映画「箱入り息子の恋」は、星野源さんと夏帆さんが演じる二人のラブストーリーである。
内気で恋愛経験のない35歳の独身男が、目の不自由な女性に恋をしたことから急激に変化していく姿と、彼らをとりまく家族の姿を描いたドラマ。
(上記の 映画.com サイトより引用)
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2013年製作(2013年6月8日公開)の作品であるが、今更ながら先日のテレビ放送でみたら案外良かった。
監督は市井昌秀、脚本は監督の市井昌秀さんと田村孝裕さんで、ノベライズされている。
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観ている側をやきもきさせる星野源さんの演技、目の不自由な女性の夏帆さんの演技が素晴らしく、ピュアで不器用な二人の見守りたくなるような恋愛物語には心温まるものがあった。
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---以下、ネタばれあり注意---
さて、そろそろ本題に入ろう。(笑)
物語の中で二人が変わっていくプロセスは、本当の自分自身を生きるようになっていくプロセスである。
なぜならこのプロセスは具体的には、自分が本当に思っていることを表現するようになる変化、あるいは、自分が本当に思っていることに基づいて行動するようになるという変化として描かれているからである。
だから、この作品はピュアで不器用な二人の見守りたくなるような恋愛物語として見ることは易しいが、実のところは見守りたくなるような恋物語ではなく、社会に対する防壁として自ら作った箱を出て本当の自分自身を生きる物語なのだと感じた。
そうだとすれば、これは社会に生きる人間にとって普遍的な物語である。
映画の物語はまだまだ恋の途中にあるところで思わる。
約二時間の映画作品の結末としては、ここで終わるのかという不満があった。
しかし、「自ら作った箱を出て本当の自分になっていく道は誰でもまだまだこのくらいは遠いよ」ということの表現なのだと思うと納得感はあった。
道が遠いのは彼だけではない。
人間が自ら作り出す箱については下記の記事も参照されたい。
▼おまけ
最後に入院中の主人公が送った点字の手紙の内容については下記の記事を参照。
▼インタビュー動画はこちら
▼映画.com のインタビュー記事はこちら
▼夏帆さんの映画「Red」(三島有紀子監督、2020年2月21日公開)公開時の記事はこちら