チラシに「一橋大学管弦楽団のOBOGがベートーベンの第九を演奏するためだけに結成したオーケストラ。よって、最初で最後の演奏会」とあり興味をそそられた。更には「三幸という団名にはベートーベンの第九の歌詞にある『友』と『歓喜』と『生きとし生けるもの』を熱く謳い上げたいという思いが込められているが、別の説もあるので当日のパンフレットで明らかにする」という思わせぶりなことまで書かれており、これにまんまと嵌まってしまい、チケットを申し込んだ(笑)


結局、当日頂いたパンフレットから、「三幸」というのはメンバーの皆さんが贔屓にされている国立にある居酒屋さんの名前だと判明、そこで今回の企画が生まれ、大いに盛り上がったらしい。そんなことから、パンフレットの「Special Thanks」には居酒屋三幸さんのマスターのお名前まできちんと報告されていた(笑) 一橋大学は国立大学の名門という堅いイメージを持っていたが、パンフレットを読み進む内に親近感が湧いてきた。

しかし、最も一橋大学の堅いイメージが崩れ、大いに笑わされたのは歌詞の「超訳」だ。パンフレットには「対訳」と「超訳」が共に掲載されていたが、例えば比較するとこうなる。

【対訳】
歓喜よ、美しき神々の閃光よ
至福の地の娘よ
我らは炎の杯に酔いしれ
天国のあなたの聖域へ往く!

【超訳】
嬉しいね、神ビーム
かわいい姉ちゃんの神ビーム
君の視線で燃え立つエクスタシー
目指せ、天の門はそこだあ!

ユニークなパンフレットに笑わされ、すっかりリラックスして演奏を聴くこととなったが、第一部の「エグモント序曲」では若々しく勢いのある演奏に感動し、第二部の「第九」では特に弦楽器の厚みを感じさせる演奏にうっとりした。そして、プロの歌手と東京シンフォニッククワイアの合唱団が参加された第四楽章では「歓喜の歌」に相応しい喜びと力に満ち溢れた素晴らしい演奏を聴かせて頂いた。予期せぬ展開に、一橋大学の見方がすっかり変わる一日になった。

以前、不動産の件でお世話になり、十数年の時を経て再会したM本さんから、「とんかつ食べに行きませんか」と誘われた。お肉好きの私に断れる訳がない。お昼ご飯は少な目にして調整し、程良い空腹感を覚えながら現地へと急いだ。


M本さんが銀座で人気のあるとんかつ屋さんを調べ、その中から「にし邑」を予約して下さった。旨いという噂を聞いたことがあるが、噂に違わず本当に美味しかった。素材が良く、大事に調理されていることが伝わって来るようなとんかつで、付け合わせのキャベツも豚汁も美味しかった。もう一度来たいと思った。

さて、それだけでも十分に幸せな夜になったが、もう一つ嬉しかったのは、M本さんが思わぬプレゼントを下さったことだ。


先日、香織ちゃんから頂き、ブログにアップした「けんじ」の葉書にM本さんも感心、感動され、わざわざ写真立てを買い求めると、ブログにアップした写真をプリントアウトし、写真立てに入れ、プレゼントして下さったのだ。

香織ちゃんとM本さんのご好意が写真立ての回りをぐるぐる回りながら大きくなって行くようで本当に嬉しく思った。1 + 1 = 3 になる・・ことがあると実感。M本さん、香織ちゃん、ありがとうございます!

「うたおうかい」の指揮者、M月先生が主宰されている音楽教室の発表会が年に一度あり、これに10年前から「うたおうかい」が賛助出演している。今回は「ロンドンデリーの歌」、「風の子守歌」、「瑠璃色の地球」の3曲を歌ったが、これまでの10年で一番大きな拍手を頂いたように思う。



聞く人は正直だから、多分、去年より出来が良かったのだろうが、上手く歌えた理由は「暗譜」だと思う。今回は早くから積極的に暗譜に取り組み、みんなに指揮の先生を見る余裕があった。もう一つ、ステージに上がってから指揮の先生から隣との間隔を詰めるよう指示があった。窮屈だと思ったが、歌い始めると両隣の声が良く聞こえ、多分、リズムや強弱を合わそうという気持ちになれたのだと思う。特にユニゾンの部分がきれいに歌えたように思う。

歌った後は気分が良く、打上げの会でもはしゃいでいたのだが、アルトのK井さんから「ロンドンデリーの歌は、息子を戦地に送った母親の歌なのかしら?」と話し掛けられ、答えに詰まってしまった。全く歌詞から曲の背景を考えるなど、思いもつかなかったからだ。

我が子よ いとしの汝を
父君のかたみとし
心していつくしみつ
今日まで育て上げぬ

古き家を巣立ちして
今はた 汝はいずこ
弱き母のかげさえも
雄々しき汝には見えず

確かに、居所が分からないというのは出征だろう。息子さんがおられるK井さんからすれば、戦争に息子を取られた母親の気持ちを想像されたのかも知れない。暗譜して良い気になっていたが、そこまでできたら、曲の背景や歌に込められた感情を知り、共有することが大事なのだろう。やっぱり、私などまだまだ初心者だ。