きっかけ、草の根~精神医療被害者、家族を孤立させないために | boon's salon

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思っていること、感じていること、考えていること。
思ったこと、感じたこと、考えたことを書き留めたくて。
複雑な自分の思考を整理できるかな。
思考のアウトプットって難しい…。

「だれでも、くすりをやめることはできるのでしょうか?」
斜め前に座っていた男性Aさんが質問
ゆっくり・・・というよりも、話すこと自体が精一杯の様子。

勉強会のお開き宣言の後、別の男性Xさんが席まで来て声を掛けていた
「主治医の先生はどなたですか?」
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先日、精神医療被害連絡会の勉強会に出席したときのこと。
自分の用事のついでに参加した勉強会。
それでも少しずつ、集まった方たちのつなぎのような役割が出来るようになっている自分を感じた。
勉強会では精神医療ユーザー、元ユーザー、ご家族、支援者など様々な多くの方々が出席する。 この日は地元の精神科医の方も参加されていて、ご自身の苦悩、でも前向きな気持ちをお話しくださった。

声を掛けていた男性Xさんは元ユーザーさんで、今は食事療法を勉強しながらも、一度は断念した大学に再挑戦中とのこと。
彼と話をしながら思い出していたのは元ユーザーさんお2人のこと。
小さな一歩
新たな繋がり - 8月24日の岡山勉強会を終えて
お2人とも勉強会や料理教室を開催して、精神薬の危険性、その先、根元にある社会問題、そして精神薬の代りとなるコミュニティー形成、オルタナティブを少しずつ展開している。

Xさんにも緩やかに同様な活動ができる機会がくると良いな・・・と願っている。
人な何かを超えようとするとき、憤り、怒り、悲しみだけでは乗り越えられなくて、でもそれらが原動力となることは確かで・・・。
何て言うんだろうか・・・合気道のように気を変換、転換させていく。
そのためにまずは地元で話せる仲間やコミュニティーとの出会いが早く訪れることを願っています。

今回はもう一件、最新のアリスパパのblogに関連して。
=== 一部抜粋 ==========
ある統合失調症と診断され、長期入院されていた方のお話。
1人は女性、風呂も入らず、いつもその辺で寝転んでいるような患者であったという。
とても会話が成立しないと思われていた。
ある日、音楽をリクエストしてみんなでそれを聴く会を開いたとき、
その女性がベンチャーズの曲をリクエストしたのだそうだ。
他の参加者に聞く用に、彼女にどうしてその曲をリクエストしたのか尋ねた。
すると、意外にも、彼女は、
「これは、子育てをしていた時に良く聞いていた曲だ。」と答えたという。
このエピソードを機に、彼女は急激に改善に向かい。
ついには、30年の入院生活から抜け出すことが出来たという。
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この記事「隠れた要因、解ける仮面。統合失調症は治らないという嘘。 」を読んで思い出したのが、先日伺った年配男性のこと。
ご家族とは精神医療被害連絡会の勉強会で数回ご一緒することがあり、最近は電話やメールのやりとりも増えてきた。

この日はSさん、お母さまとの顔合わせ、お2人が一緒に伺った男性PSW、Hさんと私を受け容れてくださるか。
座った位置から自然と私はお母さまの話を、Hさんはさんとお話。
お母さまの話を聞きながらも時々、漏れ聞こえる隣の会話と笑い。
Sさんは音楽が好きで、Hさんが地元駅近くにあるライブを紹介。
今度一緒に行きませんか?とのお誘い。 
時間はゆっくり過ぎていき、残り10分のところで私も少しSさんとお話する機会が。

でもこの時、すでにSさんが精神的不安定を引き起した要因の一つに気づいていた。
訪問して挨拶もそこそこ、Sさんが私たちに見せてくれた絵。
ご自身で描いた家紋のような図柄、絵。
その横にはかなり前に別れられた奥さまの名前。

奥さまのことを始めとして、いろいろな事象、想いが現実と過去を行ったり来たり。

「魔がさす」
私はこの言葉に対して、人の中には二つの個が存在していて、社会に受け入れられない形で表出するイメージを持っている。
そして本来この言葉の持つ意味「悪事をする」よりも「魔に操作される」と広く捉えると統合失調症が見えてくるような気さえする。

善悪、太陽と月、白と黒のような一見正反対のようなものが人の中にはあるけど、それらは常に表裏一体。
幸せになれば感じる不安もあり、その不安を見過ごせば、何かが引き金となって「魔」が顔を出す。
それは今まで閉じ込めていた欲求、願望、苦悩、それらに早めに対処しないと「魔」は大きくなる。
薬で抑えようとするとさらに大きく、深く根付く。
こんなイメージを持っている。

彼の苦しみ、根付いている「魔」は薬、強制入院、離婚、そしてその先にもあるかも知れない。
それに付随した様々な感情があるかも知れない。
心の周りを囲うように這う魔の糸を箇所、箇所で少しずつ緩めていく。
そのためには、今のSさんのあらゆる面を受け止める心と時間の余裕が必要。
お元気なときには国際交流やダイビングなどに興味があり大変活発だったとのこと。
音楽に反応されたのだから、アリスパパがblogで紹介した方と同様、改善に向かう切っ掛けは必ずある。

精神医療の被害者、家族を孤立させてはいけない。
そう、冒頭の勉強会で出会った2人の男性たちのように理解し合える仲間、身内、支援者が必要。

さて勉強会、昨日は福岡で開催され、熊本は生憎台風のため中止(または延期)でした。
この後も精神医療被害連絡会NPO面会交流支援びじっと、我が子に会いたい親の会などが主催の勉強会が続きます。

10/18 仙台    第1回 精神医療問題を考える勉強会in仙台 
10/19 仙台    子供たちへの安易な向精神薬投与の問題性について考える
10/22 神奈川  『ソーシャルワーカーとして、精神医療と向精神薬を学ぶ2』
10/25 岡山    精神医療問題を考える 勉強会in岡山
10/26 島根    精神医療問題勉強会in島根 
11/  1 大阪    精神医療問題in関西 秋の大討論会
11/  2 京都     関西定例お茶会-当事者・ご家族中心のお茶会(京都)
11/15 名古屋 精神医療問題セミナーin名古屋(薬物治療の転帰、子供への向精神薬投与)
11/16 名古屋 精神医療問題セミナーIN名古屋第2部 うつに非ず 野田先生講演会 
11/22 東京   「乳幼児期の子どもの権利」と「面会交流による愛着形成」 東京
11/29 鹿児島 精神医療問題セミナーin鹿児島
11/30  熊本  はあもにいフェスタ2014 in 熊本
12/20 神奈川 相模大野 (詳細後日)

集い:
12/23 神奈川 父母の離婚を経験する子どもたちのためのクリスマス交流会