極私的映画と音楽のススメ -12ページ目

極私的映画と音楽のススメ

印象に残る映画には印象に残る音楽がある。
思い出の名場面に流れていた音楽、言葉などをご紹介



声にすると、とたんに色あせてしまうようなそんな思い。


皆さんも経験があるのではないでしょうか?



そんなとき、言葉の代わりに、何かに思いを託して

相手に思いを伝えることができたら・・


きっと素敵ですよね。


この映画の主人公も、そんな一人。

彼は、声にならない思いをギターの音色に託します。



こんなことができたらいいよなあ・・

そんな思いに浸っていたのを覚えています。




でも、特筆すべきは、ギターの琴線をふるわせるような音色でしょうか。

ギターは、弾き手の感情によって、こうも表情を変えるんだなあ・・


声にならない思い。


本当のところ、がんばって声に出すことが一番大切なんだと思います。

でも、こんな、伝え方もいいんでしょうね。



すごく楽しく、とても共感できる映画でした。

表情を色鮮やかに変えていくギターの音色を聞いたなら、

言えなかった一言が言えるようになるかもしれませんね・・・


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出演: ショーン・ペン, サマンサ・モートン, ユマ・サーマン, ウディ・アレン
監督: ウディ・アレン

2000年

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ギター弾きの恋/ショーン・ペン
¥3,900
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エイミー
¥3,420


歌の力を感じるときがある。


たとえば、「必要なのは、愛なんだ!」なんて言葉をただ口にしただけでは、

顔から火が出るだけでなく、大噴火の様相を呈しそうではないか。


でも、これにメロディーを付けて、「ALL NEED IS LOVE♪」とうたわれたとき、

この言葉は永遠の名曲となった。



この映画は、幼いころのショックが元で言葉を失った少女が、

歌で自分の感情を伝えることができるようになり、

最後には、言葉を取り戻すというもの。


もしかすると、人類は、言葉を使い始める前に、

きっと歌で、意思を伝えていたんじゃなかろうか。


はるか古代、うっそうとした森の奥地の集落。

そこからは、なんともいえない甘美なメロディーが流れていた・・

なんて想像するだけでも楽しい。


でもきっとそうなんだろうな。

だから、少女の言葉=歌がこれほどまでに心に響くんだろうなあ。

主題歌がいつまでも心に残る素敵な名作です。


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出演: アラーナ・ディ・ローマ, レイチェル・グリフィス, ベン・メンデルソン, ニック・バーカー
監督: ナディア・タス

1997年

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エイミー
¥3,420





北京ヴァイオリン 特別プレミアム版/タン・ユン
¥3,960
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この映画の主題は「心」です。

本当に信頼をおいて人と付き合う経験の無い女性

腕前はすばらしいが音に心をこめられない女性

あまりにも官僚的なのに嫌気をさして心を閉ざしている先生

そんな人たちが、あまりにも無垢な

主人公とその父親と出会うことで

心が浄化され、心を取り戻していきます。

人との心の通い合わない恋愛の空しさに気づき、

音に心をこめることの本当の意味を理解し、

そしえ、教えることへの情熱を取り戻していきます。

心の浄化

そう、それはもちろん、この映画を見ている僕たちも。

僕たちもこの映画を見ているうちに知らないうちに浄化され、

すんごくあったかい気持ちになることができます。

かもめ食堂/小林聡美
¥4,072
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平凡な毎日でも。

かりにむなしいと思える毎日でも。


たんたんと過ぎ去る日々の中でも

ちょっとしたきっかけがあれば

それが、輝かしい新たなる人生のスタートになるかもしれない。



皆さんは、毎日がたんたんと過ぎ去っていくような

感じになることはありませんか



でもそれは気の持ちようで

どうとでもなります



そして人との出会いがそんな毎日を打破してくれるのかもしれません


きっかけはほんの些細なこと

そしてそれはどこにでも転がっている



待っていては、やってこない。

目的をもって毎日を過ごしていれば、

それはきっとやってくる。



「珈琲時光」以来のすばらしい日本映画に出会いました。


彼女たちの人生は、出会いと気づきによって

これから輝きを増していくのだと思います。



生きることがつまらないといっているあなた。

ちょっとしたきっかけで大きく人生は様相を変えるんですよ!


この映画をみるととてもポジティブな気持ちになれます。

なんとなく閉塞感を感じている方々、ぜひごらんになってみてください。


そしてちょっと視点を変えて歩みだしてみてください。



ラン・ローラ・ラン/フランカ・ポテンテ
¥3,591
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ジャーマンニューシネマの旗手のような作品でしたね。



恋人のために町を駆け抜けるローラ。

そのバックにはテクノがテンポよく流れていきます。



オムニバス形式なので

ややもすると単調なストーリーに刺激が

与えられて飽きずに楽しむことが出来ます。



しかしまあ、走る走る


アニメになったり、特殊技術も目いっぱい挿入。


見終わった後にはなんだか、一緒に走った気分になって

よくわからない疲労感に襲われますが(笑)



ドイツの映画が盛り上がるきっかけとなった作品です。




さらば青春の光/フィル・ダニエルズ
¥1,174
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あのスティングが出演している

若者同士の抗争の果ての

精神的成長を描いた作品です。



当時はパンクムーブメント真っ盛りで

古い音楽や様式はオールドウェーブとさげすまされていた時代。


ニューウェーブ派とオールドウェーブ派。



その対立の果てにあるのは

やはり、悲劇的な結末。


この主題は

「理由なき反抗」などでも

頻繁に描かれています



とはいえ、悲劇に終わらず

その後の彼らの成長を感じることが

できるからこそ、印象的なジャケットもあいまって

人気が衰えない作品となっているのでしょう。



若い自分の

魂の燃え上がりを再確認できる秀作です。

雨に唄えば 50周年記念版 スペシャル・エディション/ジーン・ケリー
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さて今年最後はこの映画をご紹介いたします。



いわずと知れた名作です。



今年はみなさんにとってどんな年でしたでしょうか?

すごくいい年だった!

最低な1年だった


などなどあるかと思いますが


たとえ嫌なことがあったとしても

その気持ちは翌年には持ち越したくないものですよね



いいことがあったならその気持ちを

持続させたい



そんなときに最適なのが、この表題作なのではないでしょうか



雨が降ったって

それを楽しんでしまえばいい




素敵なメッセージを投げかけてくれる映画を

今年最後にご紹介します。









みんな誰かの愛しい人/マルリー・ベリ
¥2,750
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映画のコピーは数あれど

久々にそれだけで見たい!っていう気にさせられた作品でしたね。



「ひとりひとりの、心のキーは違っても、
みんなで歌えば、美しい和音に…。」



人と接すること

それは生きていれば必ず

誰にでも

毎日のように起こる出来事



すべての人と

合うわけじゃないし

むしろ合わない人のほうが多いのではないでしょうか



日常生活だと

別にお付き合いしなければいいだけですが


こと、会社や学校、はたまた部活動などの

輪の中にいる場合はそうもいかない




この映画はその気持ちのすれ違いを

音楽に当てはめて描いていきます



みんなそれぞれキーは違う

やたら低音で歌う人もいれば

はたまたメタル野郎のように、ハイトーン高音スクリームを日常的に

響かせているやからもいるかもしれない



でもその人たちに無理に合わせる必要は無い

お互いはまったく価値観の違う存在でも

皆がそろえば、それは一つの美しい和音になり

メロディーになる。




この映画を見ると

なんかほっとしません?




いろいろ考えますね

こういう考え方もあるのかと思いますね




やはり、アネェス ジャウィさんは

フランス映画の新しい流れを確実につくってますね。



この映画カンヌ映画祭で脚本賞を受賞。

次はどんな作品を撮ってくれるのでしょうか



アネェス ジャウィ

要チェックです。

ムッシュ・カステラの恋
¥2,700
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ムッシュカステラはまじめ一筋の経営者


ところがとある日

とある女性に一目ぼれ


彼女の気を引くために

生まれてはじめて芸術の世界に身を投じます


展覧会を見たり、舞台を見たり



でも現実は厳しいもの

彼女jは見向きもしてくれません・・・・・・・・・・・・・




最近は80年代までのフランス映画の潮流とは

あきらかに異なる作風の作品が多数登場しています



これまではフランス映画=悲劇

またはフランス映画=デカダン

というのが一般的な図式だったと思います




この映画では、そんな潮流へのアンチテーゼなのでしょうか

コメディ風味たっぷりに

カステラさんの恋を面白おかしく描いています



最後の最後

この心温まるシーンは決して忘れることが出来ません



新たなるフランス流の幕開けといえるのかな



アニェス・ジャウィ監督は

こんなふうに、現実をリアリティバイツに描くのではなく

ちょっと視点を変えた舞台の演目として非常に丁寧に

紡ぎだしていきます。




生きることに不器用だなあとかんじる方

ムッシュカステラの成長を信じてご自身の起爆剤として

この映画をご覧になってみてください。



とっても心温まる映画ですよー

あの頃ペニー・レインと/パトリック・フュジット
¥1,254
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70年代のアメリカの様子を

甘酸っぱい青春模様で描いた秀作です。



内容は基本的に『アメリカン・グラフィティ』を彷彿と

させるもの。



ティーンエイジャーの少年が登場し

憧れの女性が現れる



少年時代の最後の時に

憧れの女性を想い、

音楽に身を任せ

本能の赴くままに旅をする



そして


少年時代の終わりと共に

夢から覚め

大人の階段を上っていく




この映画をみると

なんだかとても懐かしい気分になってしまいます。



70年代後半は

自分がうまれてから数年間すごしていた時代。

もしかすると幼いときの空気とか匂いとかが

刷り込まれているのかもしれませんね



ヒッピーの服装とか、町の風景とか

そして音楽にたまらない郷愁を感じてしまうんですよ。



この映画の最後の方

夢から覚めようとしているときに

その名残を惜しむかのように流れる

レッド・ツェッペリンの『タンジェリン』



この曲のすばらしさと

映画から感じるとてつもない郷愁に

なんともいえない気分を味わったのを覚えています。




ちょっと昔の甘酸っぱい名残を

思い出したいとき。


この映画はお勧めかもしれません。



アメリカン・グラフィティ2/チャールズ・マーティン・スミス
¥2,750
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Led Zeppelin III/Led Zeppelin
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