたのですが、カルテット用の編曲に感心しました。それから、3人のプロを従えて弾くなんて滅多にない事、如何でしたか?さすがにぴったりと音量バランスをとって下さって、カルテットとしてとても見事な演奏でした。」

私は自分のことで精一杯で、演奏中の記憶がほとんどないが、そんな私の演奏に合わせ、プロの皆さんが支えて下さったということだろう。そう言われれば、合唱の練習でも「他のパートの歌声を聴きましょう」と良く注意される。プロとアマの違いは、共演者に配慮できる心の余裕があるかどうかなのだろう。バイオリンではプロになれないが、せめて社会人としてはプロになりたいと思う。
年に一度の発表会があった。

今年は「ポル・ウナ・カベサ」というタンゴと、佐藤眞作曲の「大地讃頌」を弾かせてもらった。「ポル・ウナ・カベサ」はアル・パチーノが盲目の元軍人を演じた映画「セント・オブ・ウーマン」に出てくる曲で痛く心を揺さぶられた。目の見えないアル・パチーノがレストランで若い女性をダンスに誘う。その場面で流れる曲だが、最初に優しい長調の旋律が軽やかに流れ、その後、一転して情念が燃え上がるような短調に転ずる。

アルパチーノ

「こういう曲が弾けるようになりたいです」と先生にお話したら、直ぐに楽譜を準備下さり、年に一度の発表会で演奏することになった。ところが、「聴くと弾くでは大違い」で、長調の軽やかさが出せないし、短調の情念も出せない。多分、音の強弱だけではなく、音の一つひとつに感情がこもらないといけないのだろう。

一所懸命練習はしたが、どこか確信が持てないまま発表会の当日を迎えた。そして、出番を待つ舞台裏で熊さん(先生の旦那さん)とこんなお喋りをした。

ボル「この曲はともかく強弱の差を付ければいいんですよね?」
熊さん「うん、女性を誘うときって最初は優しくするでしょ?」
ボル「しますね。逃げられたら困るもん」
熊さん「でしょ?で、相手が安心したところで押し倒す!」(笑)
ボル「なるほど、そういう風にイメージして転調すれば良いんだ!」(笑)

緊張していたが、熊さんのお陰で気持ちが楽になり、本当に相手の女性を油断させて押し倒すイメージで弾いた(笑)出来栄えはともかく、楽しく弾くことができた。熊さん、ありがとう。