普通の合コン
俺は普通の男だ。
自分がそんな大人になると思ってもいなかったが、30代の普通のオジサンだ。
そんな普通の俺が、人生初の合コンに出席した。
今まで合コンなるものに憧れを持ってはいたが、参加することはなかった。
何度か誘われたこともあるが、くだらないプライドが邪魔して「俺は良いよ。」と断っていた。
だが、今回は仕事関係の人の主催で成り行き上断れなかった。
企画は、知人が所有する船にビールやつまみを持ち込んで、ディズニーランドの花火を見てお台場の夜景を見る東京湾クルーズだ。
シュチュエーションは完璧だが、会話が弾まなかったり芸を迫られたりするケースも想定しておかなければならない。
最悪、東京湾にダイブしても失礼にあたらないように、俺はゴムが緩くない新品のパンツをチョイスしておいた。
もちろん最高の場合でも対応可能だから一石二鳥だ。
だが、この日は生憎の雨。
更にサモア地震の津波が来るかもしれないらしい。
女性に嫌な思いをさせるのが大嫌いなフェミニストの俺達は、東京湾クルーズを延期して居酒屋合コンにすることにした。
まぁ、普通の選択だ。
仕事が終わり、顔を洗って化粧水をつけ、寝る前と同じくらい念入りに歯磨きをし、少しコロンをつけて居酒屋に行くと、既に6名の女性が並んで座っていた。
気になる容姿は、みんな普通に良い雰囲気を持った女性達で、ブスやデブはいなかった。
乾杯が終わると自己紹介というのが合コンの流れらしい。
男性陣で2番目に年寄りの俺は、2番目に挨拶した。
「○○という不動産会社で働いています。○○です。」
「年齢は3○歳。趣味はサーフィンで休日は千葉の海に行くことが多いです。」
普通の男である俺は、自己紹介も至って普通だ。
もっと気の利いたことを言って笑いの1つも取ればポイントになったが、合コン初心者だから仕方ない。
男性6名の中で、俺は突っ込み役だ。
自己紹介は普通だったが、他の仲間の自己紹介には突っ込みを入れ、俺のように困っている仲間を助けた。
女性の自己紹介では、少々ビックリした。
以前から知人である1人を除いては、みんな会場から遠い所から来ており、三軒茶屋や池袋といったメジャーもいたが他は遠くから来ていて、茨城という人もいた。
また職業がバラバラで、ジュエリーデザイナー・舞台女優・メイクさん・声優の卵・会社員だがバンドをやっているボーカリストと何の共通点もない仲間だった。
ただ、特殊な職業が多いおかげで、質問(会話)には事欠かない。
飲みながらだと名前と顔がなかなか一致しないが、職業だけは覚えられた。
盛り上がってきたら席替えをするのが一般的らしい。
腕の立つ女性リーダー格が爪楊枝に印をつけ、正月以来のおみくじをやった。
結果、俺の隣には安めぐみ似の女性が座った。
これがかなり性格の良い人で、俺の話を全て拾って広げてくれ会話が弾んだ。
この女性が持つ癒し系の雰囲気のおかげで酒が進んだ俺は、ビールから焼酎ロックに変えた。
危険な泥酔パターンだ。
この女性も率先して焼酎ロックに付き合ってくれ恋に落ちる1歩手前まで行ったが、さすがに初対面の女性を口説いてもプラスではないと判断できた俺は、普通の理性を持っていた。
宴会ということで、女性リーダーの提案で王様ゲームをすることになった。
これは王道なんだろう。
若い頃は流行って俺も無茶をしたが、10年以上やってない。
アッと言う間に棒を引かされ、気づくと王になっていた。
変な妄想が過ぎるが、俺は普通の大人だ。
女性に失礼なことはできないので、女性の○番が男性の○番に本気ビンタ!ということにしておいた。
普通の生活をしていれば生で見ることが出来ない光景に盛り上がったし、女性は心なしか気持ち良さそうに見えた。
また運よく2期連続で王に就任した俺は、本気ハイキックにグレードアップさせた。
格闘技が苦手そうな女性だったので効果はイマイチに見えたが、くらった男はクラクラしていた。
楽しい時間は経過が早い。
ただ終電が無くなっても1人帰っただけで、ほとんどの女性は残った。
何故か俺が苦手なカラオケに行くことになったが、二次会となれば普通の流れだろう。
そこで最近の若い女性の歌唱力にビックリした。
ボーカリストや舞台女優などは上手くて当然だろうが、これほどカラオケで感動するとは思わなかった。
すっかり恋愛モードから観客モードになったが、歌が上手い女性というのは魅力的だということに気付かされた。
聞くだけで良いから、またこの人達と一緒にカラオケに行きたいと思っていたら朝の3時になっていた。
女性達は始発で帰るとのことで、ファミレスで1時間ほど時間を潰す話になったようだ。
冷静に考えると、かなりタフな女性達だ。
付き合いが良い上に、なんら失礼もなく男性を立ててくれ、歳下ながら本当に立派だと感じた。
女優や声優を目指すのも良いが、営業職であれば即戦力になりそうだ。
俺はフラフラだったし翌日予定があったから、丁寧に別れを告げて帰ることにした。
翌朝は辛かったが、それを含めても一緒に飲むには素晴らしい女性達だった。
恋愛対象というより、また友人として飲みたいと感じた。
若い頃は女性と飲むなら口説かなければ失礼かと思っていたし、ホテルに連れて行かないと負けだと思っていたが、最近はそう思わない。
歳をとり余裕が出てきたのかもしれない。
楽しく健康的な飲み会も楽しめるようになったし、むしろその方がギクシャクしないからお互い単純に楽しい。
俺の合コンデビューは、素敵な女性達のおかげで良い思い出になった。
しかし、いくら楽しくても俺が合コン好きになるかは甚だ疑問だ。
今までのように全て断るわけではないと思うが、余程ヒマでない限りは行かないだろう。
何故なら、2人きりのドキドキデートの方が数倍楽しいからだ。
追記
先日キリンFREEが意外とイケると書いたが訂正したい。
アレは絶対イケない!
特に温くなると最悪だ。
合コン翌日は休肝日にしたかったので飲んだが、後味がケミカルな感じで気持ち悪くなってしまった。
あれはもう飲まない。
普通の代替品
俺は普通の男だ。
巷で賑わっていたシルバーウィークも、少しずれているが4連休だった。
そして昨日、俺にとっては普通の休日。
普通にサーフィンに行ってきた。
仲間と一緒に予想した結果、鴨川が良いだろうということになり、京葉道路から姉崎袖ヶ浦で降りて鴨川有料道路を走る。
鴨川に向かうには、至って普通だ。
着いた鴨川のポイントは、割れづらいマッシーな波だったが、サイズはセットでカタ近くあった。
セットしか綺麗に割れないが、なかなか良い波。
人も少なかったので、早速入ることにした。
実際に乗ると、カットバックばっかりでトロい波だ。
少し苦手な感じだが、サイズがあるのでそれなりに遊べた。
カットバックの練習と思えば良いだけだ。
調子よく乗っていると、次第に混雑してきた。
セットにテイクオフすると、だいたいその下に人がいる。
俺は混雑が大嫌いだ。
混んでる所に入ってくるなよ!と言いたくなるが、ここは俺のプライベートビーチでもなく、みんなで遊ぶ海だから仕方ない。
後から入ってきた人のためにも、たくさん乗った俺は早々に休憩することにした。
俺は普通に心が広い。
空いている所に移動して2R目を楽しんでいると、そこも次第に混んできた。
楽しそうに波乗りしているのを見ると、自分も楽しみたくなるのが普通なんだろう。
ポイントに10人も入っているとパスする俺は、普通より人ゴミが嫌いということだ。
インサイドに初心者が増えて危なくなってきたのと、サイドの風が強くなってきたので終了することにした。
合計4時間近く楽しんで、お腹ペコペコ。
仲間が作ってきてくれる料理をつまんで、ビーチで乾杯だ!
ただ、俺には運転が待っているから、残念ながらアルコールは厳禁だ。
俺は普通の常識人だ。
そんな俺を可愛そうに思った先輩が、キリンFREEというノンアルコールビールを提供してくれた。
アルコールのないビールなんて、トンカツと思ったらハムカツだったとか、サイダーと思ったら炭酸水だったとか、女と思ってたらオカマだったとか、そんな残念な感じかと思ったが、少し安めの発泡酒くらいで意外とイケる。
良く言えば南の島で頼むと出てくるビールだ。
これは使える!と思い、帰路もコンビニに寄って飲みながら帰った。
こんな技術と発想があるなら、体に害のないタバコも作って欲しいものだ。
簡単にはいかないだろうが、日本の高度な技術なら可能だろう。
嗜好品には、単純に止められない人もいる。
「我慢くらいしろよ」とか「止めりゃ良いじゃん」と言う人は、単純な思考回路でしかない。
確かに、そんな代替品に頼るのはカッコ悪いかもしれない。
昔は、禁煙パイポをくわえた大人を見ると少し軽蔑していた。
しかし、人も物も単純に考えられない所があるのは事実だ。
俺には十分理解できる。
何故なら、俺は意思が弱いからだ。
普通のシークエンス
俺は普通の男だ。
だが、普通より飽きっぽいのは前回書いた通りだ。
このブログも、また放置状態だったがネタと時間ができたから書いてみる。
唐突だが、最近の家電は非常に便利なもので、ビデオカメラも例に漏れず機能的になっているようだ。
俺のビデオカメラは記録媒体が小さなカセットテープのようなヤツで、使用頻度が非常に少ない。
所有者が面倒くさがりということも大きな原因だが、録画しても見る以外に利用できないから撮影の楽しみが少ない。
壊れないし撮影する機会もないので、買い替え動機が見つからない。
そもそも無用の長物だ。
ある友人と海に行った時。
その友人がビデオカメラを持ってきた。
最新式のハードディスクタイプで、非常に軽量だ。
少しだけ波乗りの模様を撮影して、その画像の一部を静止画としてくれた。
確かこの日は良い波がほとんど無かった。
空いてるという理由だけで入ったが、正直セレクト失敗だった。
俺は波に乗って1発当てて終わりを繰り返していた。
この波も残念な波だ。
乗っても先がない波はヤル気が出ない。
一応当てに行くが、当てる所が既にこんな状態じゃダメだ。
やはり上手い人とは全然違う。
プロと比較するのは可笑しいが、もう少し上に当てなければならない。
リップでなく波の途中でターンしている感じだ。
一部を切り取ればカッコよく見えるが、波乗りはマニューバーだ。
完全に当てるのが遅かった。
結果、波の中だ。
ただ、こういう状況は千葉のビーチではよくある。
もっとクイックにボトムターンしていればこんな苦労しなかっただろう。
一応メイクしたからカッコはついたが、反省すべきシークエンスだ。
俺の波乗りは反省する所が多いが、そんなことより感心したのは最近のビデオカメラだ。
撮影した画像の良い所を切り取って静止画に出来るのであれば、若干当てずっぽうなデジカメなんか必要ない。
価格もデジカメに少し色をつけたようなものらしい。
これはサーファーにとって非常に優れた玩具になる。
買い替え動機として充分普通だ。
ただ、本当に購入するかは決めかねる。
金がないわけじゃないし、俺にとってはマストといえる物かもしれないが、やはり買えない。
何故なら、友人みんなサーファーで、撮る人がいないからだ。
撮影したいという奇特な方からのご連絡をお待ちしています!
















