高校時代に運動部仲間と始めた忘年会、「ピーマン会」が48回目を迎えた。


ラグビー部から5名、バスケットボール部から2名、フェンシング部から1名、恩師1名、その息子さんでラグビー部だった大学生1名、ラグビー部のマネジャーだった女性が1名加わり総勢11名。今年は剣道部、陸上部、水泳部が不参加だったが、数多くの失敗談が暴露され、自己申告の武勇伝は直ぐにチャチャを入れられ、大いに笑わせてもらった。

メンバーは公務員や弁護士、自営業や企業の社長など様々だが、再会の瞬間から「アホ、ボケ、お前なぁ、ええ加減にせえよ、どついたろか」という言葉が飛び交い、どんどん笑顔になっていく。私にとっては今やピーマン会が年に一度だけ里帰りできる実家なのだろう。感謝。
オフィスが入っているビルのエレベーターに乗り、13階から1階に降りるときのこと。11階でエレベーターが止まり、一人の紳士が乗り込んで来られた。仕事納めの挨拶に来ておられたのだろう、その方を見送るもう一人の紳士が「わざわざ有難うございました」とエレベーターホールから頭を下げられた。

それを見たエレベーターの紳士が「こちらこそ有難うございました。良いお年をお迎え下さい」と返された。その間、人の良い私は「開」ボタンを押してお二人の挨拶を聞いていたのだが、礼儀正しい大人は良いものだな、としみじみ思っていたのだ。

エレベーターが1階に到着し、「開」ボタンを押せる隅っこに立っていた私は先に紳士に降りて頂こうと「開」ボタンを押して紳士に目をやった。私の予定では、紳士は私を見て「有難うございます」と言うか、又は黙礼して先にエレベーターから降りる筈だった。それくらいのことは若い男女でもするから、ひょっとすると私に先に降りろくらいのことまでするかな、と私は考えた。

ところが、「開」ボタンを押している私に声を掛けたり黙礼したりすることなく、そのオジサンは(礼儀知らずの大人は紳士ではなくオジサンです・笑)サッサとエレベーターから出て行った。その姿はつい先程11階で見た礼儀正しく優雅な紳士とは全く別物で、あ、なるほど、これがオジサンの性格で、先程の姿は技術だったんだと理解した。

新入社員の頃、上司とタクシーに乗り、先に上司が降りた後、タクシーの運転手さんとお喋りしたことがあった。何を話したのかは忘れたが、降りるとき、運転手さんから「あなたは若いけれど、良い人ですね」と言われた。「えっ?どうしてですか?」と尋ねると、「先程一緒だった人にも私にも同じように敬語で話されたから」と言われた。

私は技術ではなく、性格できちんとお辞儀ができる大人になろうと思う。
今朝も6時過ぎに家を出て歩き始めたのだが、50m程歩いたところで自転車に乗ったお巡りさんに呼び止められた。

「ちょっといいですか?」
「は、はい」
「○△□人を探しています」
「はい?」
「○△□人を探しています」
「えっ?」

どうしても「○△□」が聞き取れない。「人(にん)」は聞こえるから、ひょっとして「売人(ばいにん)」を探していて、私が麻薬か何かの売人と間違えられたのかと思い、ちょっと焦った。

「今、売人とおっしゃいましたか?」と思いきって尋ねたら、お巡りさんは笑いながら、「違います、迷い人(まよいにん)です」と笑いながら答えて下さった。どうやら赤い服を着た女性を探しておられるらしい。

家を出てから未だ50mも歩いていません、という説明で解放されたが、その後、40分歩く間、ずっと気になってキョロキョロしてしまった。認知症の方が家を出たまま帰って来れなくなったのだろうか、ひょっとして薄着のまま出掛けてしまったのだろうか、今どこにおられるのだろう・・・。


以前なら認知症や徘徊など自分とは無縁の世界のことと済ませられたが、まさかの脊柱管狭窄症と診断されてから、根拠のない自信や判断を戒めるようになった。明日は我が身かも知れないのだから、他人事で済ませるのは止めよう。又、万一に備え、いつもきちんとした服装を心掛け、私を探してくれるお巡りさんに「パッと見は身だしなみの良い上品な紳士です」と言ってもらえるようにしよう。そうなると上品にならないといけないから、まだまだ認知症にはなれないな(笑)