レナウンが民事再生法の適用を申請した。このところ業績が良くなかったし、経営陣の交代もあって噂になっていたから、晴天の霹靂という驚きこそなかったが、私が学生の頃は花形企業の一つだったから、この結末を非常に寂しく思う。

アメリカにフランク・ボーマンという宇宙飛行士がいた。元々はアメリカ空軍の軍人だったが、宇宙飛行士の訓練を受け、アポロ8号の船長として月にも行き、引退後は実業家として会社経営に当たるという面白い経歴の持ち主だ。そのボーマンさんの言葉、

「倒産のない資本主義なんて、地獄のないキリスト教みたいなもんさ。」

倒産があるのが資本主義だ、それが資本主義の厳しさだ、倒産を避けたいから経営者も労働者も頑張れるんだ、そういう意味だろうか。

レナウンの負債総額は139億円だと聞いた。これだけの金額を取りっぱぐれるとなれば、仕入先の中には連鎖倒産するところも出てくるだろうし、多くの人が仕事を失う可能性がある。言葉もないが、さまざまな職業に挑戦してきたボーマンさんなら、変わればいいんだ、とおっしゃるのだろうか。
自分では気付いていないが、ひょっとするとコロナウィルスに感染しているかも知れない。皆がそう思えば、マスクもするし、人との距離も開けるようになる。その距離をソーシャル・ディスタンスというらしい。世の中にはユーモアのセンスに秀でた方がいて、毎日新聞朝刊の川柳欄にこういうのがあり、苦笑いさせて頂いた。

「オレなんざもともと距離を置かれてる」(行田 ひろちゃん)

私も多くの方から距離を置かれていることと思うが、その点、年賀状は優れもので、しばらく会っていない方に私のことを思い出させる効果がある。時々、年賀状がきっかけでお葉書や電話を頂くことがあるから、効果てきめんということだろう。


逆に、頂いた年賀状からは疎遠になってしまった方々の顔や思い出が甦り、それがお正月の楽しみになっているが、「年賀状は今年で最後にします」という方が今年は何人もおられたことを寂しく思った。しかし、これもそれぞれの方が求める快適なディスタンスだ。尊重しようと思う。
マンション一階の郵便受けに保健所からの郵便物が入っていた。私宛のものだが、「高齢者肺炎球菌ワクチン予防接種票在中」と封筒に印刷されている。「えっ?うちに高齢者なんて居たっけ?」と、最初は誤配だと思った。


エレベーターに乗って自分の階に向かう間に、「あれっ?ひょっとして僕のこと?」と思い始めたが、それでも「いやいや、僕はまだ高齢者とちゃうやろ」と認めない。が、封を開け、対象者の生年月日に「昭和30年4月2日~昭和31年4月1日」とあるのを見て、やっと観念した。私は間もなく高齢者の仲間入りをするのだ。

どうあがいても、あと2ヶ月と少しで65才になってしまう。これは努力しても避けられない。よって、私は「電車や地下鉄で立っていても、決して席を譲ろうと思わせない高齢者」を目指す。ただその前に、席が空いているとついつい座ってしまうのを何とかしないと(笑)