- オリジナル・サウンドトラック Changeling/クリント・イーストウッド
- ¥2,625
- Amazon.co.jp
クリント・イーストウッドが、また傑作を世に送り出しましたね。
この映画の主題はタイトルの「取替え子」ではなく、
また権力の恐ろしさと、それに立ち向かう力強さでもない。
一番の主題は、希望を持ち続ける女性の姿を描いたということでしょう。
時として権力は、ここまで暴力的になるのか。
映画を見ていて、正直うんざりしてしまう。(映画自体じゃなく、権力の腐敗に関して)
アンタッチャブルのアルカポネと結びついていた裁判官や
ザ・ファーム 法律事務所の腐敗した弁護士の姿が思い浮かびます
これに対して、声を上げて抵抗していく神父。
彼が主人公の女性を後押しする形で、権力VS一般市民の構図が出来上がっていきます
嬉しく思うのは、腐敗した制度を許した国でありながら
その腐敗した制度自体を否定する力がかの国に残っているということでした
サンドラ・ブロックの「インターネット」や
ウィル・スミスの「エネミーオブアメリカ」といったフィクションだったら
制度自体を否定する力の存在自体も虚構だったってことになって
救いようがなくなってしまいますが、現実は、まだ捨てたものじゃないということでしょうか。
とはいえ、女性が権力に勝利したとしても、息子は戻ってこない。
ラストの方で聴衆はその現実と向き合わざるを得なくなる。
ただ。
同時期に疾走していた子供が保護されることで・・
女性に生きる希望が沸き起こってくる
それは、可能性の限りなく低いものかもしれない。
でも、彼女にとっては暗闇に光を照らす希望に他ならない。
その後の彼女の軌跡は描かれないが
おそらくはこの光をきっちりと携えながら
歩んでいっていたはず。
そこに、無償の愛情を感じてしまうし、勇気をもらったような気がした。
目を背けたくなる現実のなかで