極私的映画と音楽のススメ -17ページ目

極私的映画と音楽のススメ

印象に残る映画には印象に残る音楽がある。
思い出の名場面に流れていた音楽、言葉などをご紹介


純粋なこころ。

少年のようなこころ。


なにかを作り上げていくとき

なにかを生み出していくとき


必要になってくるのは、知識よりもこういったこころなのかもしれません。



発想や行動の源として

周りの状況をつかみとるための武器として

そして自分だけでなく、他人をも幸福にしていくための糧として



かくあるのは、とても難しい

けれどもそんな思いを忘れずにいたい



そんなことを考えた日には、この映画を思い出します。

初心に戻れるようにと願いを込めて。



トム・ハンクスの名前が広まるきっかけになった作品。

改めてご覧になってみてはいかがでしょうか?


このブログは再録です。

トム・ハンクスの出演作を紹介したく再掲載しました。

(初投稿:2006/1/16、再投稿:2006/6/4)


差別というのはいつの世にもあるものです。
とくに病気など感染症にかかっている方への差別というのは根強いような気がします。


古い話になりますが、
豊臣秀吉が、世の春を謳歌していた時代、
部下たちがそろって茶会を催したことがあるそうです。
お茶を皆で回しのみしていったんだそうです。


部下の中には、ライ病を患っていた大谷吉継という武将がおりました。
このころすでに病状はかなり進行していたそうです.。
彼が口をつけたお茶を他の武将たちは口をつけた振りをして
隣に回したんだそうです。

でも一人だけ、平然とそのお茶を飲み干したものがいた。

それが石田三成だった。

この件がきっかけで中が深まり、関が原でも同盟することになったわけです。



相手に直接的に何かをするということよりも
こういった間接的な差別がいちばんの傷になってしまうんだと思います。



この映画では、エイズというものがその話題の中心となります。

エイズを理由として職を失った主人公。
人間の尊厳とは何か、人権というものは何か
それを確かめるために彼は裁判を起こします。



自分だったどうだろう
自分ならこうありたい

そんな自問自答を繰り返しながら
じーっと画面を見続けておりました。



このブログは再録です。

トム・ハンクスの出演作を紹介したく再掲載しました。

(初投稿:2006/1/18、再投稿:2006/6/3)


ポール・ニューマン、トム・ハンクスの競演。


この映画のみどころは、ギャングのボス役のポール・ニューマン。


だまって座っているだけでも、抜群の存在感で、

ゴッドファーザーのマーロン・ブランドよりも、すごいなこれは・・と

映画を見ながら思ってしまいました。


それくらい、ポール・ニューマンがよかった。

老いてなお健在といったところでしょうか?


トム・ハンクスもいつもどおり、よい演技で、子を守りながらの追われる立場を

熱演しております。


でも、音のない雨のシーン。

このシーンには鳥肌がたった。


近年では一番の名シーンではないですか?


その生を終える瞬間にみせるポール・ニューマンのまなざし。

本当にまなざしがすべてを語っていた。

元仲間である、トム・ハンクスへの思いとかすべてが凝縮されていた。

やっぱすごい俳優だなあと改めて再認識。


70年代と、90年代を代表する役者のすばらしい息遣い、

すばらしい絡み合い、すばらしい演技を、包み隠さず収めた・・

そんな映画です。


映画の魅力が存分につまった名作です。



このブログは再録です。

トム・ハンクスの出演作を紹介したく再掲載しました。

(初投稿:2005/7/22、再投稿:2006/6/2)


ジャック・ニコルソンの近年の作品はとても充実してますね。

アバウト・シュミットもよかったし、

この恋愛小説家も素晴らしい作品でした。



主人公のメルヴィンは、極端な潔癖症で毒舌家。

でもじつは恋愛小説家。


そんなキャラ設定で勝ったようなものでしょうか?




毒舌=人と接するのが苦手ということなんでしょうね。

だからうまく話すことが出来ない。


そんな彼も、最終的には自分の思いを口にすることが出来る。



そこにいたるまでの過程がとても巧みに描かれている作品です。




なかなか自分の殻をやぶれない人は、たくさんいるんだとおもいます。
でもちょっとしたきっかけで大きく自分を変えることが出来るのでしょう。



この映画の主人公のように、60近くなってからでも

きっとそれは可能なんでしょうね。



脇役で登場する子犬もかわいらしい

素敵な映画です。




法廷ものといっても、軍隊内部を描いたものとしては

秀逸な作品ですね。



軍隊には何が何でも遵守せねばならぬ命令コードがあるということが

物語の発端です。



どんな命令であれ、人の命を奪うものが

まかり通ってはいけないわけで、

普通の官僚であれば、なあなあで見逃すところを

若きトム・クルーズは突いていくわけです。


しかも相手の上官はジャック・ニコルソンですからね。



迫力は申し分ない。


法廷の中でのやりとりも

見ごたえがありましたし。


ただおしむらくは、

若き情熱の青年としてしかトム・クルーズが描かれていない点。



良くも悪くも悪に立ち向かうフツーの青年のイメージなんですよね。



個人的な理想は『評決』 でポール・ニューマンが演じた

アル中判事なわけで、その点では見劣りしますねやはり。



でも、最後にジャック・ニコルソンが自分の非を認め、

つぶやく一言の重みはなんともいえないものがあります。



ぜひ、ご覧になって確かめてみてください。


何かから逃げ出したくなるときってありませんか?


忙しい社会人生活とか、

受験に忙しい毎日とか。


でも日常で感じるこういった感情は、

気の持ちようでどうとでもなるものですよね。


気晴らしもできるし、愚痴を言い合うこともできる。

旅に出ることもできるし、のんびり浜辺で読書・・なんてこともできる。



ようは、その毎日の中で、視野をどれだけ広げられるかなんだろうな。


でも、自由のまったく利かない場所にいるとき。

そのフラストレーションは最高に高まってしまうような気がする。

この映画の主人公のように、無実の罪で刑務所に入れられたんならなおさらです。



この映画はたんなる脱走劇ではありません。

それにいたるまでの周到な準備、刑務所内での人間関係など、

一見関係のないような事柄がしだいに絡み合って最終的に一点に結ばれていきます。


しかしまあ、脱走劇をこれだけスリリングに描くことができるのは

スティーブン・キングならでは。



刑務所の風景と、主人公が最後に訪れるシウアタネホの風景の

あまりにもすごいギャップに驚かされる。


刑務所という空間から、抜け出した時の歓喜の叫びがいつまでも耳に残って消えない。

だれもがもとめる純粋な意味での自由がそこにあるから。



忙しい毎日。

勉強で忙しい毎日。

ふと生きていることに疑問を感じるかもしれない淡々とした毎日。


でも、自由じゃないわけじゃない。

少し視野を広げて、いつもと違うことをしてみよう。

いつもとちがう散歩道、いつもとちがう美容院、いつもとちがう雑誌・・

ちょっと目線を変えるだけできっと世界は無限大にその表情を変えてくれるはず・・


その昔、ゴルバチョフ書記長は、冷戦終結、ソ連崩壊の中でこうつぶやいた。

「われわれは自由を手に入れた。だがその自由をどう使うかをまだ学んでいない。」



きっと、自由をどう使うかをしらないだけなんだ。

できることはたくさんある。


そんなことをこの映画をみて思っておりました。

ティム・ロビンスの代表作です。

ぜひご家族でごらんになってください!





このブログは再投稿です。

スティーブン・キングの作品を映画化したものを紹介しています。

初投稿:2005/11/05 再投稿:2006/5/21


小説の映画化。

アガサ・クリスティの作品を例にげるまでもなく、これまで数多くの作品があります。


でも、ほとんどが、原作を超えることが出来ないものばかりのような気がします。

まあ、音の入る映画の世界は別物だともいえなくも無いのですが・・


しかし、この表題作。

原作を超えるというよりは、原作を下地として待ったく別の映画を作ってしまったかのような感があります。

しかも、完成度の高い作品として・・・



スティーブン・キングの小説に見られる、あの生々しい心理描写とか、

詳しい事象の描写とか、そのときの風俗とか、文庫本丸まる一冊を費やして描かれた部分が

思い切って省かれ、映画ならではの特殊映像効果を効果的に見せる作品に仕上がっています。


ホテルの廊下の向こうから血が流れ出してくるところとか

冒頭のホテルの空撮シーンの、雪の白とホテルの色合いの対比をみせるところとか

双子の少女とか、いろんな場面が鮮明に記憶に残ります。


でも、この映画を、とてつもない高みに押し上げているもの。

それはジャック・ニコルソンの演技でしょうか?


ここまで狂った男を演じきれた俳優は、彼くらいなのではないでしょうか?


原作を先に読んでもよし、

映画を先に見てもよし。


でもこの作品は、映画と小説の両方を味わってこそ

より深く理解できるような気がします。


スタンリー・キューブリックの名作ですね



このブログは再投稿です。

スティーブン・キングの作品を映画化したものを紹介しています。

初投稿:2005/11/05 再投稿:2006/5/20


映画を見たあとで、背後の事実を知って驚くことがあるけど、

この映画もまさにそんな感じ。


スティーブン・キングが原作だなんて、わかりませんフツー。


でも、死体を捜しに行くというシチュエーションや、

最後のエピソードとか、ああ、キングだなあと

思わせる部分も発見できますが。


だれもが、こんな冒険を幼いころは繰り返しているんだろうな。

くわがた虫をとりに、林に入ったり

魚をとりに、沼に行ったり・・


だれもが普通に経験するそんな事柄を

上手く映画(小説)という手法で描きだしてみせた、その手法は見事。


タイトルも、まさにそのとおりだし、

しかも同名の曲なんて、いまやスタンダードソングだし。


いろんな意味で、少年時代の「夢」を描いているような気がする。

それは、誰もがみることのできるもの。


大人だって、ちょっと工夫すれば大丈夫。

この映画を見た後、自分の夢を空想してみよう。


きっとその先にはアカルイミライが待っている。





このブログは再録です。

スティーブン・キング作品の映画をご紹介しています。

初投稿2005/07/19  再投稿2006/05/19






多勢を統制するために必要なもの



それは強圧的な恐怖政治ではなく、

相手の目線に立って、同じ立場で物事を考えて行くことではないでしょうか。



この映画では「音楽」は重要なキーワードになっていきます。




音楽によって、心をつかんでいく・・



映画自体の構造はとくに目新しいものはありません。



けれど、この映画で出てくるボーイソプラノは文句なしに美しい。

これはすばらしいですね。


この世の中にこれほど、きれいな声があるものか??

と驚いてしまいました。



ちょうど、とても疲れていたときにみたのですが、

見終わったとは、すごく癒されたように感じました。



皆さんも疲れているなあと感じるときには、

ぜひご覧になってください。


これって、きっとアルモドバルが自分の趣味を優先させて作った映画なんだろうなあ



と見終わった後に感じました。



過去の名作に見られるような大きなテーマなどなく

たんたんと禁断の愛の姿がつむぎだされていく。



謎の青年があらわれるが、その正体が発覚したからといって

とりわけ何かが起こるわけでもない。



神父さんも、なんだか存在感がない。




この映画はいったいなんなのか?





70年代後半。

ジェンダーの名の下に、男達は化粧を始めた。

音楽のフィールドではグラムロックなるものが隆盛を極める。


アメリカでもグリニッジビレッジは性の解放区として

同性愛者が闊歩し、風俗店などが街を埋め尽くしていた。


同性愛という言葉が、独り歩きし、

同性も愛せることが、トレンドであった時代。


ミック・ジャガー、デイヴィッド・ボウイ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、

アンディ・ウォーホール・・


この時代に活躍したスター達は、軒並みこのトレンドに

自らのりだしていく。


しかし

この輪の中からおきたとある病気によって、

このトレンドは急速に下火になっていく。


それはエイズ。



この映画で描かれる背景。

それはきっとエイズによってメインストリートから

消えていった開放的な性の名残。



そう、この映画はきっと

70年代末から80年代初頭にかけての

性文化へのオマージュなのだ。



●ペドロ・アルモドバル監督作品

http://ameblo.jp/bluenote7777/entry-10009815500.html

『マタドール』

http://ameblo.jp/bluenote7777/entry-10010243337.html


『オールアバウトマイマザー』

http://ameblo.jp/bluenote7777/entry-10003855050.html


『トークトゥハー』

http://ameblo.jp/bluenote7777/entry-10004501498.html