20数年前にL.A.でお会いしたことのあるガルブレイスさんが亡くなられた。

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060501k0000m060050000c.html

米国のハト派の象徴のような方だったので、大変残念だが、97歳。大往生と言うことでご冥福を祈ります。

最近講演会や各種の会合で驚くのは、中高年の方々がハト派的で、若年層の方がタカ派的な傾向があります。教育の成果(?)なのかも知れませんが、ガルブレイスさんの死も世の中の傾向を象徴しているのかも知れません。

 一方で、(日本のマスメディアのウェブサイトでは報道されていないようだが)米国のハト派も頑張っているようです。「NYで大規模反戦デモ 米軍のイラク撤退求める」http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200604300022.html


山口実

米国のイラン・北朝鮮の核問題に関する姿勢とイスラエル・インドに対する姿勢の違いはその最たるものと考えられる。イラン・北朝鮮は所謂「悪の枢軸国家」であるとの反論があるかも知れないが、核兵器の恐ろしさはどの国が扱っても同様に危険であるし、イスラエルやインドも平和な民主国家とは言いがたい。


この問題はさておき、最近のニュースを拾いながら、小泉政権の外交・防衛の矛盾点を指摘したい。

1. 首相の靖国神社参拝

首相を始めとする政府関係者は、「首相の靖国参拝に反対しているのは中国・韓国だけだ。」と言うが、マレーシアやシンガポールの首脳が公然と不快感を表しているし、タイやインドネシアも言葉には出さぬが大変困惑していることを私は良く知っている。

また、首相がその拠り所とする米国でもこのことは支持されていない。http://www.asahi.com/politics/update/0430/003.html

(「左翼の朝日」の記事だと言う若者が出てくるかも知れないが、最近の朝日の右傾化は読売も驚いているようだ。)

対米追従に徹する政権の言動とは大いに矛盾する点である。イラクなどの海外派兵の日本による肩代わりを狙うブッシュ政権は言葉を濁すであろうが、米国の指導部・知識層がこのことに危惧を抱いているのは明らかである。

2. 首相のエチオピア訪問

 http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060501k0000m010059000c.html

 テレビニュースでも報じられていて、小泉首相が会談後の記者会見で「日本は核を持たないし今後も持つ意図がない。国際社会で武力行使もしない。現在の5常任理事国とは違う立場で平和の定着を支援していく」と言っているのを聞いた。

 これも憲法改正など日米同盟の下で、海外派兵を容易にしようとする言動とは大いに矛盾する。

 また、国連安保理の常任理事国入りを望むなら、遠いアフリカの輸出入がそれぞれ100億円にも満たない国で札びらを切って悦に入るより、アジアの支持を得る方が余程重要なのではなかろうか。

何れにしても、効率的な「小さな政府」を目指す政府首脳のやることではない。

3. 米軍再編への経済的・人的負担

BBCのニュース(http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/4955418.stm )によれば、米国のアフガン・イラクでの戦費は8,110億ドル(91兆円)に到達すると予想されるとのことだ。戦費や人員の削減はブッシュ政権の大きな課題である。従って、米国政府は海外派兵に就いて、日本に戦費や人員の負担を求めており、将来的に更に強く負担を求めてくることは火を見るより明らかである。

米軍再編費用(一説には3兆円。米国議会へのポーズだとの指摘もあるが、日本政府が国内での根回しをする前に、フローレス国防次官が本音を漏らしたと言うのが、事実に近いのではないか)の負担合意を見ても、800兆円の借金を抱えた国の目ざす「小さな政府」とは大いに矛盾する。


まだ、指摘したいことはたくさんあるが、こうした矛盾は国際的な信頼を醸成しないばかりか、外交カードとして他国に利用され、結果的に自分の首を絞めることになる。それが、大増税や言論規制や徴兵などと言った形で跳ね返ってくる恐れが大いにあるのだから、日本国民も「支持率50%」などと言わず、もっと賢くなる不可欠である。

山口実

毎日新聞のウェブ・サイトに掲題の記事が掲載されている。

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060430k0000m010087000c.html

対立を煽られ、国防意識を煽られた挙句の果てにあるものは

教育基本法改定、憲法改定、対米追従、海外派兵、防衛費増大

徴兵、増税、社会保障費の削減(少し考えれば分かること)

歩む道を間違えてはいけない

国民が賢くならなければ真の民主主義や平和は守れない

その自覚(危機意識)を持つことの方が遥かに重要だ。

山口実

あおいがビッグバンドをバックに歌うと、私が必ず感涙に咽ぶ曲がある。

それはクィンシー・ジョーンズの作った"Everything must change"と言う曲。 哲学を専攻していたせいか、含蓄のある歌を見つけて来る。以前紹介した"People"と言う彼女のCDに載っている歌も同様だ。 先日、瀬戸内寂聴さんが「無常」と表現されていたが、人生いつも良い事ばかりではない。 私たちは、その事を肝に銘じて、思いやりの心を持たなければならない。 山口実


"Everything must change   全ては変わり行く

Everything must change   全ては変わり行く 

Nothing stays the same   変わらないものなどない

Everyone will change    全ての人も変わり行く

No one stays the same    誰も同じままではいられない


The young become the old   若きも年老い

And mysteries do unfold    そして謎は解ける

'Cause that's the way of time それが時のやり方だから

Nothing and no one goes unchanged 物も人も変わらないものなどない


There are not many things in life 人生に確かなものなんて

You can be sure of except  そう多くはない、ただ確かに

Rain comes from the clouds  雨は雲から降り注ぎ

Sun lights up the sky    日の光は天上にあって

And humming birds do fly   ハチドリは飛ぶ


Winter turns to spring    冬は春になり

A wounded heart will heal  傷ついた心も癒える

But never much too soon   時間はかかるけれど

Yes everything must change そう全ては変わり行く


Rain comes from the clouds 雨は雲から降り注ぎ

Sun lights up the sky    日の光は天上にあり

And humming birds do fly  ハチドリは飛ぶ

Rain comes from the clouds 雨は雲から降り注ぎ

Sun lights up the sky    日の光は天上にあって

And music makes me cry   音楽は私を泣かせる "

聖徳太子の十七条憲法の第一条に「和(やわら)ぐを以て貴(たっと)しとし、忤(さか)ふること無きを宗とせよ。()」と書かれてあるが、歴史的に日本は和を重んじて来た。馴れ合いや弱腰外交の原因であると言う批判もあるが、私は和を貴しとする姿勢は基本的に正しいと思う。

もちろん、国際化の中で、はっきり言うべきことは言わなければならないが、相手を慮ることで和が形成できる。私は武器を振り回して、逆らいあうことや諍いは日本人には合わない。それは、農耕民族と言う歴史的な民族性からも言えるし、個の力よりも組織の力で発展してきた歴史からも言える。

国内で和を貴ぶことができるのであれば、当然隣国との和も尊ぶことができるであろう。

以前にも書いたが、ユダヤ人や華僑との交友の中で、彼らの優秀さや勇敢さを十分思い知らされてきた。一方、彼らは彼らで、日本人としての私の「人の和」に敬意を表してきた。個を磨くことは大切であり、各個がしっかりした智恵を持つことは大切である。しかし、残念ながら個の力で彼らを圧倒することは出来ない。私は、日本人がこの国際化の中で、生き残るためには「和を貴し」とする智恵が不可欠であると思う。

若者の中に、日米安保の強化(米国追従)、或いは核を持つことでしか、日本が守れないと言う意見もあるが、私は「和らぎの輪」を広げることで国を守ることが出来ると思う。武器は使ったらおしまい。特に核を使ったら、結局自分が破滅してしまう。使えない武器を持とうと言う発想はきっぱり捨てたほうがよいし、核の保持や開発を推し進める他国には断固反対するがよい。(もちろん、やり方には充分智恵を絞る必要はあるが。)私達は広島・長崎での被爆でどれだけの人が苦しみ、死んでいっているかを一番良く知っている民族なのだから。


山口実

P.S.昨夜のニュース23にドイツのヴィム・ベンダーズ監督夫妻が出て、日本の良さは思いやりや古いものと新しいものの調和だと言っていた。外から見るほうがやはり良く見えるらしい。若者には海外に出て生活し、外から日本を見ることを勧める。そうすれば、自分にとって何が大切で、何を守らなければならないかが良く分かるだろうから。

 東京新聞のウェブサイトに「公共事業の3%削減継続」と言う記事が出ている。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20060428/fls_____detail__002.shtml

この「経済財政諮問会議」と言うのは、首相のブレインとして機能しているのだろうか?甚だ疑問である。

 財政が火の車の時に3%はないだろう。談合問題に切り込めば、公共事業費の半減など直ぐにでも可能なはずだ。

 それにしても、言うに事欠いて「生徒数の減少に応じて教職員の人数や給与水準を見直」すだと、子どもの教育の問題が顕著になっている時に、「教員の人数を減らしてどうする?」、「優秀な先生が多く必要な時に教員の給料を減らしてどうする?」 教育の充実は国の発展の為に欠かせないものだ。見直すべきは、何もしない官僚の給与や退職金や人員削減(或いは人員の適切な配置)であろう。(「愛国心」で教育が改革できるなら、学校などはいらない。)

山口実

ICUの桜、前日寝坊してデジカメを忘れたので、急遽「写るんです」で取ったため掲載が遅れました。

ICUの歩道の桜

同級生の熊谷さんと栗本薫(直木賞作家)さん

熊谷めぐみさんと栗本薫さん

栗本さんの社会問題に関する発言には

強い共感を覚えています。

私は睡眠不足のところビールを飲み、

両手に花で少し酔っていますね。(笑)

 「ホリエモンが保釈になる、ならない、なった」とかで大騒ぎするマスメディア。本当に嘆かわしい。

米軍再編問題や共謀罪の採決や教育基本法の本国会上程など、これからの日本の行方を左右する大問題が急激に進行しているというのに、謂わば過去の反面教師のたかが保釈の問題で、記者たちが200人も押しかける。もっと先にやるべきことがあるだろうに。

 5年の総括の一つに政治の「劇場化」「ワイドショー化」と言う大きな問題がある。また、それに合わせてジャーナリズムも堕落している。政治が一般市民に近づいたと言う評価もあるが、人気取りや大衆受けは吉本の芸人さんに任せておけばよい。「女性週刊誌やスポーツ新聞に受ける政治」を目指すから、ヴィジョンも理想も「クソ食らえ」と言う話になる。国民が賢くならなければ、どこまで落ちるか分からない。

 一方で、保釈がなぜ今なのかも分からない。司法が、国民の目くらましの為に、行政に媚を売っているようにも見える。民主主義の基本は三権分立と思うが、立法はとっくに行政に擦り寄っており、司法の判断もとみに行政よりに変わっているように思える。どう考えてもおかしい。おかしいと思わない国民が一番おかしいのかも知れない。

 国際的な対立や国家経済の破綻、それに環境破壊が進む中で、今こそ衆知を集めてことに当たらないと行けない時に、思考を停止しては、先にあるものは破滅しかないと考える。

山口実

P.S.朝日のウェブサイトに、「イラクで伊兵士ら4人爆死 次期政権内に『即時撤退』論」と言う記事が掲載されており、その中で「急進派の緑の党」と言う表現があったが、はていつから緑の党が急進政党になったのだろう。朝日の右傾かもここまで来たかと空恐ろしくさえ感じる。

http://www.asahi.com/international/update/0427/016.html

この5年間「改革」と言う言葉がもてあそばれて来た。

果たして「改革」とは何ぞや?

三省堂の大辞林によれば

(1)基盤は維持しつつ、社会制度や機構・組織などをあらため変えること。
「役所の機構を―する」
(2)よりよくあらためること。
「お花は家政の―を名として/姉と弟(お室)」


改革とは「基盤を維持しつつ、社会制度や機構・組織などをより良くあらためる変えることである。」

改革と破壊とは違う。よりよい制度や機構・組織に就いてのヴィジョンがなければ、単なる破壊に過ぎない。つまり、このヴィジョンのなさが、現政権の致命的な欠陥と言える。また、「官から民へ」と言いながら、「官僚」を守り、それに頼りきっている点も大きな問題である。

しかも「改革の仕上げ」が、公務員を5年間で5%削減と言うのだから、「改革」が聴いて呆れる。(40年で定年を迎えるとしても、計算上自然減だけで2.5%の自然減がある。民間の多くはただ呆れている。)

この5年間の問題点を少し考えてみよう。

A)外交

・外務省改革はどこへ行ったのか?概ね自分達のことしか考えず、情報収集能力と行動力のない「外務省」のお役人達とその組織の改革はどこへ行ったのか?もし、素晴らしいリーダーがいたとしても、入って来る情報が間違っていれば、判断は間違う。

・国連安保理常任理事国入りの問題はどうなったのか?あれだけ札びらを切り、各国駐在日本大使達を招集し、総動員体制をかけながら失敗したのだから、そのことに就いてのしかるべき説明が国民にあって当然である。そう、小泉改革のもう一つの欠陥は国民に対する説明責任を果たしていないということだ。

・ギクシャクした外交は大きな問題である。東アジア諸国との関係、イスラム諸国との関係は最悪と言える。米国との関係にしても、ブッシュ政権が崩壊すればどうなるか分からない。特に、極端な対米追従が日本の外交の貧困を招いていると言える。

・安保政策 しっかりしたヴィジョンのない対米追従の安保政策が、更なる財政負担を招いている。

・テロ対策に名を借りて、国際紛争の火種をばら撒く米国をひたすら支持すればどうなるのか、国民の立場に立って考えるべきである。

B)内政

・税制の不平等 大企業ばかり焼け太って、国民には重税を強いる。税制の不平等を改革することなくこの国の再生はない。

・金融政策 これまた大企業やサラ金のような儲かる会社を優遇する銀行を野放しにし、外資に頼る(or 外資を助ける)金融政策は大きな問題である。

・不良債権の処理はまあ良しとしても、残った国の債務はどうするのか。デフレ脱出を叫ぶが、利上げになった場合の国債の利払いは大きな負担となる。

・社会保障 世界に有数たる経済大国が社会保障は欧州の諸国にはるかに及ばない。改革は社会保障を充実させることから始めるべきである。

・労働力の確保 将来の少子化への対策が殆ど取られていない。付け焼刃の給付金を払うだけでは快活で着ない。女性の社会進出、中高年の労働力活用、外国人労働者の雇用対策、どれをとっても不十分としか言えない。

・治安の悪化 この問題も改善すべき非常に重要な問題である。

・環境問題 地球温暖化の問題で、日本は米国と中国の首に鈴をつける役を果たすべきだ。

・役所の改革の問題、看板だけ民営化しても、実質的な改革がなければ、組織の温存でしかない。道路公団しかり、郵政しかり。ヴィジョンの描けぬ「改革」は、改革にはならない。

・自己無責任 自己責任を云々する前に、行政は自己責任を果たせ。保身の為に、国民にその責任を果たさぬ役人は"公僕"としての原点に戻れ!


まだまだ問題はあるが、ことほどさように改革のやり方を間違ってはいけない。もう一度言うがヴィジョンのない「改革」は破壊でしかない。5年間小泉内閣が、破壊を進めたことだけは認めよう。

山口実

 掲題の記事が、朝日のウェブサイトに掲載されている。

http://www.asahi.com/international/update/0426/017.html

 米国は、自分で自分の首を絞めているように思える。2001年1月にゴアではなく、ブッシュを米国大統領に選んだことが、世界の悲劇の始まりのように思える。

 そして、その米国に盲従する日本政府。国民は苦しみ、一部の政治屋達と大企業が潤う世の中。自信のない若者たちは、「勝ち組」に憧れているが、自分達の将来像さえ描けないでいる。また、多くの国民は「改革」の名の下に、情報は偏り、どんどん統制されて行っているのに気が付かないし、反対もしない。

 米国との心中騒ぎで、気がついたら日本だけ死んでいたと言うことにならないように国民がもっと頭を使い、声を上げるべきだと思う。

山口実

P.S.昨日テレビを見ていたら瀬戸内寂聴さんが「無常」と言う言葉を使われていた。「常ならず」。人間は「常に良い事ばかりがあるわけではない。」 以前予防医学の大切さに就いて書いたが、「常ならぬ人生で如何に助けあうか」を考えることを熟慮することを若者たちに勧める。愚にもつかない強がりを言う前に、「明日は我が身である」ことを肝に銘じることだ。


 「ローレス米国防副次官は25日、国防総省で記者会見し、在日米軍再編全体にかかる日本側の負担について、少なくとも約260億ドル(約2兆9800億円)にのぼるとの見通しを明らかにした。」そうな。

http://www.asahi.com/politics/update/0426/002.html

具体的な説明もなしにどんどん金額が増えて行く。私達国民は、こんな理不尽な負担は断固拒絶すべきだ。そうでなければ、米国政府に際限なく国防費の肩代わりを要求される。どんどん増税が進み、若者の未来は限りなく暗い。

 多くの若者達はいい加減に目を覚まして、他人事のような物言いや勇ましい言動は止めるべきだと思う。なぜなら多くの負担が自分達自身の肩に重くのしかかって来るのだから。

山口実