読書日記PNU屋 -13ページ目

松山剛「君死にたもう流星群 5」

 

君死にたもう流星群5 (MF文庫J)

 

 流星群と共に散った星乃の運命を変えるため、タイムリープした平野大地。しかし、敵は思わぬところに潜んでいて…?!人気シリーズ第五弾。

 あまりに意外な(よく考れば当然かもなのだけど、意識の盲点から)妨害に驚きを隠せなかった。この物語は一巻から全く展開が読めず、今後もどうなるかわからない、予想を許さない凄さがある。ファンがあれこれ展開予想しても、次巻で軽々と予想を超えてくるだろうことが容易に想像できる。

 ヘビーな内容の本作だが、今回ようやくデレてきてくれる、子犬のようにピュアなヒロインが可愛すぎる。今まで、大地クンがどんなに拒絶されても心を砕いて面倒を見てくれたから、やっとだぞ…なのにオマエどうしちゃったんだよ!!と、やきもきすること請け合いだ。

 感想を書くのに時間がかかってしまったのは、心に痛い本だったから。私は小学生のころの夢を、さほど努力もしないままに諦めてしまった(★)。だから、主人公の大地クンの心境が切々と迫ってきて、しんどかったのである。主人公まぶしすぎだろ…夢を諦めてもそれなりに生きていけるけど、チャレンジできるならした方が絶対に良いよな…。


(★)一桁年齢のころはマンガ家になりたいと思っていた私。
コマ割りのセンスが無いのと、背景が絶望的に描けないので諦めたが。

つくね乱蔵「つくね乱蔵 実話怪談 傑作選 厭ノ蔵」

 

 

 嫌を重ねて厭の境地に彷徨いこむ作風の著者、傑作選(書き下ろしもあり)。

 因果応報がはっきりしていてすかっとするかと思いきや、人の怨念や愚かしさが事態を悲劇に向かわせてゆく。

 印象的な話を下記に。


減量中止/健康よりも命にはかえられない悲しみ。


この子をよろしく/しみじみええ話や…しかし、直後の一編と好対照に過ぎる…構成の妙か。別々の本に掲載されていたのが、傑作選で連続することにより読後感のアップダウンを激しくさせる。


甘納豆/タイトルに、生きていく者のしたたかさを感じる。


紙般若/紙般若・後日談/やはり面の話は怖い。


あの子のランドセル/迫力の怪異描写。
 
鬼頭の母/鬼よりも恐ろしいものがあるとは。

伊計翼「怪談社書記録 闇語り」

 

怪談社書記録 闇語り (竹書房怪談文庫)

 

 なんとも軽妙なタッチで綴られる怪談には、可笑しみあり涙あり、感動あり戦慄ありで飽きることがない。〜ないで統一されたタイトルがズラッと並ぶ目次は壮観だ。


 一話一話は短いようで、畳み掛けてくる連作もあるから変化球が楽しめる。

 私のお気に入りを下記に。


聴こえない/どういう因果なのか…、不可思議。

寿命がない/明るい空気が急転。

心配いらない/こんな霊なら来てほしい…!

除霊してない/ほんのりユーモラス。

珍しくない/あちらの世界も、そんなに悪くはないのかもしれない。

安心できない/ええ話や…。

どれかわからない/オチにゾッ…。

終わらない/リフレインににじむやるせなさ。

間にあわない/こんなに素敵な出来事なら、是非起こっていただきたい。

語らない/歴史の悲しみ…。

言葉じゃない/いったいそれらは、何者なのだろうか?

2020年5月の読書まとめ

 本当に本が読めなくなった。幸い、老眼はまだ大丈夫なのだが、指の関節に痛みがあり、長時間本を保持できないのである。電子化待ったなしか…。アナログが好きなのだが、紙は重い。

カブト活字本 絶滅寸前!

蝦夷忌譚 北怪導
方違異談 現代雨月物語
凶鳴怪談
群馬百物語 怪談かるた
現代怪談 地獄めぐり 無間(再読)
怖すぎる実話怪談 瘴気の章

富士山漫画本 かろうじて2桁。

おかあさんの扉 6
親になったの私だけ?
鬼滅の刃 20
ゲイ風俗のもちぎさん 2
血海のノア 3
サナダくんは私のお尻に住んでいます 1
3本足のしじみちゃん
呪術廻戦 1(再)
園田の歌 3
大福の日々
チェンソーマン1~6(再)
通院するたびに寿命を削られてます
東京伝説 3
人形の国 06
犯人たちの事件簿 9
ブラック・ジャックガール
魔女のマリーは魔女じゃない 1
魔女のやさしい葬列 3
ミノタウロスの想い人 1
無号のシュネルギア 2 
ようこそ亡霊葬儀屋さん 1

岩井志麻子/徳光正行「凶鳴怪談」

 

 

 ふたり怪談(とシリーズ銘記はされてないけど)久々に登場!


 前半は同著者である岩井志麻子「現代百物語」(角川文庫)の趣でサイコから心霊まで、バラエティに富んだ味わいが楽しめる。

 お気に入りは下記に。


夢の話/心が体に与える影響?!なんとも不気味だ。


事故物件/こんな事故物件なら素敵…かも??


目から鱗ではなく/これも不気味…。


チヒロさん/現代の魔女かな…??


 後半の徳光パートは不可思議ながらも、著者の人柄なのかどこかあたたかみを感じさせる怪談が続く。語り手の体験がいくら悲惨であろうとも、突き放した視点で淡々と恐ろしい内容を綴る岩井パートと好対照ではないか(←個人の感想です)。

 印象的な話を下記に。


記憶/幼い頃の記憶はファンタジー。もし、逃げ切れなかったらどうなっていたのだろうか。
風子さんの家/逆キルケーのようで切なく物悲しい。
代々/彼氏、強し!