長年、同志社混声合唱団〈東京〉のピアノ伴奏をして下さっていた朴 令鈴(ぱくりんりん)さんがリヒャルト・シュトラウス作品集というCDを出しておられることを知り、購入した。最初に演奏されているのは歌劇「サロメ」に出てくる「七つのヴェールの踊り」だ。


解説を読むと、リヒャルト・シュトラウスは15本以上のオペラを書いているが、「サロメ」は3本目の作品で大ヒットしたものだとか。元になっているのはオスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」で、次のような物語だ。

ユダヤの領主ヘロデが宴席で義娘サロメに踊りを所望する。望みのものを何でもやると言われたサロメは身に付けた7枚のヴェールを一枚ずつ剥ぎながら踊り、幽閉されていた預言者ヨハナーンの首を望む。やがて、銀の盆に載せられて出てきた生首に接吻するサロメ、その姿に狂気を覚えたヘロデがサロメを殺せと命じる。

そういう物語だと分かった上でりんりんさんの演奏を聴くと、サロメが見る人たちを少し焦らすように妖艶に踊って楽しませ、ヨハナーンの首が出てくるときには人々の恐怖や不安、緊張感が最高潮に達するのが分かる。そして、演奏は呆気なく終わってしまうが、それが幕の下りる瞬間なのだろう。

こんなに素晴らしい演奏をされるプロのピアニストが、昨年のクリスマスパーティーでは私の下手なバイオリンの伴奏をしてくださったのかと思うと、本当に申し訳なく、又、光栄に思う。りんりんさん、有難うございました!
昨日出社したら、「いよいよ東京がロックダウンされるらしい」と聞かされた。複数の友人が数日前からそんな事を言っていたから、いよいよかと覚悟を決めた。

午後4時になると、「6時から安部首相が記者会見をやるらしい」という情報、5時になると、「小池都知事が8時から何やら発表するらしい」との情報が流れ、テレワークの準備を始める人が増えてきた。

「ボルさんはどうするの?」とロックダウン前提で尋ねられ、「明日は出社しますが、明後日からはテレワークにします」とロックダウン前提で私も答えていたから、私もロックダウンになることを疑わず、そのときの関心は安部首相や小池都知事がどのように宣告されるのかに移っていたように思う。

(東大キャンパスも立ち入り禁止に)

が、結局、ロックダウンの発表はなく、これまで繰り返されてきた「密を避ける」に具体的な例を示し、少しだけ踏み込んだ形のものに留まった。だから、ロックダウンはいわゆる「ガセネタ」だった訳だが、この「ガセ」の語源は「お騒がせ」の「がせ」から来ているらしい。なるほど、お騒がせな情報だったに違いないが、少しずつでも私たちに覚悟をうながす効果はあったろうから、「うながす」の「がす」から「ガスネタ」ということにしようと思う。
コロナウィルスの感染拡大中で、この週末は不要不急の外出を自粛せよとのこと。近くに住む娘家族が遊びに来たので、予想外の雪を眺めながら、孫娘と絵を描いた。


子供も大人も、描いた絵から心理状態が分かるとか。聞いてみたい気もするが、その前に、「えっ? この絵ですか? あら、お孫さんが描かれたのかと思いました」と言われたらショックだな(笑)