「日本式ジョブ型人事制度のすすめ」シリーズ。
これまでのテーマは以下の通り。
ジョブ型に関する記事を書くために、
「ジョブ型人事制度」というワードで検索することがあります。
すると日々、記事が増えていることを感じます。
まさにバズワードですね
ニュースや導入企業の人事責任者の声の他、
私のようなコメントを載せているものもあります。
そうした中、特に最近目立つ記事があります。
ある特定の外資コンサルがUPしているものです。
かつて一世を風靡した「Hay」であり、
今は買収され「○○○・フェリー」となった会社です。
ジョブ型で攻勢をかけているんですね
さてこんなタイトルの記事を見つけました。
記事の内容をピックアップします。
- コロナ禍においてリモートワークが進む中、従来の人事制度を「ジョブ型」に転換する企業が登場している。
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上司の指示を仰ぎながら日々の業務をこなすやり方と違い、上司が見えない在宅勤務で仕事をするうえで「ジョブ型」の相性がよいという背景がある。
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部下の仕事ぶりが見えない中、行動評価は難しい一方、あらかじめ明記された職務を忠実にこなしているかどうかを成果物で計るジョブ型は行いやすい。
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「時間と場所に制約されない自由度を高めた多様な働き方」を謳い文句にジョブ型人事制度を導入する。
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しかしうまい話ばかりではない。ジョブ型はジョブで給与が決まり(職務給)、仕事内容と難易度(ジョブグレード)で細かく給与が規定されるため、以下の事象が起こる可能性がある。
能力が高くても給与が上がらない、生活保障的な年功給や属人手当がなくなる、社員間の給与格差が広がる、現在価値による降格もある、解雇はなくても希望退職募集はありうる -
今後、雇用環境の更なる悪化が予想される。第2波・3波やオリンピック中止の可能性も。
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本格的なリストラも想定される中、「ジョブ型評価」が判断基準として使われる可能性がある。
最後にリストラ対象者のイメージが記載されています。
- 在宅勤務下でも目標の達成に向けて自律的な働き方ができない(成果が低い)社員
- 旧態依然とした部下の顔が見えるオフィス内でのマネジメントしかできず、新しいマネジメントスタイルを築けない管理職
そこまで大きく制度転換をできるのか疑問はあります。
契約に基づく関係がベースです。
マネジメントが機能するのかどうか。
結局、ジョブ型っぽいメンバーシップ型になる気も。
そのため記事になるようなジョブ型制度が
リストラに使われるほどに機能するかは疑問です。
ただ記事が示す意図や企業が向かう方向は
そうだろうと感じます。
前向きな変化が生まれてほしいです。
「成果主義」ブームの時に叩かれた富士通。
今回も登場していますね。
今春、DX専門の組織を立上げましたが、
あまり良い噂を聞かないです。
今後どうなるんでしょう
以下のようなことは取り組む必要はあるでしょう。
- 社員一人ひとりの役割認識を高める
- 管理職や専門職の厳選化を進める
- 多様な働き方に対応できる状態を作る
- 人件費の効果的配分を進める
一方で、新卒採用+経験を通じた育成は
それほど攻めるべきことではないと感じます。
日本的なものを否定するのが好きな日本人ですが、
良い部分にも光を当てる必要はあるでしょう。
大事なのは多様な働き方、雇用の在り方を
受容できる組織作りだと思います。
場によって人は活かされもするし、ダメにもなる。
個人的には人の可能性を信じたいですし、
そのことを意識した取り組みが広がることを祈りつつ
私も真剣に取組んでいきたいと思います
最後に参考図書を一冊。
記事の中で登場させてしまった外資系コンサルに
以前所属していた山口周氏の書籍です。
リベラルアーツの大切さを感じます。
良かったら参考にしてください。