極私的映画と音楽のススメ -7ページ目

極私的映画と音楽のススメ

印象に残る映画には印象に残る音楽がある。
思い出の名場面に流れていた音楽、言葉などをご紹介



今度は愛妻家 (竹書房文庫)/入間 眞 中谷 まゆみ
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久々に映画館でなきました。

ほろり・・ってもんじゃなくて、

とまらないかんじで!

妻の写真を撮るときの

夫の気持ちが手に取るように分かって・・

(あれほどまでに悲しい写真の撮影場面って無いと思う)

いろいろ書いていくと内容に触れそうなので

このあたりで。

かなり、素敵な映画です。


今度は愛妻家 (豊川悦司、薬師丸ひろ子 主演) [DVD]/出演者不明
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極私的映画と音楽のススメ



ジム・ジャームッシュの作品。


この映画、まず見とれてしまうのはスペインの風景そのもの。

屋上から見るマドリーの町並み、とある田舎町のさびれた風景、

セビージャなんて町の温度とかが伝わってくるようでした。



その風景を無口にあるく主人公が不思議とはまっておりました。



その風景を背景に、主人公を中心にして、物語は進みます


よく分からない人々が、集まっては、これまた何の関係があるのか

よく分からない話をしては去っていく。



それが映画のほとんどの時間を占めている。



そういう情景から何かを想起させようとするのは

この監督ならではだなあと思いつつ。



実際ものすごく深い意味は無かったりするのだが、ついつい

何かの意味を考えようとしてしまう。




ジャームッシュのファンなら見ておいてもよいと思います。


スペインの風景が、頭に焼き付いて離れない・・




極私的映画と音楽のススメ












おと・な・り [DVD]
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内容としては、普通かなあ。

どうも年をとったせいか、この映画で見受けられる

”奇跡的な”偶然というやつに非現実性を感じてしまうので。




もったいないのは、きっと主題としておきたかったことが

あまり伝わってこないこと。


それ以上に、おとなりとの壁越しの対話だったり、

”奇跡的な偶然”というやつが、主力派になってしまってるのが要因。





伝えたかったことはきっとこういうことかなと。



「幸せをつかむためには何が重要か」・・



幸せということに関して、テーマ設定した映画は

「学校」とか「息子」あたりが思いだされます。

http://ameblo.jp/bluenote7777/entry-10003589072.html

http://ameblo.jp/bluenote7777/entry-10003139633.html




この映画では、それが、自分の心に素直にしたがって

自分を偽らないで、やりたいことをやっていくという姿勢。

(もちろん人に迷惑掛けてはいけないですが)


セレンディピティじゃないですが、そういう気持ちで

日々すごすことが、幸せを呼び込むきっかけになるのだと


そんなことを伝えたかったのかなあと思いました。





あと、最後のエンドロールで、その後の二人の様子を描いた

音声がながれますが、あれははっきりいって蛇足。


部屋のドアがあいて、主役がほほえむ・・その場面で終わらせればよかったのに。










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西田敏行/植村直己物語
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今更ながら、著書を読んで、深い感銘を・・・


映画も西田敏行はまりすぎ


野口健の本を読んでいて彼が、
「植村直己の死は自滅である。遭難する前の2度のトライアルが
失敗に終わり、スポンサーが、さーーーっと引いていったのを目の当たりにして
かなりあせっていたのでは」
と書いているのを読んで、興味を持ったしだい。

自滅・・・厳しい言い方だが、たしかにそうかもしれん。

登山は、登るだけでなく生きて帰ってくることまでを含めて登山であるということを
植村直己は著書や、妻への手紙で書いているが、
そんな彼が、やらねばならない・・などといった気持ちで最後の山に挑戦する・・・
マッキンリーの前に2度の失敗をしているので引き返せない。。。
なんかせつなさを感じてしまった。


なんだかなあ・・・

野口健によれば、
韓国、ロシアの登山部隊は、失敗するとかなりたたかれるので
天候不順でも無理なアタックをしてしまうんですって。。


話題がそれましたが
植村直己のことを調べてみるとものすごく純粋な人だったというのがよくわかる。
就職に失敗して、山に登りたいがために船便(60年代ですから命がけ)でアメリカへむかったり、
ただ、川を下ってみたいという思いから60日間もアマゾン川をいかだで下ったり、
純粋で破天荒な行動力には爽快さを感じるなあ・・


というわけで関連書籍をたーくさん読んでいるところ。




植村直己と氷原の犬アンナ―北極圏横断の旅を支えた犬たちの物語 (ドキュメンタル童話・犬シリーズ)/関 朝之
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エベレストを越えて (文春文庫 (178‐5))/植村 直己
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クライング・ゲーム DTSスペシャル・エディション [DVD]
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奇妙な友情の伝播の話であり、
愛情の伝播の話でもあり。。

実際は、どのような境遇であれシンパシーを
感じることができるという、至極当たり前のことを
カスケードのような友情と愛情の伝播で持って描いた作品


黒人兵士と美容師の関係
黒人兵士とIRA兵士との関係
IRA兵士と美容師との関係


とある誘拐劇を媒介にして
IRA兵士と美容師が出会う。


彼らは命を救い、身代わりとなることで
一心同体になる


その背景としてあるのがIRAなどの過激派運動


男はIRAであることの意義を考えたこともなかったと思う。

でも黒人兵士との出会い、彼女との出会いの中で
何故IRAにいるのかその意義を考えていくようになる。

おそらくは、最終的にはIRAに入ってしまったことを後悔
するようになっていったんだと思う。



確かに人間関係、心情のカスケード、
最終的には同士を裏切っていくその過程は

まさにクライングゲームといえるかも知れない


民族紛争のはかなさを感じしまう・・

東京画 デジタルニューマスター版
¥3,591
小津安二郎へのトリビュート作品。
今で言うとリスペクト!となるのでしょうか。

まだまだ名の知れない時代のヴィム・ヴェンダースが
『東京物語』のイメージを抱きつつ、日本を訪れます。


『東京物語』から30年ほどたった東京。

もちろんどこの世界でも、50年代と80年代の違いは
相当顕著だったと思うので、ある程度の覚悟はあったと思います。
が、彼を襲ったショックはかなりのものだった様子。

この映画で挿入される東京のイメージ(画)は
彼の衝撃度合いを映し出してますね。
(パチンコやら、ゴルフ練習場やら)

小津安二郎の世界が
綿々と続いてきた父権の損失であったとするならば
それから30年後、それは確実に失われかけているのは自明の理なわけで

そんな彼が、小津映画を支えた笠さんと、撮影の厚田さんに
出会うというのは、ある意味救いだったのかもしれません。


古きよき時代と呼ばれるものは
時代の移り変わりとともに、過去のものになっていってしまう

それは当たり前のことではありますが
その当たり前のことに気がついたことが
この後の彼の世界観を作ったのかもしれない。
(実際はわかりませんが、なにかしらの影響はあったんでしょう)


この映画の後に
『パリ・テキサス』や『ベルリン-天使の詩』を見ると
なんとなくそんな気がします。


あと、『東京物語』など小津監督の一連の作品を
見返してみると、彼の衝撃も判るような気がします。


ものすごく純粋なトリビュート作品。
じっくり見てみてください。
 

ヴィム・ヴェンダース コレクション [DVD]
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極私的映画のススメ
永平寺 「104歳の禅師」・「修行の四季」 [DVD]
¥6,126
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坐禅


実際やってみるのとやらないのとでは
印象が違うことが多いですが、これはその際たるものでしょう


すなわち、これは自分と向き合うという姿勢
個人的には何回かの坐禅を通して、深く自分自身を見つめなおしています


とある禅寺の住職の話にこんなものがありました。

生きるということは、それだけで価値のあること。
よく、人は死ぬ覚悟があるというが、死ぬ覚悟があるなら
真剣に生きる覚悟をもてというもの。


生きることは手段ではなく目的であり
普遍的なものなのですね。


先代の永平寺慣主宮崎禅師の言葉にはこうあります

「正岡子規の 「病牀六尺」 という本には
「人間は いつ死んでもいい と思うのが
悟りだと思っておった ところが それは間違いやった
平気で 生きておること が悟りやった」と
分かるか
平気で生きておることは難しい
死ぬときが来たら 死んだらええんやし
平気で生きておれるときは
平気でいきておったらいいのや」


生きることそれ自体がすばらしいこと。


その意味合いをかみしめて
坐禅にいそしんでおります。

禅がわかる本 (新潮選書)/ひろ さちや

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道元「禅」の言葉―ゆっくり読む、ゆっくり生きる (知的生きかた文庫)/境野 勝悟
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オリジナル・サウンドトラック Changeling/クリント・イーストウッド
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クリント・イーストウッドが、また傑作を世に送り出しましたね。


この映画の主題はタイトルの「取替え子」ではなく、

また権力の恐ろしさと、それに立ち向かう力強さでもない。


一番の主題は、希望を持ち続ける女性の姿を描いたということでしょう。




時として権力は、ここまで暴力的になるのか。

映画を見ていて、正直うんざりしてしまう。(映画自体じゃなく、権力の腐敗に関して)


アンタッチャブルのアルカポネと結びついていた裁判官や

ザ・ファーム 法律事務所の腐敗した弁護士の姿が思い浮かびます


これに対して、声を上げて抵抗していく神父。

彼が主人公の女性を後押しする形で、権力VS一般市民の構図が出来上がっていきます



嬉しく思うのは、腐敗した制度を許した国でありながら

その腐敗した制度自体を否定する力がかの国に残っているということでした


サンドラ・ブロックの「インターネット」や

ウィル・スミスの「エネミーオブアメリカ」といったフィクションだったら

制度自体を否定する力の存在自体も虚構だったってことになって

救いようがなくなってしまいますが、現実は、まだ捨てたものじゃないということでしょうか。



とはいえ、女性が権力に勝利したとしても、息子は戻ってこない。

ラストの方で聴衆はその現実と向き合わざるを得なくなる。


ただ。



同時期に疾走していた子供が保護されることで・・

女性に生きる希望が沸き起こってくる


それは、可能性の限りなく低いものかもしれない。

でも、彼女にとっては暗闇に光を照らす希望に他ならない。


その後の彼女の軌跡は描かれないが

おそらくはこの光をきっちりと携えながら

歩んでいっていたはず。



そこに、無償の愛情を感じてしまうし、勇気をもらったような気がした。



目を背けたくなる現実のなかで

光を持ち続けることの重要さを確かに感じることのできる映画でした。




不都合な真実/アル・ゴア
¥2,940
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最近下記の本を読む機会がありました。

一方はグローバルな視点での環境対策をうたったもの

もう一方は、その中で影響が出始めている一部分にスポットをあてたもの。




ハチはなぜ大量死したのか/ローワン・ジェイコブセン
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プランB3.0 人類文明を救うために/レスター ブラウン
¥2,625
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これらの書物を読んでいるとすべてが連鎖しているのが

よーくわかる。


どう対策を練っていくか。。

それを考えないといけない。



不都合な真実も、もう一回見てみる必要がありそうだ。





アメリカ元副大統領
アルゴアによる書籍&ドキュメントです。

語りつくされた感もありますが

二酸化炭素濃度の異常な増加
それによる温暖化
温暖化による氷河の溶解
(北極、南極、アラスカなどの永久凍土)
それによる海水面の上昇


(大陸への影響)
ツバル
:数年以内に沈みます

アラスカ北部の島々
:冬に海が凍らないため冬の荒波の影響をもろに受け
土壌浸食が激しい。とくにここ20年で海岸侵食が50メートル
近くも進み、住民はアラスカ本土への移住を余儀なくされている
ちなみに星野道夫が最初に降り立った島です。

キリマンジャロ
:もう数年で雪がなくなります


(自然災害)
台風
:MITの発表によると規模はここ数年で1.5倍になっているそう。

(疫病)
日本の生産者の話
:南部にしか発生しない害虫、疫病がよく発生する
というのは良く聞く話です。


こういった状況をくいとめるために
我々がしなければいけないこと

1、まずは実情を知ること
知ることから始まります

2、思いを誰かに伝えること

一人ひとりの出来ることは小さいけれども
それが集まれば大きな力になります。

アルゴアの映画、および書籍
みなさんごらんになってみてください。
そして感じたことをご家族でもご友人にでも
伝えてみてください。

一人でも”気づく”人が増えること、増やすことが
誰にでもできる手段の一つかもしれません。


NHKプラネットアースで
見られるような風景はこのままだと
あと50年で大きな変化を避けられないそうです。
少しでも輪が広がれば・・


1930年代にヨーロッパをこれまでの台風とは違う
恐ろしい嵐が襲ったそうです。
それに対してチャーチルは警告を発したが
信じないものもいた。その人たちに対して
チャーチルが語った言葉
「先送りや生半可な対策、聞こえの良い良く分からない急場しのぎ、
遅延の時代は終わりつつある。その代わりに私たちは結果の時代に
入りつつあるのだ。」



(再投稿です 2007/1/21)

イノセンス スタンダード版 [DVD]
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NHKの沸騰都市という番組で、押井監督の製作チーム作成による

アニメーションが流れていました。

東京の未来を描いた秀作かと思いましたが

それをみていて、この映画のことも思い出していたのでした。


そういえば、この映画のことをブログに書いたのもNHK特集がきっかけでした。

というわけで再掲載します。


先日(2006年4月当時)放映していたNHKのプレミアム10「立花隆が探る サイボーグの衝撃」。

技術がここまで進んでいるのかということに驚きを隠せなかった。



脳の電気信号を外部に伝達して、考えるだけで遠く離れた場所の義体を動かせるし
逆に外部の刺激を脳に直接伝達することも可能らしい。


ということは、
体が麻痺してしまった人が、考えるだけでインターネットができたり、
義手でモノをつかんだり出来るし、しかも、そのつかんだ感触を
感じることもできるということ。


失明した人が、モノを見ることが出来るようになることも可能だ。
(実際は見ているように感じるだけだけど)




人間と機械の共生。




これが発展していけば、
考えるだけで、自分の思いを相手に伝えることが可能になる。


番組の中でも、
情報の共有の歴史が語られていて、
活版印刷→電信→電話→インターネットという流れがあるなかで
次のフェーズに来るものは脳だけでのコミュニケーションであろうということだった。




人間と機械の共生




語呂合わせでは無いが、これが一部の強力な権力者によって
強制的にもたらされるものだったとしたら・・・



脳に電極を埋め込まれ、キーボード操作の意のままに動かされるラット。
(本人は自分の意志で動いているように感じているんだろうな)
※生物の尊厳を踏みにじる行為だと思う。
→人間を意のままに操ることが出来るのかもしれない



記憶をつかさどる海馬の人工的な修正
(記憶=PCで言うところのメモリーという見方。記憶の外部化)
→記憶を自由自在に操ることが出来るのかもしれない。


もうこんなことも実用化に向けて動いているらしい。


全ての技術は軍事産業と密接に結びついて発展してきました。
パソコンができたのも、高度な計算を行う必要性があったからですし。

ということは、
恐らくは軍事的にこういった研究が利用される日もそう遠くないのかもしれませんね。



となると・・
ちょっと怖くなってきたのでここらへんにしておきます。




アカルイミライよりも
ちょっとした絶望を感じてしまいました・・


「こころ」は誰のものでもない。
それは、それが属する個人のものではないだろうか。

それを守るために。
我々は何が出来るのだろうか・・・