「青春の轍(わだち)」からコンサートが始まった。白のジャケット、黒のパンツというスタイルに赤の譜面ホルダーが見事に映え、コーロ・カステロが颯爽と見えた。


 

「村の乙女」も「手のひらを太陽に」もベテランの味。次に歌われた「トラン・ブーラン」はインドネシア民謡だが、元々の歌詞はあまりに突飛で放送禁止になったとか。そういう曲の説明を司会の方がユーモアたっぷりにされ、その合い間にメンバーに対しては「私が説明している間は座っていて良いですよ」と語り掛け、客席に向かっては「メンバーも高齢なので説明の間は休ませて頂きます。又、第一部は短い曲を意識して集めました」みたいなことをおっしゃるから、会場が一気に温かな雰囲気に包まれ、完全にコーロ・カステロの世界に引き込まれたように思う。

 

フォスター作曲の「草競馬」は躍動感があり、次のアフリカ系アメリカ人のブランド作曲の「懐かしのヴァージニア」は一転厚みのあるゆったりとした調べに変わったから、その趣きの違いが再びベテランの味を感じさせたように思う。又、「トラン・ブーラン」や「懐かしのヴァージニア」では独唱されるメンバーが一歩前に進まれたが、それを指揮者もピアニストも後ろのコーラスもみんなで支えようとされていることがこちらにまで伝わってきて、胸が熱くなった。

 

ポール・マッカートニー作曲の「Yesterday」は情感たっぷりの演奏で、こんな歌い方は「昨日」を振り返る必要のない学生には無理だと思ったし、「O Holy Night」も余裕を感じさせるコーラスで、司会者の予告通り、心が清められる思いがした。圧巻は「ホワイト・クリスマス」で、高嶋先生の歌声が素晴らしかったし、又、それを支えようというピアノも後ろのコーラスも本当に息が合っていて聴き惚れてしまった。司会の方が高嶋先生に代わり指揮をされたが、その前にサンタクロースの帽子を被られたことも会場を大いに和ませ、実に素敵な第一部となった。尚、ピアニスト宮下さん専属のフメクリストの姿が見えなかったので心配していたが、途中で登場された。ホッとした。


(続く)

高校ラグビー部の顧問の先生は「オットー」と呼ばれていた。授業では聖書やキリスト教について教える牧師先生だったが、風貌がどこかオットセイに似ていることからオットーと呼ばれるようになったらしい。そのオットー先生が4月に亡くなっておられたことを喪中葉書で知った。

高校3年生で主将に選ばれた私は一年下の学年と対立し、2年生全員が退部するという前代未聞の事態を招いてしまった。私にも言い分はあったが、今から思えば未熟で、愛情と配慮に欠ける主将だった。当然のことながら、2年生が抜けてチームは危機的状況を迎え、私は大いに落ち込んだ。

それでもオットー先生は私を叱ったりせず、何事もなかったかのように接して下さった。それが私には救いとなり、一方、チームは1年生の奮起で立ち直り、何とか府予選は2位で終えた。そんなオットー先生から受けた注意が一つだけある。「お前の歩き方はひどい。歩くとき肩を揺するな。花嫁が迷惑してるぞ。がに股も直せ」だ。高校のチャペルで挙げた結婚式ではオットー先生に司式をお願いしたが、前日のリハーサルでそう言われ、横にいた妻が笑った。


オットー先生、私は出来の悪い主将でした。時間が掛かりましたが、今はそれが分かり、いろんな場で良いリーダーでいようと努力するようになりました。又、歩き方も腰を痛めたことがきっかけとなり、今はずいぶんきれいに歩けるようになりました。そういう私の成長と変化をお見せできなかったことが残念です。

合掌
先週の今頃は常夏の島グアムで開放的な気分に浸っていたから、寒風吹き荒ぶ成田空港に到着すると思わず首をすくめ、「寒いのは嫌だ」と思ったものだ。しかし、朝のウォーキングを再開して秋の色を見せ付けられると、「四季があるのはええもんやな」と思えてくる。

(銀杏の黄葉)

(もみじの紅葉)

(落ち葉の中の紅一点)(笑)