- 息子
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山田洋次監督の作品。
小津安二郎の映画で描かれた世界の現代版といった趣があります。
すでに核家族化は進行し、
田舎ではお父さんが一人暮らし。息子たちは都会に居を構える。
現代日本の情景ですね。(過疎化と都市化)
末の息子が、どうしようもないやつで
心配になったお父さんが田舎から出てきます。
働き出したかと思ったら、とある女性に熱をあげ、
結婚したいと申し出ます。
そんなかんなで、一苦労。
日本の古きよき父親像を投影しているかのよう。
このお父さんの歌う「お富さん」がなんともいえなくて
しみじみ。
ラストで、田舎に帰ったお父さんに近所のおじさんが
「あんた、幸せかい?」とたずねます。
するとすこし間をおいてお父さんが答えます 「ああ。幸せだよ。」
この問いかけのシーンが大好きです。
家族ははなれていても、心がつながっていて、みんなが元気に過ごしている。
それだけでも十分なのかもしれないですね。
自分の父親がいとおしくなる、そんな作品です。
きっと忘れていた大切なものを思い出せますよ。
初掲載:2005/7/29、再掲載:2008/1/12