献食菜集 -149ページ目

流用


田舎の都道沿い 無人ポルノショップの
目隠し塀に 


見覚えのある詩の一部が
でかでかと 書かれてあって


「人間だもの」


はあ なるほどですね


「エロ本を見ないやつを
僕は信用しない」
と宣言した 知り合いが いたが


どこか ちょっと 似てないか
と考えながら


運転していたら

曲がる交差点を 間違えてしまった


そうしたら
車一台が通るのが やっとだった旧い橋が
閉鎖されていて


なんだか しらぬ間に歳をとっていた
自分の親のようで


けれども歩行者専用の 橋になるのか
「機関車やえもん」
を 思い出してしまった













































































































・・・

上を むいたり
横を むいたり
あごを だしたり
走り出したり
はなれていったり


何十年たっても かわらない


小学生のとき
通信簿の 行動欄に
何て書かれていたか 分かるかい と
友に たずねたら


当然のように かんたんに

ずばりあてられて

くやしくて たまらぬが


それが 君の いいところだと
なぐさめられても
「落ち着きのない」おとな など
いわれて
誰が よろこぶものか


おこっているわけでもないし
意地悪しているわけでもない


上を むいたり
横を むいたり
あごを だしたり
走り出したり
はなれていったり


しないと いられなかった

ただ 
それだけ



















































































































































































































夏休み

うしろの 座席で

6年生の むすめが
アイスキャンディのふくろを
やぶったとたん
車内 いっぱい 広がった
夏休み


思い出した


にせものイチゴの 甘いにおい
青いガラスの かき氷
グローブの皮の におい


いつになったら 6年生に なれるのか
果てしなく長かった
4年生の 夏休み


フロントガラスの むこう

城址の山の 濃い緑のこずえが
風に 揺れている

今年も わたしには

夏休みがある


いつになったら

 一人前になれるのか
果てしなくつづく

47歳の 夏休み






































































































3日間


私は マヨネーズですが
あなたも マヨネーズですね


あなたが入っている 容器は
私より 大きくて
書かれてある字も 知らない字で
読めません


でも お互い マヨネーズ同士で ある
ということは よく わかります


ちょっと成分も違うようで
私より 油脂が多いですか


お互い外に絞りだされれば
話は早いかも知れないですが


容器から でてしまうと
それぞれ きちんと
自分を 保持できないので
混ざって しまうでしょうね


容器と中身から出来ている とか
よく いわれますが
この 二つは分かれては
存在できませんから


こうして 出会えたのも 
容器にはいってこそ
ですよね


今日 こうして お会いできて
とても 楽しかった
あなたは どうですか


あなたが使われて できた料理は
とても 複雑でよく出来て いて
でも 食べやすくて 
すばらしい と思いました


すこし成分が 違うと
このような 料理に
変化 するのですね


料理を味わうことで
あなたを 推察するより他 ありません

今度は 私が 使われた 料理を
味わって いただければ と
思っています





























































雷雨

照れそうになるところを 思い切って

どきどきしかけたところを 思い切って


腹の底から声を出したら
観ている人たちに 何か 伝わったのか
クスクス笑い声が 聞こえるし


一生懸命 真剣に 取り組んでいるのに
笑われるなんて

とても すばらしい

僕は 嬉しい