2012年、日本サッカー界の初夢は、なでしこ澤選手となでしこ佐々木監督のバロンドール・ダブル受賞という快挙でした。


2人に共通しているのは、どんなに困難な状況になっても「夢をあきらめなかった」こと。その一方で、夢をあきらめるという挫折から、新たな夢をみつけ、それを叶えるという快挙を成し遂げた人もいます。元Jリーガーの京谷和幸さんです。


彼は小学生のころからサッカーに明け暮れ、高校生のときにはユース日本代表に選出されるなど、将来を期待されたホープでした。Jリーグ元年の1993年はジェフ市原に所属していましたが、開幕からわずか半年後、交通事故により脊髄を損傷し車いす生活となりました。「サッカー日本代表になる」という夢を奪われ、しばらく自暴自棄の日々を過ごしたそうですが、あるとき車いすバスケと出会い、「パラリンピック日本代表になる」という新しい夢を見つけ、それを叶えたのです。


夢をあきらめないこと、夢に破れても新しい夢に向かってがんばること、どちらもカッコいい生き方ですよね。2012年の年頭に気合を入れて誓った夢も、数週間もするとおぼろげになったりします。もう一度誓い直すのに、いい時期かもしれませんね。

渋谷にある小さな映画館で、チョン・テセのドキュメンタリー映画「TESE」を鑑賞した。



いまでこそ北朝鮮代表のエースストライカーとして当たり前のように君臨しているが、じつは韓国代表も日本代表も選ぶことができる立場にあった。そして同じように韓国代表と日本代表を選べた李忠成が日本を選び、マスコミから注目され、日本中から期待を背負うようになった状況について、「正直うらやましい」とまで言っていた。


それなのに、いばらの道とでも言うべき北朝鮮代表を選んだ理由は、「背負うものの大きさ」だったのではないかと、映画を通じて思わされた。在日朝鮮人として、日本人の2倍も3倍も努力しないと周囲から認めてもらえなかった「宿命の大きさ」。そして、宿命に打ち勝ったスーパースターとして、何十万人の同胞から一心に向けられる「期待の大きさ」だ。



イタリアの至宝ロベルト・バッジオも自らのフットボール観についてこんな言葉を残している。

「思いついた選択肢の中で、一番難しいプレーを選ぶようにしている」。

人々を魅了し、感動を生み出すのは、背負うものの大きさによるのかもしれない。









2012115日に開催されるFリーグ「北海道 VS 府中」の一戦に、カズが出場するという異例の予告記者会見が行われた。




もともとFリーグには「Jリーグの選手は2名まで出場可能」というルールがあり、今回は横浜FCの株主であるフィートエンターテイメントがエスポラーダ北海道を運営しているご縁もあって、カズに門戸が開かれた。



フットサル経験のほとんどないカズが活躍できるのかという可能性はひとまず置いておき、JリーグとFリーグの積極交流によってもたらされる可能性は、とても大きいのではないだろうか。

両リーグのファン層の拡大、地元チーム同士の連携による地域の活性化、JリーガーのセカンドキャリアとしてFリーガーに転身するという選択肢の確立、などなど。いまピッチの外で山積みになっているいくつかの問題を、やり方によっては根本的に解決できるような気がするのだ。




カズのFリーグ参戦はメディアでも大々的に取り上げられるだろうし、変化を起こすには最大のチャンスになる。「カズの試合がきっかけで」という成功事例がひとつでも生まれることを願わずにはいられない。