普通の面倒くさがり
俺は普通の男だ。
と言い続けてきたが、普通より飽きっぽい若しくは面倒くさがりのようだ。
このブログも面倒になり、また放置していた。
友人と話しノリで始めたブログだが、労力の割にこんなに意味の薄いものはなかなか無い。
若い頃からブログを書いていれば、破天荒だった過去の生活はかなり面白い内容だ。
歳をとって読み返せば、良い思い出になったかもしれない。
ただ普通に警察のご厄介になっていただろうが…
放置している間に、コメントがついていた。
読んでみると女性のようで、私に直接連絡ください!とある。
コメント欄に書くと他人に見られるから電話番号とメアドを別のサイトに書いたと、そこのURLと閲覧用のパスワードを同時に書いている。
そこには自分の個人情報も含めて書いてあると…
普通のバカなのか?
だが、書いてあったパスワードは1192。鎌倉幕府だ。
平安京や関ヶ原の戦いと並び、誰でも記憶の片隅にある数字をチョイスするあたり、少しインテリジェンスも感じることができる。
その後のコメントに、写真を見て気に入ってもらえればエッチしたい!と書いてあった。
デート代も払うと…
本当にこれでサイトを見るヤツがいると思っているのだろうか?
普通に逆効果だ。
会ったことも見たことも無い相手にいきなり「金を払うからSEXしてくれ!」という女性がいるはずがないのは普通の常識だ。
万一いたら、何かの病だろう。
もちろん詐欺のようなものだと子供でも分かるから誰も見ないが、もう少し上手い方法がありそうだ。
せっかくだから俺がご教授してやろう。
まず、いきなりSEXや金の話を持ち出すのはタブーだという世間の常識をわきまえなければならない。
ブログを開設して、そこそこまともな写真を掲載する。
美しすぎてはいけない。
あくまで中の上が理想だ。
そして顔をあからさまに出すと疑われるから、目だけ隠すなどの加工が必要だろう。
準備が出来たら他人のブログにコメントの散弾銃攻撃だ。
はじめまして!興味深くブログを読ませていただきました云々…程度の軽い挨拶文をコピペだ。
9割の男が喜んでコメント欄に返事を書いてくれるから、そいつはもう扉に手をかけたも同然。
当然俺も返事を書く一人だ。
中にはブログにコメント返ししてくれる律儀な人もいるだろう。
俺も普通に健康な男だから、異性であれば必ずブログをチェックする。
2回目に相手のブログ内容に適した内容で「私も連れて行ってもらいたいです!」等の軽い誘いともとれる内容のコメントを書けば完成。
5割の男性がコメントやメッセージ等、何かしらアプローチをしてくるはずだ。
誘いに乗りやすいか否かも篩にかけられる。
いきなり攻撃は逆効果だが、相手から来るのは効果的だ。
どんな仕事でも、面倒くさがって楽に済ませようとせずに、ステップを踏めば確率が上がる。
買ってくれ!では売れないが、ジャパネットのように「このデジカメを買えば孫の入園式の素敵な写真が残せる!」とか、商品を説明するだけでなく実益を連想させなければ商売はできない。
今回の誘導コメントは間違いなく疑われる内容だから、それ以前の問題だが…
久々のブログが、かなりくだらない内容になった。
旅行に行ったり海に行ったり、他に書くことはたくさんあるが止めておく。
何故なら、俺は面倒くさがりだからだ。
普通の大自然
俺は普通の男だ。
そんな普通の俺は、普通の旅行に行くこともある。
今回の旅先は北海道の道東だ。
羽田発ANAで一路たんちょう釧路空港へ。
2時間かからない飛行機は楽チンだ。
俺は狭い所に長時間いるのが嫌いだが、これくらいなら我慢できる。
釧路は生憎の雨。
長袖のシャツでは少し肌寒く、蒸し暑かった東京とずいぶん違う。
さすが北海道だ。
レンタカーを借りて走ると、いきなり周囲は大自然だ。
やはり北海道はこうでなくてはいけない。
昼食をとるために釧路の市場に向かった。
この市場は『勝手丼』というシステムで有名だ。
ご飯を買って、数十店ある魚屋でネタを買って、自分の好きなように海鮮丼を作る。
オバマ大統領のマネで有名な芸人も、撮影でゲームをしながら『勝手丼』を作っていた。
偶然にも楽しい時間を過ごし、俺達はホテルに向かった。
釧路湿原を通り、目指すは阿寒湖だ。
車窓からは草原と林と山しか見えない。
信号も滅多にない。
さすが北海道だ。
雨が上がった頃にホテルに着いた。
『あかん遊久の里 鶴雅』
様々な温泉がある人気の宿だ。
なかなか綺麗で、辺鄙な所にもかかわらず混雑していた。
俺達はホテルの前のアイヌの民芸店街に足を運んだ。
木彫りの民芸品とマリモばかり売っていて、特に欲しくなるものはなかった。
アイヌの生活はこれから益々厳しくなるだろう。
ホテルで豪華な夕食を平らげ、大量に飲んで酔った俺達は、街に繰り出した。
阿寒は非常に健全な町だ。
俺達は来る所を間違えたような気持ちになったが、仕方ないので温泉に入って飲みなおし、早めに寝ることにした。
翌朝は快晴。
有名な摩周湖に行くことにした。
一般道が高速のようだ。
信号がなく景色も良いので、ドライブが楽しい。
摩周湖は本当に綺麗だった。
美しい緑と美しい青が最高だ。
自然しかないロケーションで、虫が多く飛んでいた。
なんの虫かと思ったら、テントウムシだった。
こっちのテントウムシはかなりアクティブ。
さすが北海道だ。
摩周湖の美しさも10分見れば十分だ。
俺達はオホーツク海を見ながら知床に向かうことにした。
途中で亀に見える所や滝を見ながら快適なドライブ。
たまに見られるエゾジカやキタキツネも、ドライブを盛り上げてくれる。
この日の昼食は、ウトロ漁港の汚い店でとることにした。
婦人部食堂というそそる名前の食堂だ。
ラーメンを食べていると、俺の隣のオジサンもどこかで見たことがあるような雰囲気だ。
よく見ると、プロゴルファーの中島常幸だった。
世界遺産の知床を船で見ようと思ったが、時間が合わず断念した。
ここからホテルまで3時間かかるため、ノンビリしていると夕食に間に合わない。
俺達は男らしい岩山を見て、網走経由でホテルに戻ることにした。
途中の道の駅で地ビールとつまみを買い、運転を代わってもらった。
ちなみに夫婦で腰かけているのが、後から来た中島常幸だ。
俺がチョイスしたビールは、流氷ドラフトといって流氷を使ったビールらしい。
珍しい水色のビールだが、味はイマイチだった。
残念な感じだ。
網走に向かっても景色は大自然だ。
たまに動物がいて、たまに湖が見えるくらいで、やはり草原と林と山だ。
そろそろ飽きてきた。
この日も夕食は美味しかった。
苦手なはずだった鹿肉も、良い味付けのおかげで美味しく頂けた。
さすが人気の宿だ。
ビールもワインも大量に飲んで一人潰れたが、最後の夜だったので町に出た。
町に出ても気持ちが悪いのは変わらなかったようだ。
潰れたヤツはキタキツネの餌付けをしていた。
町には飲食店もあるが、ほとんどの観光客がホテルで食事をするから閑古鳥だ。
多くの店主が、相手をする客もいなくて寂しそうにしていた。
やはり観光地といえど田舎の暮らしは大変そうだ。
そんな状態が続くと、当然破綻するしかなくなる。
店を閉める時は気力も底を付くだろうが、後々まで存在感を残す方法もあるようだ。
俺は廃業した店の前で、しばらく考えさせられた。
キタキツネの餌付けを終え、大自然から元気をもらった友人は見事に復活。
マリモ通りという寂れた歓楽街に行き、カラオケをすると言った。
確かに他にすることもない。
俺達は彼に従うことにした。
入ったのは地元のオバサンが飲んでいるだけの静かなスナックだ。
俺達は下手なカラオケが大好きなオバサン達と打ち解け、紅白歌合戦をした。
しばらくすると若い団体が入ってきて、阿寒町で一番の繁盛店になった。
ほとんど坊主頭だったので学生かと聞くと、自衛隊だそうだ。
年齢は18~20位。ほぼ未成年だった。
コンパニオンを連れ、大騒ぎだった。
この画像は物議を醸し出すかもしれない。
公費か自腹かしらないが、未成年というのが問題だろう。
ただ、俺も若い頃は人のことをとやかく言えるほど潔癖ではなかったが。
若い自衛隊員と仲良く飲んで歌ったが、うるさいのに我慢できなくなりそうだったので、お先に失礼した。
ホテルに戻り、また問題を発見した。
なんのことか分からないだろうが、部屋の隅のはめ殺しの障子を開けると、壁にアスベストが残っていた。
最初はウレタンと思っていたが、これはフカフカの吹き付けアスベストだ。
気になる人は、このホテルに泊まらない方が良いかもしれない。
俺は気にしないので、心地よく熟睡した。
最終日の朝も快晴だ。
これからチェックアウトして、かなり稼いでいることで有名な花畑牧場に行く。
道中はやはり大自然だ。
車窓からは緑しか見えない。
もううんざりになっていて、寝てしまった。
さすがに花畑牧場は混んでいた。
お土産売場が特に凄い。
俺も友人にお土産を買ったが、軽く1万いってしまった。
小さなキャラメルを850円で売って、それが飛ぶように売れるのだから田中氏は笑いが止まらないだろう。
昼は有名なホエー豚丼だ。
確かに美味しかったが、これが1470円だから吉野家が偉く思えるのも事実だ。
青山でも食えるらしいが、旅行とはこんなもんだろう。
ここから釧路空港まで約2時間のドライブだ。
北海道は本当に大きい。
町から町まで、だいたい2時間。
今回の旅行で、約600km走った。
そのほとんどが草原と林と山。
温暖化防止に貢献しているのは間違いない。
釧路空港まで行く途中の音別という町で、久々に太平洋を見た。
写真は撮り忘れたが、かなり良い波が無人で割れていた。
次に来る時は、波乗り旅行にしよう。
空港でジャガポックルや白い恋人を買って、この旅行も終わり。
北海道は、婚前のカップルでオープンカーでも借りれば最高だろう。
綺麗な景色の中、気持ち良くドライブすれば愛も深まるはずだ。
しかも、夜はすることがないから必然的にHすることになるだろう。
ただ、俺達は逆のことをしてしまった。
夜長を楽しむ相手もいないし、楽しく遊ぶ所もない。
都会の健康的な男には辛い旅だ。
そう文句を言うと、バカな俺達が無計画な旅行をしたように感じるだろうが、それは少し違う。
何故なら、これは普通の社員旅行だったからだ。
普通のストレス
俺は普通の男だ。
平日休みなのは普通じゃないかもしれないが、普通に仕事して普通に休みがあるわけだから、何曜日に休もうが普通と言える。
今週は仕事が少し落ち着いたから連休にした。
用事もあったが、基本的にノンビリ休日を過ごしたかったから有給をとった。
まぁ、普通のサラリーマンだ。
ノンビリ過ごすはずの休日だったが、俺はいつも通り7時に目覚めた。
しばらく使っていなかったエスプレッソマシンの埃を落とし、コーヒーを入れる。
顔を洗い、朝刊を取りに行き、お気に入りの真赤な皮のソファーに腰掛けると、真上にある天窓から日差しが落ちてくる。
良い休日の予感がした。
午前中はTVを見たり本を読んだりして、ほぼソファーに座っていた。
何もすることがない時間は、俺にとって珍しい貴重な時間だ。
ここ数日悩まされていた軽い偏頭痛も、昼には無くなっていた。
午後からは、昼食と所用を済ますため車で出かける。
この有給は誰にも言っていないから、たまに鳴る携帯も仕事の取引先くらいで、友人からの急な誘いはない。
アッと言う間に用事を済ませ、気になっていた辻井伸行さんの本(母親が書いた本)を買ってカフェに行き、サンドウィッチを食しながら読んだ。
俺の心は、感動と母親が手にする印税とのバランスで葛藤していたが、ひとつの物語として単純に感動するように結論付けた。
今度はDVDを買ってみよう。
夜は友人の誘いで居酒屋に行った。
孤独も好きだが、基本的に寂しがり屋の俺は、丸1日の孤独に耐えられないのかもしれない。
当初ひとりでノンビリ過ごす計画だったが、友人からの誘いの電話に即答してしまった。
多少酔ったが、計画的に早めの帰宅をしたのが良かった。
翌日は3時に起床し、波乗りの準備をした。
前夜からの雨が自宅のガルバリュームの屋根を叩いていたから、あまりテンションは上がらなかったがサーフィンに雨は関係ない。
友人を迎えに行き、目的地の茨城に向かった。
東関東道の終点である潮来までは1時間で着く。
茨城は意外と近い。
着いた海は、前日行った友人の報告と違って小さな波だった。
残念ながら、思ったより楽しめそうにない。
ただ、誰もいないこの海は楽しめる条件を満たしている。
鹿島に行った友人からの電話報告も同じような状況だったので、小波と割り切って入水だ。
以前から感じていたが、何故かここの波はボトムが柔らかい。
波に乗ってボトムターンをすると、いつもより反発が少なくターンが伸びない感じだ。
コシ程度の波だと本当に苦労する。
無理矢理に板をシゴいて、無理矢理にリップして終了。
貸切なのに、波のせいでストレスがたまりそうだ。
人が来ない理由かもしれない…
それなりに遊んだが、無理してサーフィンするのも飽きた俺達は、さっさと帰ることにした。
あまり体力を使ってないから腹は減っていない。
肌寒いし、納得いくサーフィンできなかったからビールも飲む気にならない。
俺達はお互いを慰めるように話しながら、いつもより長く感じる帰路を急いだ。
帰宅する頃、雨は上がり日差しが差し込みだした。
こんな日もあるだろう。
別の友人の報告によると、午後から次第に波が上がり、かなり楽しめたらしい。
今更そんな報告は必要ない。
俺はタイミングの悪い自分の行動と、いやがらせのような海の仕打ちに落ち込んだ。
だが、夜になって新発売のザ・マスターを飲む頃には上機嫌になっていた。
これは嫌がらせでもタイミングの問題でもないことが。
何故なら、自然は人間の想像より遥かに雄大だからだ。























