舞台裏で出番を待つ間に、詩子先生の旦那さんの熊さんから「これ、見た?」と書類を見せられた。「何ですか?」と聞きながら書類に目をやると、何と、表紙に私と孫娘の写真が載っている進行表だった。写真は昨年の発表会で撮影されたもので「孫にあやされている祖父」という注釈が付いているが、「孫に注意されている祖父」のようにも見える(笑)

聞けば、スタッフさん向けに熊さんが作成したとのこと。今回は56もの演目があるし、独奏、二重奏、四重奏、十名程で弾く男性合奏と女性合奏、更には50名で弾く全体合奏まであり、頭数、立ち位置、ピアノ伴奏の有無まで入れると様々な形態があるから、よほど要領良く譜面台やピアノの位置を変えないとスムーズな進行は望めない。さて、どんな内容なんだろう。

午後1時に始まり、6時には記念写真を撮って解散となったが、大きな遅れやトラブルもなく、みんなが笑顔で帰れたのは用意周到な準備があってのことだ。熊さん、なかなかやるやん! 熊さんの顔を見ると馬鹿話しかしないが、今度会ったときはきちんと伝えよう、「熊は・・モトイ・・人は見掛けによらないね!」(笑)
バイオリンの発表会が終わった。
同級生のA山さんが約束通り聞きに来てくれた。私の出番を待つ間に「あのさ、みんな本番やと緊張し過ぎるのか大人しくなってるからさ、ボルさんは最初からガツンと行ってよ」と励まされた。なるほど、これもラグビーと似ている。最初の5分は全力で走れ、思い切り敵と当たれと言うもんね。よし、その通りやってみようと思った。


演奏は5分と少しで終わった。最初からガツンと行ったつもりだ。いくつもミスがあったけど、練習通りにできたところもたくさんあって、あぁ、練習しておいて良かった、と思いながら弾き終えた。悔しい思いもあったし、もちろん、先生のように上手には弾けないけれど、大きな解放感と達成感を味わうことができた。
そのA山さんからメールが届いた。友情から来るお世辞だろうが、褒められるのはこの歳になっても嬉しいものだ。そのまま載せる。
「チャールダッシュ、素晴らしい演奏だったと思います。細かいところはわかりませんが、今回は特別な編曲が少なかったようでした。高音がむせび泣いていました。何よりもたたずまいが素晴らしかったです。以前は浅草の大道芸人風な感じでしたが、今回はクラシック演奏者の雰囲気が漂っていました。かっこよかったです。」
特別な編曲とは、楽譜通りに弾けなかったミスのことだ。上手いこと言う(笑) A山さん、ありがとう!



