前回まで、着物の証紙の基本的なことをまとめてみました
その情報をもとに、自分の着物と帯をみてみることにしました
証紙らしきものは、紙やシール、生地にスタンプされたものなどあり
生地によっては、スタンプの内容がよく見えなかったりするけど
今回は、大まかに産地の登録商標などを読み解きます
例1.
伝統工芸品マークのシール内に「鹿児島県本場大島紬協同組合連合会」と記載
→手織り
・ 産地:鹿児島県鹿児島市→旗印の登録商標(証紙)
登録商標に旗印の真上に「合格印」の押印あり、通し穴がパンチされている
・ 左側の四角の欄には、右から順に
純絹織物、本場大島紬検査之証、製造元(○○、と押印)、
摘要(検査合格△△、と押印)その下に W✖✖✖✖(6桁の数字)
隣は上から、品質表示 絹100%と記載され
その下は右から、織上げの長さ~〜以上、織上げ~〜以上 と記載
・右側に、伝統工芸品マーク(鹿児島県本場大島紬協同組合連合会発行)が貼付
・反物に直接、「本場大島紬と旗印」の織口文字・本場字と
「優粋」と各製造元・織元の織口文字(個人織口文字)が織り込まれています
この〔個人織口〕は、上記の四角の欄の〔製造元に押印された名前〕と同じです
↓
1.産地の登録商標:鹿児島県鹿児島市、本場大島紬織物協同組合発行
2.織元:優粋
3.伝統工芸品マーク:あり、鹿児島県本場大島紬協同組合連合会発行
4.織り方:手織り(伝統工芸品マークに記載)
5.品質表示:絹100%
6.染め方:絣糸が泥白、地糸が泥染め
摘要の検査合格の箇所は、△△さんが検査を行い、押印をしたことを表し
W✖✖✖✖はシリアルナンバーみたいなものを表している、と推察します
例2.
・ 台紙の色:オレンジ色→機械織り(絣合せの技術を要しない)
経産省の伝統工芸品の技術基準の認定・指定を受けてない
→伝統工芸品マークは付与・貼付されていない
*ー方、例1は伝統工芸品マークの貼付有
・ 産地:鹿児島県鹿児島市→旗印の登録商標(証紙)
・ 左側の四角の欄:例1と重なるヶ所は省略
製造元:大島紬美術館
・右側に、金色の「正絹シール」が貼付
・反物に直接、「本場縞大島」の織口文字と個人織口文字が織り込まれている
・左側に、「古代染色純植物染め」の証紙に「植物名:琉球藍」と記載
↓
1.産地の登録商標:鹿児島県鹿児島市、本場大島紬織物協同組合発行
2.織元:大島紬美術館
3.伝統工芸品マーク:なし
4.織り方:機械織(伝統工芸品基準ではなく鹿児島県の基準に依拠)
5.品質表示:絹100%
6.染め方: 絣糸・地糸共に草木染色
本場縞大島は、糸や織組織などは本場大島紬と同じだが
伝統的工芸品の「本場大島紬」のような絣を合わせる緻密な工程や技術を要さず
絣を合わせのない縞や格子を用いて織り上げることが特徴
縞大島は基本的に地糸のみで織られので「絣締め」の工程は不要
また、購入時のメモによると
草木染めはテーチ木(車輪梅)以外の草木などの天然染料で行う染色方法、とのこと
物教室では、「大島紬は先染めの手織り」と着散々言われていて・・・・
すこし混乱・・・こんがらかる・・・・
例1と例2で頭を使ったので、もっと話分かりやすい例として
例3.
・ 産地:登録商標はなし、丹後織物工業組合検査合格証印あり
・ 日本の絹マークと、丹後織物工業組認定の丹後正絹のスタンプあり
織元は、丹波織物工業組合のホームページに
織元・生地および製品メーカーの一部が掲載されています
↓
1.産地:丹後地方
2.織元:丹後地方の織元(丹波織物工業組合に加盟・入会)
3.伝統工芸品マーク:なし
4.織り方:記載なし
5.品質表示:絹100%
6.染め方:記載なし
いわゆる紙の証紙ではなく、生地にスタンプのパターン
産地と品質、特に織物工業組合認定という情報が分かる
以上
慣れない読み取りに頭を使い~ちょっと疲れました
当たり前の方々には当たり前で
どうでもいいことかも知れないけど・・・ね