惨獄死(さんごくし)
惨獄死(さんごくし)
シリーズ惨獄死(しりーずさんごくし)
アイデア段階ですが。考えました。古今東西のちょっと残酷な話の集大成です。(実際にはちょっとではないが。)第一回は、劉瑾の巻を予定しています。しかし、題材があまり手に入らず、第一回で終わってしまうかもしれませんが。いや、第一回どころか一回もやらないかもしれませんが(その場合、第0回)。この名前(惨獄死およびシリーズ惨獄死というタイトル)は、使ってもらってもかまいません。別に意匠登録とかもしてませんし。そういうことです。とくにオチのようなものはないかもしれませんが、そういうことです。告知のようなものと思ってもらいたいです。では。
地獄の辞典 第五回
地獄の辞典 第五回
キリスト教の地獄…
刑期という概念がなく、基本的に無期刑。『聖書』にその記述がある。最悪の地獄は、寒冷の地獄である。
仏教の地獄…
八熱地獄・八寒地獄の二つの地獄が存在する。他に辺境地獄というものが存在するらしい。キリスト教のそれとはちがい、刑期が存在する(異様に長いが)。キリスト教の地獄が苦役の場であるのに対して、仏教のそれは、〈浄罪の場〉としての趣向が強い。
ヒンドゥー教の地獄…神々の反逆者ヤマが創った世界。地下世界。地界。
ギリシャ神話の地獄…
ゲへナ、ヒンノム、タルタロスの三つからなる。アイアコスの直轄地。スティックス、コキュートスなどの河、炎の谷などの景観を有する。
スエーデンボアーの地獄…
キリスト教や仏教の地獄が、苦罰や浄罪の世界であるのに対し、スエーデンボア-の地獄は、悪の世界という意味合いを有する。そこには、もはや、苦しみは存在しないのだが、住人(有罪の魂)は、そこでは、俗悪の世界に住まい成すことを余儀なくされているのである(住人は、そのことを苦とも思っていないようであるが)。
日蓮の地獄…六道輪廻の世界すべて。
地獄の辞典 第四回
悪魔
『オカルトの事典』による解釈…総称
仏教による解釈…
「悪魔」という単語自体もともと仏教語である。サンスクリット語(梵語=サンスカール)では、マーラ=パーピマーというものである。その主たる役割は、聖人や高僧を悪の道に唆して堕落させるというものである。そういう点では、キリスト教の悪魔(悪霊)と変わらない。
仏教の悪魔…
第六天(他化自在天)などの高位の天界を住居とする種族。波旬王をその総帥とする。六道輪廻の中にあって唯一、輪廻の法則に従わない種族。上述のように聖人・高僧を堕落させるという役割を持っている。その正体は、菩薩とする説も存在する。
地獄の辞典 第三回
地獄の辞典 第三回
饕餮
中国伝説上の動物。『捜神記』、『山海経』などの文物の中にその姿を見ることができる。一つの頭に二つの体を持つとされる。左右対称(シンメトリー)をなしたプロポーションをしており、このタイプのルクスを持った想像上の動物は、古今東西の神話伝承の中でもこの饕餮だけだろう。想像上の動物としてもかなり珍しい形姿といえるだろう。饕餮は、また、蓄財に励むが、布施をしない人の比喩でもある。
地獄の辞典 第二回
地獄の辞典 第二回
梵天
大梵天王(だいぼんてんのう)。『悪魔の事典』、『オカルトの辞典』、ともに記載がある。『オカルトの辞典』には、大宇宙(マハーブラフマン)の中心にある巨大な館に棲まう「男神」とある。いわずとしれたヒンドゥー教の神話の神だが。ブラフマー神、ヴィシュヌ神、シヴァ神の三兄弟の長兄に相当する。この三兄弟のうちヴィシュヌ神は、〈維持〉をあらわし、シヴァ神は、〈破壊〉をあらわし、そして、ブラフマー神は、〈創造〉をあらわしている。しかしながら、ブラフマーが〈創造〉をあらわしているといっても、彼(ブラフマー)が宇宙(大宇宙(マハーブラフマン))を創造したわけではなく、ブラフマーが造物主というわけでもない。その点がキリスト教、ユダヤ教、イスラム教など一神教の〈神〉とのちがいである。
仏教による解釈
仏教によるブラフマーの解釈では、彼、ブラフマー即ち梵天は、非想非非想天(有頂天)という高位の時空間に存在することとなっている。これは、無色界における最高の階層ということになる。ヒンドゥー教の神話大系のほぼ最高神といっていい位置づけなので、それにふさわしい解釈となっている、といえる、だろう。
ブラフマーが宇宙(大宇宙(マハーブラフマン))の創造主ではない、ということは先述したとおりである。ヒンドゥー教の神話では、ブラフマーがその存在を始めた時、宇宙はたしかにそこにすでに存在していたのである。ブラフマーが開眼した時、そこには、静かな大海が存在していたとある。とはいえ、ブラフマーが実質上の最高神であり、神々の始祖神であることにはかわりないのである。
地獄の辞典 序三
地獄の辞典 序三
『悪魔の事典』
『地獄の辞典』
『オカルトの事典』
『幻獣辞典』
『悪魔王国の秘密』
けっきょく、当初、三書の予定が、参考文献とするのは、以上の五書となった。
『悪魔の事典』
A・ピアズ著
『地獄の辞典』
C・D=プランシー著
『オカルトの事典』
F・ゲティングズ著
『幻獣辞典』
J・L=ボルヘス著
『悪魔王国の秘密』
佐藤有文著
おもな訳語…
Demon::魔神
Devil::悪魔
Purgatorium::煉獄
Darkness::暗黒
Doom::滅土
なかでも『悪魔王国の秘密』による解釈は、他とは一線を画する。この本の中では、地獄(a Pit)は、魔界(Devil Dome)の一部という解釈となっている。また、おたがいの関係性は不明であるが、魔界とは別に暗黒界(Qliphoth)というのが存在する。サタン、アーリマンともに称号は、暗黒の皇子(Prince of Darkness)であるが、他にも階号が存在する。それぞれ、サタンが、魔界の帝王(Prince of Dome)、アーリマンが、悪霊の大王(Prince of Deva)である。(階号というより身分だが。)
地獄系の語彙…
ユコーバック::魔神
フールフール::魔神
アイアコス::地獄の軍団の総帥
魔女の大鍋::地獄にある巨大な鍋。聖杯伝説と関係があるとされる。
最後に、本書、「地獄の辞典」は、五十音順、アルファベット順では、とくにないことを記しておく。
2024年10月24日
地獄の辞典 序二
地獄の辞典 序二
C・D=プランシー著の『地獄の辞典』の日本語訳版の冒頭にある。Grand Presidentという語彙。本邦では、大総裁と訳されているが。本書においても、その訳語に準拠することとする。『悪魔王国の秘密』。『悪魔の事典』、『地獄の辞典』、『オカルトの事典』(と、『幻獣辞典』)とは、別に存在する典籍。本書「地獄の辞典」の執筆にあたって重要な書籍と考えられるので、挙げた。ここに挙げた他の書籍ほど有名ではないかもしれないが。ということで、本書「地獄の辞典」においては、『悪魔の事典』、『地獄の辞典』、『オカルトの事典』、『幻獣辞典』に加えて、第五の重要な典籍である、『悪魔王国の秘密』を参考資料として使用するつもりである。
