Dustbin of Life -16ページ目

Dustbin of Life

Don't think.FEEL!
It is like a finger pointing away to the moon.


 きらめく初夏の日差し。爽やかな水草の香り。永遠を約束するかのような川のせせらぎ。大自然が奏でる交響曲。
 マコトはようやく手に入れた自らのテリトリーの中央部に陣取り、周囲を見やった。敷地面積、住処の出来栄え、隣接するテリトリーとの距離感、日当り、夜の静けさ、景色。全てにおいて自らの理想通りだった。
「シーナ」
 マコトは昨日契りを交わしたばかりの伴侶を呼んだ。
「そんなに警戒しなくても大丈夫さ。今日からここが二人の愛の巣だよ」
 恐る恐るテリトリーの中に進入したシーナはゆっくりとマコトに近づき、彼と身体を寄せあうことでようやくその緊張を解いた。
「良い所ね」
 シーナの笑顔にマコトの顔は一層緩んだ。苦労が報われた一瞬。
「ここの住人は強敵だったからね。この辺りで一番の実力者だったみたいだ」
「あなたを誇りに思うわ」
 シーナはそう言うとマコトの頬の真新しい傷口にキスして、軽快に新しいテリトリーを駆けめぐった。
「ここは新しい寝床を敷こうね。ここは……」
 マコトはささやかな望みを嬉しそうに伝える女性を眺めるという、男にとってこれ以上ない幸福な時を得ることで、ここまでの人生における目標を達成した充実感を、永遠に果てることの無い責任感へと転化していった。
「いいさいいさ。シーナの好きなようにすれば良いんだから」
「そんなこと言わないでよ。ここはあなたの家なんだから」
「おまえの好きなものが、俺にとって一番くつろげるものなのさ」
 それは実感だった。これまで持っていた些細なこだわりや、自己満足を促すような思考が薄まっていく。何かを発散することで得られていた心の力が、何の変哲もない時を過すことだけで得られていく。
「死ぬまで一緒よね」
 シーナは少しはにかみ、マコトは微笑んだ。
 何かを失うことに怯えがちな若い男は自らが手にした人生の全てと思えるもの。しかし、マコトは意外にもその存在こそがあらゆる恐れを払拭するのだと感じた。
「一生、俺がおまえを守るよ」
 マコトはシーナに言ったそんな陳腐な言葉の本当の意味を感じた。全ての責任を負うという重大さとそれがもたらす奇妙な気楽さ。
「陽が落ちるまでに寝床を作りましょう」
 シーナはゆっくりとマコトに近づき、若草の香りでマコトの気を誘い、衝動に堪えながら上空を見上げたマコトは呼吸を整えながらシーナに続いてテリトリーを後にした。
8月だというのに、遊びに行く予定が何もない。
それ以上に仕事の予定ばかりが詰まっていく状況だ。
「夏休みをとるように」
という上司の言葉に苦笑いをした。

仕事の出来と人生の充実感は連動するものだ、みたいなコトを誰かが言った。(野村監督あたり)

「誰のために仕事をしているのか」
ということが判りにくい俺のような仕事にもあてはまるのかは、自分で実証しなければならないのだろう。





夏休み、9月にとることも可能なのだが、9月は祭日が多くて取れそうもない。
金に換えてくれって感じだ。
できれば、現金支給で……orz
ブログを書かない代わりに、昔書いた短編小説をUPするという暴挙に出た。
しかし、こんな暴挙など他愛のないものだ。


人生の中で、ここ一番の勝負をする時があるもので、それに勝てる人間は素晴らしいと思う。

勝ち負けについての名言
「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」

負けるやつは、負けるべくして負けるんだよ。

がんばれアリーナ。
勝利は目の前だよ。
「さようなら、みなさん。ありがとう地球よ」
 発射ボタンを押した瞬間、ヤマシタは轟音と伴に地球に向かって伸びる青白い光線を確認したが、発射の反動で激しく頭部を揺さぶられ、しばらく意識を失ってしまった。
 意識が戻ったとき、ヤマシタは目前にあったはずの地球の消失を確認し、湧き上る興奮と達成感に打ち震えた。研究成果を実証することで直接未来に関わることができなかった歴史学者にとって、この出来事は至高の喜びだった。
「ついに、ついに、私の研究は結実したのだ」
 その言葉に反応する者があるはずもなく、余韻に浸るかのようにしばらく思考を停止させたまま漆黒の宇宙空間を眺め、自然に流れ出した涙を確認した。これは何の涙なのか、ヤマシタは困惑した。
 達成感と喪失感のグラデーション。身体中で感じる静寂は歓喜を減退させ、歓喜の減退は狂気を打ち消していった。想定外の喪失感が増幅していくことで、ヤマシタは不安を覚え始めていた。死の恐怖をかき消す狂気。自らの研究を結実させた狂気の減退が、単純に死の恐怖を蘇らせていった。
「歴史書の最後を飾るのは、私なのだ」
 狂気を呼び戻そうと叫んでみたが、その言葉の虚しさが余計に喪失感を際立たせ、意識を侵食してくる不安に溺れそうになったとき、ヤマシタは腹部に激しい痛みを感じた。
 ガン細胞がもたらすその痛みに、ヤマシタは初めて感謝した。これまで苦しめられてきたこの痛みが、迫り寄る不安を押し戻し、最後の仕事への責任感を呼び起こしてくれたのだった。ヤマシタは地球最後の場面を書き残すため、そして本当の達成感を呼び戻すために、船内に設置していたカメラの映像を急いで再生した。
 青い地球。その青よりも少しだけ薄い色をした光線。地球に向かってその光が伸びるや否や、光が画面全体を覆いつくし、一瞬にして画像は漆黒の宇宙空間を映し出した。ヤマシタはその映像を何度も繰り返し眺め、地球最後の姿を如何に美しく描くか、そこに人生最後の気力をその一点に集中しようとした。
 地球の青と漆黒の闇が繰り返される映像が光源となって、船内はストロボを焚いたダンスホールのように点滅し、そのリズムに乗じて喪失感の増幅速度が加速していき、それでヤマシタは焦燥感に苛まれた。
 ヤマシタは抗うように一度目を閉じた。青い地球の美しさと壮絶な光だけをイメージしながら最後の1ページの文章を組み立てると、目を見開き、一気にそれを書き上げ、「願わくば、この歴史書が誰かの手に渡ることを望む」
 その一文と己の署名を書き込み、書きあがった歴史書を激しく閉じてみたが、何の感慨も生まれなかった。
 これが地球の遺伝子。そう呼んだ歴史書は、ただの物体にしか感じられない。自分に向かって反応もしてくれなければ、周囲に反応してくれる者もいない。
「誰か……」
 不意に出た言葉にヤマシタは狼狽した。その言葉で自らの喪失感の意味を知った。死を受け入れるための行動だったのに。孤独は慣れっこだったのに。そう呟き、振り払うように席を立ち、歴史書を抱えて居住モジュール入口付近にある自殺用カプセルへ向かった。
 早く死のう。これ以上思考が進まないように、早く死のう。カプセル内のボタンを押せば、ガスによって苦しまずに死ねる。ヤマシタは呪文の様に何度もそう呟きながら、ガスの噴射ボタンを押し、その場に臥せこんだ。
 ガスが噴射される音を聞くことで安心したヤマシタは目を閉じ、津波のように押し寄せる心の叫びに身を任せた。
 誰かに自分の最期を看取って欲しい。自分の存在が誰かの記憶の中で留まっていて欲しい。この歴史書は、自分の想像の及ばない場所で何かを伝えることはできる。しかし、そんなことでは死を受け入れることはできないのか。人は、残された誰かの存在がなければ、自分の死を受け入れられないというのか。
 子孫を未来に残すこと、生きた証を何かの形にして社会に残すこと。自分が死んだ後の地球に伝えられる何かがあるからこそ、それを求めて人は生き、死を受け入れられるということか。死を受け入れるために必要な『約束の地』を、私は自ら消し去ったというのか。
 ヤマシタは地球という星の上で繰り返されるはずだった生命の連鎖を想像することで、身体の中心部から拡散するような悪寒を感じ、逃れるように目を見開いた。流れ出る汗と涙が宙を舞い、それに視線を移すことでガスの噴射が停止していることに気づき、背後から焦げ臭さを感じて振り向いた。
 最終兵器の発射ボタン付近から激しく火の手が上がるのを確認したヤマシタは、混乱と失望の中、宙を舞う火の粉に何の反応もできず、歴史書に火が燃え移った瞬間、一気に発狂した。

「いやあ、凄い勢いで飛んで行ったな」
 クーガーは満足気に言い放ち、大型モニターが青白い光に包まれた瞬間、モニターを見つめながら床にへたり込んだアンジェラが、声を震わせ、上目遣いでクーガーに尋ねた。
「あれは何だったの?」
 アンジェラの言葉に、クーガーは周囲を見渡し、ニヤリと笑みをこぼした。
「博士の言った最終兵器は……」
「よく考えてごらん。そんなものあるわけがないだろ。あれは、私が作った話さ。そしてそれとなくヤマシタに伝えたのも、当然私さ」
「博士は……」
「今頃、太陽系の外かな。そろそろガス自殺を図って、そして焼死してるだろう」
 クーガーは真顔で言い切って、笑みを浮かべた。
「実は、スペースフロンティアの高速廃棄装置の遠隔操作回路が故障しておってな。どうやって装置を作動させるか、悩んでいたのだよ」
 アンジェラに手を差し伸べ、立ち上がらせたクーガーは、机上のミルクティーに手を伸ばして続けた。
「自費で宇宙まで行ってくれたし、言うことなしだったな、ヤマシタは」
 ミルクティーを口に含み、冷えても香るこのアールグレイの茶葉の質に満足したことを周囲に伝えるために、顎を二度振りながらカップを回したクーガーは、
「エンジンが噴射した光を、地球を消滅させる光線だと勘違いしただろうなあ」
 と、独り言のような口調でそう言うと、自分の作戦への満足を示すかのように、同じように顎を振りながら、アンジェラの頬を伝う涙を拭った。
「しかも、一瞬で太陽系の外まで行ったんだ。信じて疑わないだろ」
「私達も疑いませんでしたよ」
 アンジェラが言うと、私達じゃないよ、主席管制官が笑い声でそう言い、管制室内のすべての職員が声を上げて笑いだした。
「えっ。どういうこと……」
 アンジェラが、完全に毒気を抜かれたような口調でそう尋ねると、
「知らないのは君だけなんだよ、アンジー」
 と、主席管制官が答え、表情を戻して仕事に戻り、クーガーが続けた。
「今回の計画は君の休暇中、全員に発表したものなんだ。南の島の土産話をたくさん聞かしてくれただろ、アンジー。だからそのお返しに、君にだけ計画を話さないでおいて、当日驚かしてやろうってね。ごめんよ、そんなに泣くなよ」

 歴史学者歴30年。世界最高の歴史学者と呼ばれて数十年。ついに私は世界中の歴史を一冊の書にまとめ上げるという偉業を、ほぼ達成いたしました。
 歴史上の謎を全て解き明かさない限り、そのような歴史書は創作に等しい、という意見があります。現在知られている歴史が真実であるとは限らない、ということも承知しております。
 それでは何のために歴史学は存在するのか。それを明確にすることが、世界的歴史学者の使命だと私は考えてきました。そのためには地球の歴史を一冊の書物として残すことから始めるべきだと考え、多くの異論を無視してまで私は執筆を進めてきたのです。
 私はこの十数年間、身を粉にしてこの事業に没頭し、完成を目前にした昨年、思いもよらない出来事に直面してしまいました。しかし、それは私の人生と歴史学の存在理由を明確にしてくれる事件でした。
 私は末期ガンなのです。一年前に余命一年と宣告されたのです。
 昨年末、健康診断を受けた時期に、私はこの宇宙ステーションを持つ国が世界を支配した理由を書き記していました。定説に従い、その部分を書き終えようとした頃、医師からガンであると告知を受けた私は、単純な絶望を体験しました。
 そう。死にたくない、という感情です。朗々と流れるこの日常を壊されたくない、という意味しか持たない、人として最も単純な絶望です。
 私はこれまで家庭も友人も趣味も持たず、ただただ研究に邁進してきました。にもかかわらず、こんな幼稚な絶望に苛まれ、歴史書の執筆に力が入らなくなったのです。私は自
分の愚かさを嘆き、打ち拉がれました。
 そんな時、偶然にもこの宇宙ステーションの秘密、衝撃の事実を知ってしまったのです。
これが私の幼稚な絶望に光をもたらせました。私は、単純な絶望にこれまでの人生の全てを吸い取られてしまうところでした。人生を捧げた歴史学を捨て去るところでした。この事実を知ったとき、とにかく私はこの事実を歴史書に書き記し、世界に公開したいと思ったのです。
 この兵器の存在を知っているのは、ごく限られた人間だけです。宇宙ステーションを持つ国の首脳と、その国の支配下に置かれた国の国家元首だけ。この兵器による支配を受け入れなかった国は、全て地図の上から消え去りました。
 この兵器の秘密を公表しようとした者は、それが自国の大統領であろうが大統領候補であろうが全て抹殺されています。またこの秘密を知ってしまった民間人は、大統領の愛人であった女優であろうと、平等を訴えた黒人牧師であろうと完璧に抹殺されています。愛と平和を歌ったロック歌手も、超人的な運動能力を備えたカンフースターも同様の最期を迎えましたし、王室に嫁いだ女性さえも、王室を離れた後に殺されました。
 私は死を目前にした人間です。暗殺されることなど怖くありません。しかし、この事実を記した歴史書が闇に葬られることに怯え、それでも私は必死で執筆を続け、同時にこの歴史書を確実に公表できる方法を探り続けていました。
 しかし、そこで私は再び深く絶望したのです。それは、死にたくない、という人としての単純な絶望感ではなく、世界の歴史を知り尽くした者だけが持ちうる絶望感なのです。
 歴史学を極めた者が、未来に自分が知りえない歴史が存在することを許せる訳がないのです。この歴史書、今は生きていますが、私が死んでしまったら、一緒に死んでしまうのです。この続きを私は書き足せないのです。歴史学者として、そんなことは許せないのです。皆さんだってお気に入りの連載小説が結末も迎えずに終わってしまったら、歯がゆい思いに苛まれるはずです。私にとって歴史とは、お気に入り、というレベルではありません。人生そのものなのです。
 私はもうすぐガンで死ぬのです。暗殺など怖くないのです。でも、この事実が伝えられないことと、私の死後に流れる歴史が怖いのです。せっかく書き上げたこの歴史書を発表できないなんて、許せません。そしてこの事実は、私が発表するだけでは何の根拠も持たない、単なる歴史の謎で終わってしまうのです。この事実を実証する必要もあるのです。
 私は気づいたのです。私がこの秘密を掴んだ歴史的意味を。この歴史書が本当の意味で完成され、そして永遠に生き続けるためには、私の死よりも早く地球の歴史が終わってしまえば良いのです。地球が消滅した後に私が歴史書を書き上げ、宇宙に存在していれば良いのです。
 この事実を知り得たことは、歴史学者にとって、完全なる勝利です。そう、地球の歴史を終わらせることこそ、天才歴史学者の本当の使命だったのです。そのためにこの宇宙ステーションと、この最終兵器は存在するのです。
 これが本日で地球の歴史が終わってしまう理由です。
 確かにこれは一人の学者のエゴです。しかし、学術的な大発見が人類に不利益を与えたことなど、歴史上たくさんあったはずです。それと一緒なのです。これまで、どれだけ多くの科学的成果が地球を犯してきたことでしょう。
 みなさん、46億年続いた歴史の最期を体験できるのです。なんて素敵なことでしょうか。歴史学の成果が地球を犯す代償に、人類が平等に最上級の快楽を味わえるのです。
 私たちはいつか死んでしまう儚い生き物です。しかし、この歴史書は我々人類の遺伝子として、永遠に宇宙で生き続けるのです。その栄光の瞬間を皆さんは体験できるのです。
 私は、地球最期の姿を歴史書に書き残さねばなりません。歴史学者として、自分の星の最後を書き留めることが出来るというのは、この上なく光栄なことでもあります。私が地球の最後の生命となるなど、おこがましい気持ちにはなるのですが、この偉業の対価として、このくらいの栄誉は与えられるべきではないでしょうか。
私には家族がおりません。世間的な幸福に目もくれず、地球の歴史を紐解くことでだけで快楽を得てきた人間です。ですから生命が子孫を残すことの価値と快感をこれまで体感したことがありません。しかし、この歴史書こそが私の子孫だと考えれば、世界中の多くの人々が感じてきた、子孫を残すという価値と快感を理解することができるのです。
 そしてこの歴史書は私一人の子孫ではなく、人類全員の子孫でもあるのです。宇宙空間で永遠に生き続ける地球の遺伝子なのです。私たちはついに永遠を手にしたのです。
素晴らしきかな、素晴らしきかな、永遠の命。さあ、皆さん、この幸せを伴に分ち合いましょう。


(明日が最終話)
『死期の迫った歴史学者に注意せよ』


「これから地球を破壊します」
 宇宙ステーション『スペースフロンティア』を乗取った世界的歴史学者ヤマシタは、一冊の分厚い本を小脇に抱え、ライブカメラに向かって全くの無表情でそう宣言した。
「これをもって、地球の歴史はその幕を下ろすことになります」
 宇宙服から伸びる首はまるで浜辺に打ち上げられた流木のように生気がなく、無重力空間の影響で膨張している眼球はひどく充血していた。震える頬の皺は、エイリアンにでも操られているかのように不快な波長で揺らめき、彼の異常さを完璧に演出した。
「狂ってるな」
 宇宙ステーション管制室長クーガーは、旧知の仲であるヤマシタを映し出す管制室内の大型モニターを見て、そう呟いた。
「先週退役したばかりのこの宇宙ステーションには、地球を一瞬にして消滅させる最終兵器『ネオビッグバン』が搭載されているのです」
 その言葉に宇宙ステーションの地上管制室はどよめいた。しかし、クーガーだけは不敵に笑い、その表情を見た彼の秘書官であるアンジェラは、発射装置らしき赤いボタンを誇らしげに掲げるヤマシタ以上に、自分の上司に恐怖を覚えていた。
「そして、このボタンこそが、その最終兵器の発射ボタンなのです」
 本当なのですか、とアンジェラはモニターから目を外してクーガーに尋ねた。いつもならクーガーの呼吸を読み取り、完璧な間合いで発言する優秀な女性秘書官が激しく動揺していた。しかしクーガーはその問いに答えようともせず、彼女の肩を叩き、ヤマシタを映し出すモニターを指差し、博士の言葉を聞くように促した。
「何故、地球が消滅しなければならないのか。世界中の皆さんには知る権利があります」
 お前に何の権利がある、と主席管制官が吼え、こんな映像を世界に流せるわけがないじゃないか、と若い事務官が悲鳴を上げた。
 室長は博士の友人ではないですか、説得しないで良いのですか、というアンジェラの声にクーガーは、
「無駄だ」
 と首を振った。
 罵声が飛び交うなか、アンジェラは両手で口元を覆い、足を震わせながら博士の言葉に耳を傾けた。
「世界中の皆さん。どうか冷静に、私の言葉を、最後まで聞いてください」

(明日につづく)
Clockwork orange(時計じかけのオレンジ)が日本で舞台化されるらしい。

主演は「小栗 旬」だってさ。

「中学時代にこの映画を見て、衝撃を受けました」だって。
そりゃそうだろうね……

中学時代にこの映画を見るなんて、良いドルーグに恵まれたもんだね。


彼はホラーショーな役者みたいだから、結構イイ線いけるんだろうけど、映画を見る以上にカッター銭を払う価値はあるのかな~


きっとたくさんのデボチカが舞台をビディーするんだろうね。
小栗君が「雨に歌えば」を歌いながらトルチョークする姿をビディーしたデボチカ達は、いったいどんな気分になるんだろう。
ルートヴィヒを聞きながらイン・アウトするコトを想像するデボチカがいたら、たいしたもんだね。
嫌いじゃないよそういうの。




今週末、映画を見ようかな?

ライティ・ライト?

人生において
「これをどう表現したら良いのか」
という瞬間が訪れることがある。

ある程度の年齢と経験を重ねた上で、自分の人生に起き得ると想定していなかった出来事に接すると、やけに冷静にうろたえるんだな、ということが今日わかった。


過去を大切にしても、過去を悔いることが無意味だということは十分に判っているから、こういう反応になったんだろうか。
ただ単に鈍感になったのか、実感がわかないだけなのか?
これを「老い」というのだろうか?



「おめでとう」
って素直に言えるし、俺は笑顔だ。


「誰もが幸せになれればいい。それが可能だと信じたい」

今の気持ちを表現するには、これが精一杯かな。