私が所属する合唱団、「男声讃美歌研究会」が今年も国際シニア合唱祭に参加することになった。みなとみらい大ホールにて3日間の日程で催され、100を超える合唱団の参加が予定されているが、参加条件に、①50才以上であること、②団員の平均年齢が60才以上であること、とあるから、合唱には元気な高齢者を増産する効用があるのかも(笑)



男声讃美歌研究会は同志社グリークラブのOBが「90才まで元気に歌おう」と呼び掛けて結成されたものだが、見事、90才を超えた方が2名も居られる。「もう息が続かないよ」と謙虚におっしゃるが、ステージに上がると普段はOffになっている何かのスイッチがOnになるらしく、背中をシャンと伸ばし、朗々と歌われるから驚きだ。

平均年齢は軽く80才を超えており、今年やっと70才になる私など駆け出しの若輩者だが、練習で使った先輩方の椅子を片付けようとすると「手伝わんでええ。自分に出きることはやるから」と叱られたりする。最近はどこに行っても最年長のことが多く、若者たちの将来をついつい考えてしまう私だが、この合唱団の練習に来ると、私の10年後、20年後のことを自然に考えることができる。上手く歳を取らねば、と思う。

お取引先への退職と引継ぎの挨拶を続けている。



あるお取引先で「この後どうされるんですか? まだ引退という雰囲気じゃないですよね?」と言われたので、待ってました、とばかりに「ホストクラブで働きます」と答えたら大ウケした。

「ボルさん、いつも面白い話をされますけど、ホストクラブは予想しませんでした。いやー、笑わせてもらいました」とおっしゃるので、「いやいや、本気です」と返して、昔読んだ本のことをお話した。

ホストクラブ「愛」のオーナーが書かれた本で、「うちに還暦を迎えた人気ホストがいます。皆さん、人気ホストと聞くと、若くて背が高く、ハンサムで会話が上手な男だと思うでしょう。しかし、人気ホストに共通する条件は一つだけ。それは『聞き上手』なんです」と書かれていたことをお話しした。と、今度は皆さん「う~ん・・」と唸ってしまわれた。説得力のある話だっのだろう。かと言って誰も「ボルさんなら人気ホストになれますね」とは言ってくれなかったけど(笑)

昨年3月、NYカーネギー・ホールにご一緒したHさんからコンサートのご案内を頂いた。Hさんはドイツの作曲家 Hugo Distler(フーゴ・ディストラー)の名を冠した室内合唱団、フーゴ・ディストラー・ヴォカールアンサンブルに属しておられるが、東京カテドラル聖マリア大聖堂でコンサートを催されるとのこと。チケットを2枚お願いし、同級生のA山さんと伺った。



会場の東京カテドラル聖マリア大聖堂は天井の高い大きな聖堂だが、すべての曲を無伴奏で演奏されると知り、少し驚き心配もしたが、賛助出演された室内合唱団 vox alius と最初に歌われた「甘き死よ、来たれ」(バッハのアリアを基に、ノルウェーの作曲家ニーステッドが編曲したとのこと)が始まると、透明感のある美しいハーモニーが大聖堂いっぱいに響き渡り、思わず隣のA山さんと顔を見合わることとなった。

(東京カテドラルの外観)

その後、室内合唱団 vox alius が演奏されたパレストリーナの「泉を求める鹿のように」は題名通り、静かな森の中にある泉に鹿が佇む平和な光景が目に浮かぶような歌声、メンデルスゾーンの「神よ私を裁いてください」は大聖堂に美しい歌声が厳かに響き渡り、最後は喜びに満ちた歌声で締められ、暖かな思いに包まれた。

(大聖堂の内観)

休憩を挟み、後半は2017年にフーゴ・ディストラー室内合唱団の発足を呼びかけられたという谷 郁さんの指揮で、同合唱団がディストラーの「合唱受難曲 op.7」を演奏された。イエスの登場、ユダの裏切り、最後の晩餐、捕縛、大祭司カイアファの審問、総督ピラトの訊問、判決、そしてイエスはゴタゴタへと向かい、十字架につけられる。そういう受難曲が美しいハーモニーで演奏されたが、歌うというより、その物語を語りたいという強い思い入れを感じ、それがひしひしと伝わってくるようで感動した。Hさん、素敵なコンサートのご案内、ありがとうございました。