長年、同志社混声合唱団〈東京〉のピアノ伴奏をして下さっていた朴 令鈴(ぱくりんりん)さんがリヒャルト・シュトラウス作品集というCDを出しておられることを知り、購入した。最初に演奏されているのは歌劇「サロメ」に出てくる「七つのヴェールの踊り」だ。


解説を読むと、リヒャルト・シュトラウスは15本以上のオペラを書いているが、「サロメ」は3本目の作品で大ヒットしたものだとか。元になっているのはオスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」で、次のような物語だ。

ユダヤの領主ヘロデが宴席で義娘サロメに踊りを所望する。望みのものを何でもやると言われたサロメは身に付けた7枚のヴェールを一枚ずつ剥ぎながら踊り、幽閉されていた預言者ヨハナーンの首を望む。やがて、銀の盆に載せられて出てきた生首に接吻するサロメ、その姿に狂気を覚えたヘロデがサロメを殺せと命じる。

そういう物語だと分かった上でりんりんさんの演奏を聴くと、サロメが見る人たちを少し焦らすように妖艶に踊って楽しませ、ヨハナーンの首が出てくるときには人々の恐怖や不安、緊張感が最高潮に達するのが分かる。そして、演奏は呆気なく終わってしまうが、それが幕の下りる瞬間なのだろう。

こんなに素晴らしい演奏をされるプロのピアニストが、昨年のクリスマスパーティーでは私の下手なバイオリンの伴奏をしてくださったのかと思うと、本当に申し訳なく、又、光栄に思う。りんりんさん、有難うございました!