極私的映画と音楽のススメ -9ページ目

極私的映画と音楽のススメ

印象に残る映画には印象に残る音楽がある。
思い出の名場面に流れていた音楽、言葉などをご紹介

君を忘れない
¥3,591


俗に言うトレンディドラマの延長のような映画・・

と言いながらも、割と良い映画なんですねこれがまた。



大河ドラマの新撰組のように、特攻隊士を悲惨さではなく
青春活劇的に気持ちよく描いたのが、その要因。



戦争ものというと、どうしても、”悲”という漢字を
連想してしまいますけれど、さわやかな気持ちになるのは
それが要因。



とはいえ、戦争への疑問を投げかける場面もありますので
あの時代の不条理に思いを馳せ、なんでこんな時代が
存在していたのか・・って結構考えてしまいます。



戦争、原爆などの悲惨な事件も、その悲劇性ばかりを
クローズアップするのではなく、この映画のような見せ方を
することも必要なのかなあと、、、表現について考えてしまいました。


告発の行方
¥3,761


うーん、確かにこれはこれで、意味のある映画だとは思いますが、
ジョディ・フォスター自身がキケンな場所に行ってしまっているので・・

うーん。


ただ裁判に取り組んでいく過程、
女性弁護士の奮闘と、こういった事件への問題提起という意味では
成功しているのではないでしょうか?



繰り返して見たい映画で、ないですが、
この映画の意義を感じたいです。

クリスチャン・スレーター/告発/UNPD-12516
¥1,800


監獄ものでは白眉です。


最近とある刑務所での虐待が問題になってましたけど

まだまだ、表に出ていないことってたくさんあるんでしょうね


特にこの映画のような時代だと、

一層ひどいものなのかもしれません。


ショーシャンクも、プリズンブレイクももしかすると

その内実の真の姿を描いていないのかもしれないですね。

(もっとも主題は、そこには、ないのですが)


人が本当に何を恐れるのか。


その恐怖を操ることができる看守という存在と

ただ従うしかない犯罪者


もちろん、犯罪を犯しているのですから

この場所にいること自体を非難することはできません。

それは当然のこと


だとしても、ここまでの恐怖を意図的に与えることは

ないんじゃいかと、ケビン・ベーコンの演技を見ていると

そんな風に思えてきます。


繰り返しますが、彼がここにいるのは、彼の犯した罪によるもの。

それじたいは肯定されるべき。


しかし・・


というところがこの映画のポイントでしょうか。




ガス燈
¥298
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かのイングリッド・バーグマンが、純朴な婦人を演じる作品です。


印象的なのは、霧深い街並みに、ガス燈が灯りあたりを

ほの明るく照らしていくシーン。



サスペンス形式の映画ですが、

この灯りが、希望の灯という意味だけじゃなくて

謎の解決を示唆しているというのは、読みすぎですかね。


何はともあれ、明らかに悪人顔の主演男優(ジャケットにいます)に

だまされていくイングリッド・バーグマンですが、あまりにも

純朴すぎて、そこまでだまされなくても・・

と思ってしまうんですが、霧の中にたたずむ姿はやはり奇麗です。



ひさびさのイングリッド・バーグマン主演作の紹介でした~

バーバー 2枚組DTSスペシャルエディション〈初回限定版〉
 
¥4,441

この映画、すごいなあと思うのは、全編を覆う
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「悲愴」や「情熱」やらの音楽と
さえない床屋の人生が、妙にマッチしているということ。


たんたんと彼の人生に転機が訪れ
たんたんと彼の人生の転落が始まり
たんたんと彼の人生は終焉を迎える


まさにたんたんと、彼の人生の終着点までを描き出していますね。


全編をつらぬくピアノソナタは彼の人生への葬送曲みたいなものだったのかも。


恋する惑星 デジタル リマスター版
¥3,591


クランベリーズのDreamと、

夢のカリフォルニアがとても印象的な作品でした。


前半は、金城武とブリジット・リンの一瞬の邂逅。

なんか、こう、一瞬だけ距離が狭まって

一夜明ければまたもとの距離に戻っていくっていうのは

なんともいえず、実の世界でも起こりそうで

ものすごく共感できたりする。


あと、この映画、素敵な言葉がちりばめられていますね

「57時間後に恋に落ちる」とか


でも一番すきなのは後半の

フェイ・ウォンとトニー・レオンの会話かな。


「どこに行きたい」「君の行きたいところ」・・なんて

ありえないようで、ありえる!とうなずけてしまう。


いや、こういう瞬間ありましたね。たしかに。


すごーく素敵な恋愛映画だと思います。



マイブルーベリーナイツの流れで、この作品にたどり着いた僥倖を感じるなあ。








しあわせ/アレッサンドラ・マルティネス
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悲しみというものは、乗り越えていくっていう克服の仕方もありますけど
それを受け止めていくっていう克服のしかたもあるんですね。

それに偶然性に満ちた必然。

そういうものは確実に存在していて、

それは、きっと、この映画の主人公のように悲しみを受け入れていこう
という風に、ポジティブマインドで前に進みだすときに、顔を出すんでしょうね。



過去と他人は変えられない、未来と自分は変えられる



この映画を見ていると
こんな言葉が、ものすごく現実感を伴ってきたような気がします



監督は「男と女」のクロード・ルルーシュ。
10年ほど前に見た映画ですが、又見てもおもしろいかな。



カミーユ・クローデルはフランスの彫刻家


ロダンの門下生になりますが、やがて自然と愛し合う仲に

19世紀という時代背景もあったのでしょうが、なかなか女性芸術家は

みとめられない。


でも、きっとほとばしるような、インスピレーションは

後から後から湧いて出てきていたのだと思われ・・


通常、こういうとき、ロダンは彼女を受け止めるべきでした

でも結局彼女を捨ててしまう



ほとばしるようなインスピレーションの源が愛情であり

その行き着く先が作品なのだとしたら

愛情が枯渇した瞬間、彼女自身も強制的に

亡き者となってしまた


そして、行き場を失った、溢れんばかりのインスピレーションは

逆流して彼女の内部へと向かう・・


そして・・・・・



イザベル・アジャーニというとどうもサブウェイのぶっとんだ女が

印象的ですが、このカミーユ役は、はまり役ですね。



次第に意識が、もやもやのなかに、まどろみかけていく過程での

言動、行動。自分の作品を壊していくさまは、はたからみると

くるって居るようにしか見えないんだけど、きっと心は正常だった

んだと信じたいですね。


その行動は、行き場を失ったインスピレーションによるもので

その行動を制御するには、あまりにも彼女の心は傷ついていた・・



あまりにも物悲しい物語。

あまりにもフランス映画チックな展開ですが実は実話。



けっこう悲しいので、心の準備をしてからご覧になってください~




マリアンネ・ゼーゲブレヒト/バグダッド・カフェ 完全版 デジタル・ニューマスター
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いつかかいだような匂い
そんな匂いを思い出してしまう映画ですね。

こういう荒涼とした風景って
日本で見られないのに、すごく不思議です。

で、ふと思ったんですが、
この映画は、その現場に漂っているであろう
匂いを画面を通して感じさせてくれる映画なんですね。

僕は真夏のスペインなど南ヨーロッパで過ごした
経験がありますが、その日差しの感覚と
あの大地の匂いを思い出してしまいました。

まるで蜃気楼の中にたたずんでいるかのような
街並みや登場人物たち。

いっけん、浮世離れしているんだけど
何故か身近に感じてしまう。

蜃気楼の中に見えている風景って、
実は自分の憧憬が映し出されているからなのかもしれませんね。

この映画の主題歌の「Callig you」
まさに我々をこのゆらめく世界に、いざなおうとしているかのようです。

ゆーったりと時間がすぎていく。
そんな時間を過ごしたい方にオススメです。

バグダッド・カフェ/サントラ
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ウォルター少年と、夏の休日 コレクターズ エディション
¥4,441



青春というのは、心の若さだと誰かが言っておりました。


まさにこの映画のおじいちゃんがその言葉を体現してくれています。



この映画をみて思ったこと。


こんなおじいさんになりたいなあということ。


だって人生を本当にたのしんでるんだもの。



夏休みを利用して、おじいさん宅を訪ねるウォルター少年。

その少年におじいさんは昔話を語ります。

若いころの武勇伝、恋愛話などなど、ちょっと聞いただけでは
「それって、ほんとう?」と思うような荒唐無稽な話ばかり。



でも、おじいさんと毎日をすごす少年の顔には
次第に笑顔がもどってきます。
少年特有の夢見る気持ちと一緒に・・




僕は自分の父と、祖父を思い出してしまいました。
子供のころ、自分の知らないことをたくさん知っている彼らの話を
聞くのがたのしみでしょうがなかった。


みなさんそんな経験ありませんか?



だれもがもっていた空想する力。夢見る力。
それを取り戻せたような気がする、そんな映画です。



青春という言葉は若者だけの特権ではないのでしょう。


それは、いつまでも人生を楽しもうとする

遊び心を忘れない生き方を称して、青春と呼ぶのだろうと思います。



さて、おじいさんの話はどうだったのか・・
それは映画で確認してみてください。



※このブログは加筆・修正版です

(初投稿:05/8/1、加筆修正:05/10/5、再加筆修正:08/4/20)