こんにちは。
「同意」を観ました。
実話をもとにした映画です。
大人から子どもへの、性的グルーミング。
こういうことがあると、広く知られたら、被害にあう少女や少年が減っていくでしょう。
日本でも、たとえばジャニーズ事務所のジャニー喜多川さんの少年たちへの性犯罪も、性的グルーミングの一種です。
あらすじ
13歳の少女ヴァネッサは、母親と二人暮らし。
たまたま知り合った50歳の作家ガブリエル・マツネフから、ラブレターを何通も送られる。
「君は特別だ」
迷った末、ガブリエルに会いに行くヴァネッサ。
ガブリエルは言葉たくみにヴァネッサを操る。
ヴァネッサは憧れの作家と恋愛関係になれたと思い、14歳でガブリエルと性交する。
やがて、ガブリエルは他の少女とも過去に関係があったことが分かる。
しかも、ガブリエルは児童買春した体験(タイのマカオで。8歳の子どもなど)について書いて出版していた。
ガブリエルはヴァネッサとの性行為についても書いて出版する。
その30年後。ヴァネッサは、「同意」というタイトルで自分の体験を書いて出版。
ガブリエルとの性行為は、ほんとうに「同意していた」と言えるのか?
その本をもとにして作られた映画。
文学少女だったヴァネッサ。
作家のラブレターは、文学的だ。
何通も何通もラブレターを送られるうちに、心を動かされてしまうヴァネッサ。
そして、
50歳の作家ガブリエルに「大人の女性として扱われたい」
「きらわれたくない」一心で、性行為にも応じてしまう。
「いや、性行為をしない(できない)ときらわれるとしたら、その男性はヴァネッサを本当は愛していないんだよーーー」と言いたくなった。
ガブリエルは、まず、ヴァネッサをほめたたえる。
親切にし、特別扱いして喜ばせ、安心させる。
それに作家である男性は、実際よりもよく見えてしまう。
背景効果だ。
特別扱いされてうれしくなり、「この関係を失いたくない」とヴァネッサが思っているところへ、ガブリエルはあれこれ要求し始める。
「愛には禁止事項はない」
「愛は尊い」などと、もっともらしいことを言って思い通りに性行為を要求する。
たしかに、無理強いはしていない。でも、ヴァネッサをうまく支配していることが見ていてわかる。
ガブリエルの卑怯さに気づいたときの、本当は自分は愛されてなどいなかったとわかったときの、ヴァネッサの表情がせつない。
でも、ヴァネッサには心配してくれるクラスメートの女の子がいた。
その子が、ヴァネッサ(ガブリエルの車に乗せられて連れ去られるところ)を追いかけて走る場面には、泣いてしまった。
その女の子とふれあうシーンも泣いた。
心からの思いやりがそこにあった。
一方、学校の先生はヴァネッサを思いやらない。生徒であるヴァネッサの味方にはならず、非常に失礼だった。
ガブリエルがヴァネッサとの性行為を書いた本を読んで、ヴァネッサを興味本位の、いやーな感じの(性的な)目で見たのだ。
「あんな大人の毒牙にかかって、たいへんな目にあったね」と胸を痛めている様子はなかったのだった。
ヴァネッサはますます孤立していってしまう。
なんと、そのころのフランスは、子どもを性の対象にすることを許していて(むしろ、カッコいいみたいな?)、作家のガブリエルは野放しだった。
「タイで児童買春したときの感想」を書いた本が、どうして堂々と本屋に並んでいるのか?
なぜ、ガブリエルがテレビ番組に出てもてはやされているのか?
ショックだった。。
テレビ番組で一人だけ、ガブリエルの子どもへの性犯罪に反対意見を言う女性がいた。その映像の部分は本物のようだった。
一人でもいて、よかった!!
そんな風潮の中で、勇気ある女性だ。心から尊敬する。
(その発言のあと、フランスでバッシングされたらしい)
ガブリエルはフランスで文学賞をもらったりしていて驚いた。
(2013年受賞)
そんなに昔ではない、最近の話であることに衝撃を受けた。
一方で、なぜガブリエルが少女たち(タイでは、男の子にも)に性加害をするのか?示唆するシーンがあった。
ガブリエル自身も、少年の頃に大人から性行為をされていたのだ。
そして、ヴァネッサは30年後にようやく本を書いた。
30年たたなければ、ヴァネッサは声を上げられなかった。
そのくらいパワーを奪われていたのかもしれない。
ヴァネッサの本、「同意」が世に出て、流れが変わったそうだ。
声をあげることが世の中を変えることになっていくんだなあとあらためて思った。声をあげなかったら、「なかったことにされる」。
もちろん、無理しなくていい。
本当に自分が「声を上げたい」「たとえバッシングされても声を上げたい」と覚悟できたときに行動を起こすほうがいい。
伊藤詩織さん(薬物で眠らされての性被害を告発した)は、日本に住めなくて海外に住んでるそうだ。
元ジャニーズで性被害を告発した二本木顕理さんも、海外に住んでいる。
日本でのバッシングがひどいから…
勇気を持って声を上げた人を応援したい。
そして、被害が減っていくように、私も講座やブログなどで伝えていきたい。
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二本木顕理さんの講演もありました。
「子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か」
(斎藤章佳/著 幻冬舎文庫)
「闇の子供たち」
(梁 石日/著 幻冬舎文庫)
タイでの子供たちを買春する大人たちを描く小説。
救おうとする日本人が奮闘するが…。衝撃の内容だ。
「闇の子供たち」
映画にもなっています。
「子どもを喰らう世界」
(ピーター リーライト /著 さくま ゆみこ /翻訳 くぼた のぞみ /翻訳 晶文社)
事実を取材した本です。いかに子どもたちが大人たちに利用され搾取されて人生を奪われているか。これも衝撃の内容です。
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