映画「インサイダー」 | 日々是本日

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bookudakoji の本ブログ

 映画「インサイダー」は1999年アメリカ製作、マイケル・マン監督、アル・パチーノ、ラッセル・クロウ出演の社会派サスペンス作品である。

 

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<内容紹介>

米国3大ネットワークの1つ、CBSの人気報道番組のプロデューサーが、ジャーナリスト生命を賭けてタバコ会社の不正を告発する社会派サスペンスである。アル・パチーノ演じるプロデューサーと、ラッセル・クロウが扮するインサイダー(内部告発者)。巨大な勢力を相手に無謀ともいえる戦いを挑む、2人の男の孤独な姿が渋い。

※上記バナーの商品サイトより引用


 マリー・ブレナーによる「ヴァニティ・フェア」誌の記事「知りすぎた男」を基にしているため、ある程度、実話を描いた作品となっている。
 

 こうした企業倫理が問われ始めた1990年代の同様の作品としては、「ディスクロージャー」(1994年)が思い出された。

 

 

   ▼「ディスクロージャー」(1994年)

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 内部告発に対する会社の圧力については先日の映画「七つの会議」の記事でも取り上げたばかりであるが、放送局も巻き込んだアメリカのこの実態は本当に酷い

 

 こんなにただただひたすら腸(はらわた)が煮えくり返る続ける映画を久しぶりに観た。

 

 もうこうでもしないと、この隠蔽工作の酷さを描けなかったとでも言わんばかりの作品であった。

 

▼予告編はこちら

 

 

---以下、ネタばれあり注意---

 

 

 そしてこの作品のもう一つの大きな特徴は、

 

「結末がもたらすカタルシスのなんと小さきことか!」

ということである。

 

 最後にアルパチーノが言う。

「失われたものはもう元には戻らない。」

 

 そうなのである。

 

 なんかと実態を明るみにすることができても、内部告発に関わった人たちの人生は元には戻らないのである。

 結末がもたらすカタルシスの小ささがこの事実を雄弁に語っていると思いつつ……

 この作品を重すぎると感じた自分の感性は健全か?と問いながら……

 

 

【付記】

 この作品は2000年のアカデミー賞に作品賞を含め7部門ノミネートされたが、受賞した部門は一つもなかった。

 ちなみに、この年の作品賞は「アメリカン・ビューティー」、監督賞は同じく「アメリカン・ビューティー」の

サム・メンデスであった。

 

 

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